見出し画像

L-659 ナルメル王のパレット

石膏像サイズ: H.39.7×W.24.7×D.2.2cm(縮小サイズ)
制作年代  : 紀元前3000年
収蔵美術館 : カイロ・エジプト考古学博物館
出土地・年 : ヒエラコンポリス(Hieraconpolis、Nekhen) 1898年

紀元前3000年頃に、セルケト(さそり王)の後継者として、上下エジプトの統一に成功し、古代エジプト初代のファラオとなったナルメル王(Narmer B.C.3125-2062)に捧げられたレリーフです。

王は、上下エジプトを象徴する冠をかぶっており(上エジプト:ネクベトNekhbet 白い王冠をかぶったハゲワシ、下エジプト:ウアジェトWadjet コブラの姿)、エジプト全体の支配者であったことを示しています。レリーフ上部の2頭の牛はハトホル神、その中間にあるナマズの図柄は、王の名を表すヒエログリフ(ナルメル王の名は“荒れ狂うナマズ”の意)です。中央に大きく描かれた王は捕虜の囚人を打ち据えており、その左には王の履物を持つ人物がいます。王の右上には、ファラオを象徴するホルス神が、1本で千人の捕虜を象徴する植物6本の上に君臨しており、戦勝で大量の捕虜を捕獲したことを物語っています。最下部の二人の人物は逃げまどう敵の姿です。オリジナルの発掘物は、高さが64cmと大きく、裏面にも図像が彫りこまれています。裏側では、王が下エジプトの象徴であるウアジェトを表すコブラの形をした冠を被って、敵の遺体を見分に向かう姿が描かれています。


カイロ・エジプト考古博物館収蔵 「ナルメル王のパレット」 紀元前3000年頃 (写真はWikimedia commonsより)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?