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パリ・オペラ座の日々1993~1994:10 月1日 パリ・オペラ座「Soirees d'ouverture」②


10月1日

午前中はここ何日かと同じように勉強、午後はFIAPへ。(雪)はイリフネに行って本を借りたり。夕方エチエンヌ・マルソーで待ち合わせて中華を食べて、カフェに寄ってからオペラ座へ。Soirees d'ouverture2回目。

エチュードはデュポン、アルボ、ルグリでとても良かった。特にカロル・アルボが素晴らしい。In the middleは良いんだけど、ちょっと飽きてしまった。

昨日まででサンマンデのカフェのサムソンは辞めてしまったらしい。寂しい。FIAPで一緒だったイタリア人のルイーズも今日でお別れ。

ノート 27F
ペリエ 15F
中華レストラン 90F
カフェ 29F
FIAP授業料 460F


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(1995年発行の絵葉書。これはバスチーユの新オペラ座ですね)


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さて、昨日はこのグラン・デフィレのことだけ書きましたが、Soirees d'ouvertureのプログラムは他に3つの演目が含まれていました。


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「concerto en ré」は、当時のオペラ座バレエ学校の校長だったクロード・ベッシーの振り付け(1977年初演)。音楽はバッハ。出演はバレエ学校の生徒達です。

バレエ団入団前の子供たちですので、基本的な動きだけで構成されたような振り付けです。このバレエ学校は非常に狭き門をくぐり抜けたエリート集団ですから、”発表会”的なユルさは微塵もなくピシっとした舞台でした。

(少しですけど映像がありました)



続く「Études」(デンマークでは1948年初演。パリ・オペでは1952年初演)は、その前の「concerto en ré」の大人版のような演目です。振り付けはランダー(Harald Lander 1905-1971年)、音楽はツェルニー(Carl Czerny)。

ハラルド・ランダーはデンマーク出身のダンサーで、バレエ・リュスで振り付けを手掛けたミヒャエル・フォーキンに師事し、デンマーク王立バレエで活躍しました。引退後は振り付けも手掛け、この「Études」で国際的にも高い評価を獲得しました。1953年にはパリ・オペラ座のバレエ・マスターに就任、1964年にはパリに自身のスタジオも開設しました。

ツェルニーはあの「ツェルニー」です。 ピアノを習った方なら皆さんご存じの練習曲集の作者。

「Études」は、クラッシックバレエのレッスン・トレーニングへのオマージュを形にした作品です。バーレッスンから始まり、基礎的な動きが積み重ねられ、やがてセンターでの大きな動き、ジャンプなどへ繋がっていきます。単なるレッスン風景の描写ではなく、クラッシックバレエの様々な作品を連想させるような場面、バランシン的な幾何学的な美しさも含まれていて、全体としてとても感動的な演目です。何度見ても飽きることなく楽しめました。特にこの日は、パトリック・デュポン+マニュエル・ルグリですからね!これはもう特別な一日です。




2017年のボリショイの映像がオフィシャルで綺麗だったので。ほぼ全体の感じが掴めます。21分くらいの闇をクロスに進行するシーンとか印象的でした。



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長くなってしまったので、イン・ザ・ミドルについてはまた後日。




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