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H-010 アムール半身像

石膏像サイズ: H.95×W.48×D.28cm(原作サイズ)
制作年代  : 紀元前1世紀頃
収蔵美術館 : ヴァティカン美術館
出土地・年 : 

古代ギリシャ神話で恋心と性愛を司る神エロス(Eros)の彫像です。ローマ神話に於けるアムール(Amor)、クピド(Cupido)とも同一視されます。古代ギリシャでは有翼の力強い男性、または若々しい青年の姿で表されていましたが、後に少年(クピド、キューピット)の姿をとることも多くなりました。弓矢、松明を持つスタイルが多く見られます。古代ギリシャ神話の最も根源的な神であるカオス(混沌)、ガイア(大地)、タルタロス(奈落)などと同等の原初神であり、崇高で偉大でどの神よりも卓越した力を持つ神というのが本来のエロスの有り様です。後の神話では、軍神アレス(マルス)と女神アフロディーテ(ヴィーナス)の子であるという設定になりました。

石膏像の原形となった彫像はヴァティカン美術館に収蔵されており、手足を欠いた半身像です。ナポリ考古博物館には、本来の彫像の姿を伝えるとされ
る全身像が収蔵されています。

ナポリ考古博物館収蔵 「ファルネーゼのエロース Eros Farnese, statue of Eros of the Centocelle type」 1世紀頃のローマンコピー 古代ギリシャ・ローマの折衷主義(ecletic school)的要素を含んでいる

(写真はWikimedia commonsより)


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