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パリ・オペラ座の日々1993~1994:9月30日 パリ・オペラ座「Soirees d'ouverture」①


9月30日

本日も午前中は勉強。学校に通いだしたらフランス語が急に楽しくなってきた。午後はFIAPへ。(雪)とは授業後にエチエンヌ・マルソーで待ち合わせして、クスクスを食べた。そのまま夜のオペラ座へ。いよいよ新しい1993-1994シーズンの幕開け。グランデフィレ、エチュード、イン・ザ・ミドルなど。デフィレは感動した。エチュードも素晴らしい作品!

カルネ×3 117F
クスクス屋 85F
カフェ 24F
水 15F


7月14日に昨シーズンが終了してヴァカンス入りしていたオペラ座が、2か月半ぶりに再開。いよいよ1993-1994年シーズンの幕開けです。夏は旅行ばかりしていたので、久々のバレエ観劇に胸躍りました(まあでも、2か月半の間にパリオペの南仏公演、デンマーク王立バレエ、ロイヤルバレエなどあれこれ見てはいたんですけどね…笑)。


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ここから1年間のプログラムが詰まったパンフレット

ちなみに、パリ・オペラ座の1993-1994年シーズンはざっくり書くとこんな感じでした。

・「Soirees d'ouverture」(シーズン開始プログラム エチュード、イン・ザ・ミドルなど)
・トワイラ・サープのカンパニー招待公演
・「ジェローム・ロビンス」
・東京バレエ団の招待公演
・ローザス(ベルギーのカンパニー)の招待公演
・「ピカソとダンス」
・「くるみ割り人形(ノイマイヤー版)」
・「ニジンスキー」

・「ローラン・プティ」
・「アンジュラン・プレルジョカージュ」
・「バヤデール」
・「ランダー/ロビンス/フォーサイス」
・「チューダー/テイラー/マクミラン」
・サンフランシスコバレエ団の招待公演

一行空いた「ニジンスキー」まで見て帰国となりました。それ以降だと、ちょっとだけ見逃し感があるのは「バヤデール」かな。これは僕らがパリにやってくる前の92年に公演があって、次の再演がこの94年の後半ということで、僕達とは縁が無い演目でした。ヌレエフ版はセット・衣装含めて豪華な舞台ですから、これを見逃したのはちょっと残念だったかな。(その後、妻は2003年の来日公演でバヤデールを観ました。僕は子守りでお留守番…笑)


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ということで最初のプログラム「Soirèes d'ouverture」の始まりです。春から夏までは、ひとつの演目を観るのは2回から3回でしたが、この頃からだんだんエスカレートして回数が増えていきます。

10月 「Soirèes d'ouverture」 5回
11月 「Jerome Robbins」 5回
11月 「Picasso et la danse」 4回
12月 「Casse noisette」 9回
1月 「Nijinski」 8回

ノイマイヤー振り付けの「くるみ割り」×9回(!)が最高ですが、同じ演目を劇場で9回観るって…(笑) ここまでくると、もうバレエ団と一緒にリハーサルに参加してるみたいな気分で、振り付けも音楽も全部頭に入っちゃいます。


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「Soirèes d'ouverture」はシーズンの始まりを告げるプログラムで、オープニングはバレエ団全員登場のグラン・デフィレ(Grand défilé du corps de ballet)で幕を開けます。デフィレというのはフランス語で行進の意ですが、これが華やかでとても素敵なんです。


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(写真はこの公演のパンフレットから。91年のものですね)


バレエ学校の生徒約100人、バレエ団員150人くらいが階級ごとのまとまりで舞台の奥から手前へ静々と”行進”してきます。音楽はベルリオーズの「トロイ人の行進」(歌劇トロイ人の一部)で、最終的に舞台上に全員が勢ぞろいして、この写真のような配置になります。

13分くらいの単なる「行進」なんですが、これがなんとも風情があって良いんです。このガルニエ宮という劇場、伝統あるバレエ団、そしてそこに集った観客が一体となって、連綿と続くバレエの歴史を今も紡ぎ続けているんだということを体感する瞬間でした。


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もちろんデフィレに続いてバレエが上演されるのですが、それはまた明日。


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