見出し画像

M-440 チグリス大顔面

石膏像サイズ: H.51×W.35×D.28cm(原作サイズ)
制作年代  : 2世紀頃(原作は古代ギリシャ・ヘレニズム期)
収蔵美術館 : ヴァティカン美術館
出土地・年 : 

原作は古代ギリシャ・ヘレニズム期に製作された彫像(現存せず)で、チグリス川を擬人化した作品とされています。ヴァティカン美術館「八角形の中庭(ヴェルヴェデーレの中庭)」に展示されているこの彫像は、2世紀頃の帝政ローマ・ハドリアヌス帝時代に製作されたローマンコピーで、16世紀以前に発掘されました。右腕、左腕ともに発掘時点では発見されず、16世紀初頭にGiovanni Angelo Montorsoli という人物が修復・補足を行ったという記録が残っています。また発掘された彫像を、ティグリス川と結びつく像であると判断したのもこのMontorsoliのようです。チグリス像は、バスタブのような巨大な石棺と一緒に展示されているのですが、この二つのパーツが噴水の一部を構成していたという判断のようです。石棺側面には、古代ローマ人(ギ
リシャ人?)とアマゾン族が戦う様子が描かれています。右手の壺か
ら水が流れ出る仕組みだったのかもしれません。

※かつてこの半面を「モーゼ(ミケランジェロ作)」とする表記がありましたが、それは誤りです。

ヴァティカン美術館収蔵 「チグリス川」 2世紀頃
(写真はWikimedia commonsより)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?