vs大宮アルディージャ(J2第22節)

07月13日 明治安田生命J2リーグ第22節

 鹿児島ユナイテッドFCは、アウェー2連戦となる大宮戦。J2折返しとなる一戦は6-0の大敗に終わった。

会場:NACK5スタジアム大宮(大宮)

来場者数:8,671人

主審:西村 雄一

西岡 謙太 選手がJ2通算150試合出場を達成!

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注目ポイント

・急遽スタメンとなった中原はゲームをコントロールできるか?

・SBスタメンの赤尾、CBに帰ってきた堤 DFは踏ん張れるか?

・厳しい状況続く薗田と米澤、価値を見せられるか?

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鹿児島ユナイテッドFCの基本フォーメーション

 前節からメンバーの変更は大きくは無いが、CBだった赤尾を右SBに移し、堤がスタメンに復帰。また、試合の直前でコンディション不良によりニウドがベンチ外、中原秀人がボランチに入った。控えには、第8節ぶりとなるCB平出、第10節以来のベンチ入りとなったのは、FWの米澤。

大宮アルディージャの基本フォーメーション

 3-4-2-1といった布陣。最前線には怪我を負っていた稼ぎ頭のフアンマがスタメンに復帰。シャドーでは茨田もスタメン復帰。GKは下部組織出身、天皇杯で好プレーを見せた加藤有輝がJ初出場を飾った。

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フォーメーション図が上向きだったり下向きだったりで分かりづらくなってすみません。ホーム、アウェーに拘らずこれからは鹿児島の攻める方が上、相手チームが下で図を作成します。

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前半

 鹿児島はやはり、序盤からGKも使ってのビルドアップを狙っていく形。しかしここには、大宮の周到な用意がありました。

 GKにも前線からフアンマがプレスをかけて蹴らせるシーンも多く、ビルドアップの最初期段階のCBからボールが出ようというところでシャドーの2人を中心にコースを消すべく、ガッチリとプレスをはめ込んで来ました。試合前にも高木監督が差を分けるのはトランジションの局面、という旨の発言をしていましたが、鹿児島の攻守のトランジションにおいて大きな役割を果たしてきたニウドの不在は、少なからずピッチ上で影響を与えた思われます。

 鹿児島がボールを握ると、大宮はすぐさま5-4-1の守備ブロックを形成。フアンマを1枚残して、強固な守備を敷き、鹿児島の選手に入る隙を与えません。鹿児島の攻撃が詰まり、縦パスが入ったところで引っ掛けてシンプルにフアンマに当てに行く攻撃。シンプルですが、これが鹿児島にとっては効果てきめん。

 やや微妙な判定により、早々にフアンマが自ら得たPKを決め先制。堤はその後早い段階でイエローを受け、以降のフアンマとのマッチアップでやや危うさを露呈する結果に。

 前半26分には、左サイドから酒本がボールを受け、MF-DFライン間の五領へ斜めの鋭いパス。中原とスイッチし、右に流れつつ裏を狙った韓と右サイドをフリーで上がった赤尾を使える状況も、より一歩早く圧力を掛けた菊池に潰されチャンスを生かせず。

 鹿児島としては、2,3列目の選手が流動的にライン間で受けつつ、中央で裏に抜けるCFを使う、また特徴的なSBのオーバーラップも使われるためにサイドからのセンタリングという選択肢も生まれる攻撃。今回も右サイドで赤尾がフリーで待っているなど内→外→内で外のスペースを使える戦術ですが、なにぶん中に高さが無いので跳ね返されるのが常といったところでもありますが…

 しかし直後には中央で受けた枝本から酒本がボールを受け、韓を狙ったクロスボールを韓がヘッドで落として枝本がシュートを狙いに行くというチャンスシーンも。韓のフィジカル(キープ力)は普通に通用していましたし、崩せないのならシンプルに早い段階で当てにいくのも選択肢として考えるべきだったかも知れません。

 31分、右サイドのビルドアップ、赤尾のフリックは奥抜が蓋をしてあっさり奪い切ると、翻って大宮はサイドを変え鹿児島が手薄の右サイドに展開。中間で浮いていた砂森が出掛けて奥井にプレッシャーをかけるも、空いた裏のスペースを使われシャドーの茨田がサイドに出ます。

