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K-104 ゲタ胸像

石膏像サイズ: H.89×W.60×D.32cm(原作サイズ)
制作年代  : 212年頃
収蔵美術館 : パリ・ルーブル美術館
出土地・年 : イタリア・ガビィ出土

ゲタ(プブリウス・セプティミウス・ゲタ Publius Septimius Geta Augustus 189-211)は古代ローマ第21代の皇帝で、大浴場で有名なあのカラカラ帝の実の弟にあたります。トラヤヌス、ハドリアヌスなどの有名な皇帝を輩出したアントニウス朝が断絶した後に、その混乱を制して皇帝の座についたのがセプティミウス・セウェルス帝です。カラカラもゲタも、このセプティミウス・セウェルス帝の実の息子でした。しかし、カラカラが父のセウェルス帝の副帝に任命されると、二人の兄弟仲は悪化しお互いに憎しみ合うようになります。後にゲタも副帝に任命され対等の立場となるも結局は対立した関係は変わらず、211年にセウェルス帝が死去し、両者が共同皇帝として即位すると対立は深刻化しました。そして、その年の末には母であったユリア・ドナムが兄弟の和解をと設けた席で、カラカラ側の兵士によってゲタは殺害されてしまいました。ゲタを殺害した後のカラカラ帝は、”名誉の抹殺”と称して、ゲタの姿の刻まれた彫像、絵画などをことごとく消し去るとともに、ゲタに関わりのあった高官、近衛兵、友人などを次々と処刑しました。一説によると2万人に近い人々を粛清したそうです。

パリ・ルーブル美術館収蔵 ゲタ胸像 オリジナル彫刻
(写真はWikimedia commonsより)



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