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L-605 古代オリエントレリーフ

石膏像サイズ: H.100×W.53×D.7cm(原作サイズ)
制作年代  : 紀元前9世紀頃
収蔵美術館 : 独ベルリン・ペルガモン美術館
出土地・年 : イラク北部・ニムルド

このレリーフは、ドイツ・ベルリンのペルガモン美術館に収蔵されているもので、新アッシリア王国時代の王、アッシュールナツィルバル(Ashurnsirpal Ⅱ 紀元前883~859年在位)の治世に製作されました。現在のイラク北部のニムルド(Nimrud)の古代遺跡から発掘されました。おそらく右端で兵士を先導しているのが、王であるアッシュールナツィルバル2世の姿でしょう。

メソポタミア北部の地域で紀元前14世紀頃から台頭しはじめたアッシリアは、紀元前10世紀になると”新アッシリア帝国”と呼ばれる、全オリエント世界を支配下におさめる強国となります。中アッシリア時代の混乱を収拾し、新アッシリアの基礎を築いたアッシュール・ダン2世から数えて4世代目の王が、今回のレリーフの主人公であるアッシュールナツィルバル2世です。彼はそれ以前の何世代かの王と同様に、近隣諸国へ度重なる遠征を行い領土の拡大に努めました。またそれまでアッシュールにあった首都に代わって、新都カラフを建設し、人頭有翼獣の像を含む壮大な宮殿を建造しました。

ベルリン・ペルガモン美術館収蔵 「アッシュールナツィルバル2世の宮殿の遺跡から発掘したレリーフ」 紀元前9世紀 右側3分の2が石膏像の原形 レリーフ全体では幅154cm


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