 いち早く動き出した茨田を見ていた中原は奥井の動きを見つつカバーを指示。水本がカバーに走り、中原もカバーに入ります。

 茨田にボールが出ると、釣り出されたCB水本と中原が囲みますがあっさり間を通してインナーラップを仕掛けた奥井へ。

 奥井が砂森をかわしつつ上げたクロスはファーサイドで走り込んだ吉永が体ごと飛び込んでヘディング。今季初ゴールを決めました。

 ここも弱点の一つで、SBが高い位置をとることもあり(今回は対応が後手に回ったせいでもありますが)サイドに広大なスペースが生じます。ボランチのカバー能力が必要となりますが、やはり茨田が素早くサイドに抜けたこと、CBがサイドに釣り出されることで守備陣がチグハグになるという脆さを見せてしまいます。

 さらに直後に、フアンマのスライディングを受けた八反田が、残り足をフアンマの足に挟み込まれる形になり、一度担架で運び出されます。10人でのプレーの中、韓が落ちて中盤で前向きに出したパスが引っ掛けられて一気に奥抜が前線に運び、左サイドから冷静に流し込んで3点目。この辺のゲーム運びにはやはり疑問が残ります。数的不利の中で2点を先行されている状況、急いで前を向く必要があったのか… 結局八反田は一度はプレーに復帰し、普通にプレーしていたように思われましたが程なくして米澤と交代。

後半

 形は恐らくこんな感じ。酒本が一列落ちて、米澤が左、トップ下枝本。まぁ2列目は流動的なのでよく入れ替わりながらやっていました。

 後半早々、フアンマ狙いのボールを取った堤が縦一本、韓に当てて酒本に付けます。酒本がワンタッチで左サイドの米澤に見事なロブスルーパスを送ると、胸で収めてミドルレンジからシュートまで持っていきました。外を回った枝本、さらには逆サイドで五領がフリーでしたけどね。五領は少し悔しそうでした。

 さらに50分、酒本の縦パスを足元で韓が収めて中原に落とすと、前を向いた枝本へスルーパス。茨田がカットし大宮のカウンター…というところでしたが五領が後ろからプレスバックしてマイボールに。枝本が引き取ってエリア内の米澤とワンツーで崩し、ファーサイドにふわりとしたクロスを上げるも、韓と被った酒本のヘッドは当たらず枠の外。

 後半になって初めての交代は、SBの赤尾。替えて野嶽が入りました。致命的なやらかしこそありませんでしたが、やはり攻撃面でもう少し絡みが欲しいところです。

 投入直後、酒本が自陣ゴール前でこぼれを拾うと、中央でフリーの五領へ。五領がドリブルで時間を作ると、野嶽が右を大きく回ってボールを受けて低いクロス。中で誰も合わせることはできずクリア。その後はセカンドボールを拾いながら攻める時間を作ります。ブロックの外で回しつつ、サイドのSBを使ったりしながら、それなりに厚みのある攻撃は見せました(シュートは打てませんが)

 61分にはサイドで作って五領や枝本が流動的に動きながら米澤がファーを狙って巻いたシュートを打つも枠をやや外れます。

 その後は、五領や米澤を中心にバイタルでボールを受けつつ、何とかシュートまで持ち込もうという展開がやや続きましたが、やはりここでも大宮がしっかりとライン間を狭めつつ、DFラインがボールを持った選手に前を向かせないディフェンス。米澤も果敢にミドルを狙っていきましたが、一発は出ませんでした。

 後半のポジション概況はこちら。後半からは、より攻撃に人数を割くべく中原を中盤に置き、2列目に4人を配する4-1-4-1の形(懐かしいですね)。

 後半の入りから60分台頃は、鹿児島がポゼッション主体で攻撃する形でしたが、70分頃になると再び大宮がテンポよくボールを回し始めました。鹿児島の選手もボールホルダーに対しては寄せに行くも、大宮の選手が三角形で巧みに回しつつ、フアンマが機を見て裏抜けを狙います。バブンスキーが63分に加わったことで更に攻撃厚みが増し、裏抜けにも全く対応できなくなった状態。

 結果的に、個の力の差を見せつけられた試合、そして大宮の対策に見事に嵌められた鹿児島でした。(畳み掛ける)

○個人的MOM○

 6失点、そして1点も奪えないというまさに完敗、MOMも選びにくいところです。ゲームに違いをもたらしたと言う点で

米澤 令衣 選手

 を挙げさせて頂きます。手放しで褒められる訳ではありませんが、前半終了間際に八反田に替わって入り、後半も攻撃面で違いを生みました。シュートの可能性がより高まれば、加入時の期待通り攻撃の中心になってくれるはずです。

