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M-462 聖ヒエロニムス半面

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石膏像サイズ: H.34×W.19×D.10cm
制作年代  : 
収蔵美術館 : 
作者    : 

収蔵美術館等のデータは不明ですが、図像的な判断から聖ヒエロニムス(Eusebius Sophronius Hieronymus 340-420 英語名:St.Jerome)の肖像彫刻と推定されます。ヒエロニムスは、四大ラテン教父のひとりであり、聖書のラテン語訳であるヴルガータ訳の翻訳者として知られる聖人です(それまで流通していた聖書は<新約>ギリシャ語、<旧約>ヘブライ語で書かれていた)。ローマの公用語であったラテン語へと翻訳することで、キリスト教の広範な伝播に大きな功績を残しました。ヒエロニムスは、修辞学、哲学、ギリシア語などを習得した後、神学の研究に生涯を捧げることを決意し、シリアの砂漠で隠遁生活を送りヘブライ語を学びました。このような研鑽の後、382年頃から聖書の翻訳事業にとりかかり、405年頃に完成させました。神学への深い理解故に、“人間の罪に対して決して赦さない人”、“誤りに対する妥協を見せない人”ともされ、「キリスト教の獅子」という異名で語られることもあります。多数の絵画・彫刻作品の題材となっていますが、その多くは荒野で神学に打ち込む姿であり、獅子が寄り添う図像となっています。

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パリ・マドレーヌ寺院外壁 「聖ヒエロニムス像」
(写真はWikimedia commonsより)


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