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M-460 ベロッキオ半面(マキャベリの肖像)

石膏像サイズ: H.24×W.19×D.13cm(原作サイズ)
制作年代  : 1495年
収蔵美術館 : フィレンツェ・バルッジェロ美術館
作者    : ポッライオーロ(Pollaiolo 1429-1498別名:Antonio Benci)

こちらの半面像、日本では長らく「ベロッキオ半面」として流通していますが、作者はルネサンス期のフィレンツェの彫刻家ポッライオーロで、フィレンツェのバルッジェロ美術館に原作彫刻が収蔵されています。美術館のタイトル表示は「名称不明の肖像彫刻 Ritratto d’Ignoto,di Antonio Benci,detto del Pollaiolo」とされていますが、設置場所が「ベロッキオの部屋 Sala del Verrocchio e della scultura del secondo quattrocento」であることから、石膏像がこのような名前で認知されてしまったものと推定されます。

また共和制フィレンツェで思想家・外交官・軍事指揮官として活躍したニッコロ・マキャベリ(Niccolò Machiavelli 1469-1527)の肖像彫刻であると指摘する資料もあります。残された肖像画との比較からこの彫像がマキャベリ像である確度は高いと思われますが、学術的な見地からは断定されていません。マキャベリは、政治的な激動期(15世紀末のメディチ家支配→サヴォナローラの神聖政治→共和制→メディチ支配)のフィレンツェで過ごした経験から、1516年に君主としての政治手法について論じた「君主論」を当時の支配者だったロレンツォ・デ・メディチに献上しました。

フィレンツェ・ヴェッキオ宮収蔵 「Nicolo Machavelliの肖像」 Santi di Tito(1536-1603)作 (写真はWikimedia commonsより)


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