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M-495 聖歌隊半面(A)(B)

石膏像サイズ: H.15×W.11×D.8cm(A 原作サイズ)
        H.15×W.11.5×D.6.5cm(B 原作サイズ)
制作年代  : 1431~9年頃
収蔵美術館 : フィレンツェ・ドゥオモ付属美術館
作者    : ルカ・デッラ・ロッビーア(Luca della Robbia 1400-1481)

釉薬を用いた独特のテラコッタ像で有名なルカ・デッラ・ロッビーアの作品の一部です。彼がキャリアのごく初期に、フィレンツェの大聖堂の聖歌隊席を飾るレリーフとして製作した作品が「カントーリア」で、この小さな石膏の半面はレリーフを彩るたくさんの歌い手たちの中の一人の顔面部分です。

「カントーリア」は、旧約聖書の詩篇150篇(神への賛歌)に基づいた10枚のレリーフから構成され、その中では子供たちが様々な楽器をもって歌い・演奏する様子が描かれています。生き生きとした子供達の姿、のびのびとした生命感と、歓びがあふれた画面からは、初期ルネサンスの最良のエッセンスを感じ取ることができます。カント―リアは一対の聖歌隊席として構想され、もう一方の部分は1433年にドナテルロに発注され、どちらの作品も1439年頃に完成しました。ドナテルロよりも15歳ほど年少だったロッビー
アは、このカントーリアが出世作となり評価を確立しました。

フィレンツェ・ドゥオモ付属美術館収蔵 「カントーリア」 ルカ・デッラ・ロッビーア作 1431~9年頃 (写真はWikimedia commonsより)


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