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K-126 カピトリーノのヴィーナス胸像

石膏像サイズ: H.78×W.47×D.28cm(原作サイズ)
制作年代  : 紀元前150~120年頃
収蔵美術館 : ローマ・カピトリーノ美術館
原作者   : プラクシテレス(Praxiteles)
出土地・年 : ローマ・ヴィミナーレの丘 17世紀後半

古代ギリシャの彫刻家プラクシテレスが制作したととされるヴィーナス像(クニドスのヴィーナス)の影響を受けて、古代ローマ時代に製作されたものと考えられています。この彫像は、クレメンス10世(1670-76在位)の時代にヴィミナーレの丘(Viminal Hill古代ローマの元となったローマ7丘のうちのひとつ)のスタッツィ家(Stazi)の庭園から発掘されました。その後、教皇ベネディクト14世が1742年にスタッツィ家からこの彫像を購入し、カピトリーノ美術館に収蔵させました。

19世紀初頭にナポレオンがイタリア半島を占領したときに戦利品としてパリに持ち去られましたが、ナポレオン失脚後の1816年には無事にローマに返却されました。パリに設置されていた時に、Joseph Chinardという人物によって大理石製のレプリカが制作され、そちらは現在フランスのコンピエーニュ城(ルイ15世、ナポレオンなどが使用)に収蔵されています。また、ナポレオンに接収されていたときに、代替品としてカピトリーノ美術館に展示されていた石膏製のレプリカは、本物の返却にともなってイギリスへと送られ、新古典主義に属する彫刻家John Flaxman(食器のウェッジ・ウッドの”ジャスパー・ウェア”のデザインなども手掛けた人物)などからも絶賛されたという記録が残っています(当時の英国文化人達は、こういった古代ギリシャ、古代ローマ文化の発掘物に対して非常に高い関心を持っていました)。

ローマ・カピトリーノ美術館収蔵 石膏像の原作 紀元前150~120年頃
(写真はWikimedia commonsより)


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