試合後放談

 これが個の力というやつか・・・というのと同時に、戦術采配面でも完敗したというゲーム。ゲームが始まったときから、両者の出方ははっきりしていました。GKからビルドアップする鹿児島、それをわかっている大宮は前線からのプレスではめに行く。シンプルかつ極めて効果的な対応策を掻い潜れない鹿児島は、為す術なく押し込まれていきます。微妙なPKのジャッジで出鼻をくじかれると、前線でフアンマに圧倒され、攻撃の核となる八反田を欠きました。対する大宮は、J初出場となるGK加藤をはじめ、若手が躍動するゲームに。大宮はここ最近ユースも結果を出しつつあり、下部組織の選手が育ち、トップに昇格するサイクルができつつあるのかも知れません。クラブとしても非常に大きなことでしょう。ニウドの不在もあり、中盤の強度と切り替えの質がやはりここ数試合でも非常に問題があったと言わざるを得ません。後半の攻撃に出る姿勢は、あれしかないので失点も致し方ありませんが、完敗して、攻守のスイッチの繰り返しによって疲弊して。そんな感じでした。

 ちなみに今日の6-0敗戦は、Jリーグ参入後のチーム最大差敗戦記録となりました。6失点は2016年09月18日のJ3リーグ第22節vsG大阪U-23(吹田スタ)の6-1ぶりとなります。

スタッツ

data is quoted from Foobtall Lab.

試合ハイライト(J LEAGUE 公式YouTubeチャンネル)

次節へ向けて

 敵地での2連敗はやはりキツイもので、この2試合で1得点8失点というのが非常に勿体ない。

 次は久々のホーム白波、相手は目下最下位のFC岐阜。最下位ですから、やはり順位的に上にいる側として絶対に落としてはいけないゲーム。勝ち点3の獲得が至上命令です。とはいえ鹿児島はその時点で下にいたアビスパ福岡にホームで敗れるなど、「勝たないといけない」ゲームを落としがち。

 さらに、岐阜は前半の低迷を受けてシーズン途中で大木監督と袂を分かつ決断をして讃岐などで指揮を採った、歴戦の"ボトムズ指揮官"北野誠氏を招聘。勝ちきれない試合が続いていましたが、ここ数試合でチームの状況は上向きぎみ。21節には、アウェーで福岡を1-3で破り、今節はホームで千葉と2-2で引き分けました。夏の移籍期間に向けても、J1松本山雅から昨季はJ2岡山でプレーしたMF塚川選手を補強。さらに、J1大分から昨季の昇格の立役者・FW馬場選手を獲得するなど、J1昇格組から着実な補強を見せています。北野監督の「残留するサッカー」がチームを上昇気流に乗せ、これから上がってくる存在となるかも知れません。

 前半戦の第5節はスコアレスドロー。互いに不調の中迎えたゲームでしたが、鹿児島はまずなんとしても後半戦、ここから調子を上げたいところ。

 鹿児島にとって久々の明るいニュースは、FC東京から育成型期限付き移籍でU-20日本代表の平川 怜選手を獲得したというもの。ユース年代で抜群の才能を見せてきた中盤の選手ですが、2種登録で今季からはトップ昇格を果たすも怪我に泣かされ不本意なシーズンに。J3で、適性ポジションの兼ね合いもあり苦しんできた才能が、ここに来てJ2で武者修行。鹿児島サポという枠を越えて、日本を代表する選手になって欲しい。鹿児島をまずは救って()、そしてJ1やさらに上へと昇っていってくれたら良いですよね。まずは鹿児島で出場機会を得ることから。

 次節は絶対に勝ちに行きましょう!!

次節情報

07月20日(土) 19:00 K.O.

鹿児島ユナイテッドFC<20位/20>

FC岐阜<22位/16>

※クラブ名の後<>内は「試合前順位/勝ち点」です

会場:白波スタジアム(鹿児島)


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gem.

鹿児島ユナイテッドFCのファン(サポーター)です。戦術とか細かい話はできないので、書いているnoteはあくまで「試合の記録」です。内容は鹿児島に特化しています。よろしくおねがいします。 たまにカメラネタとかもあるかも。

鹿児島ユナイテッドFC 2019シーズン試合記録

鹿児島ユナイテッドFCの2019シーズンの試合記録を書き留めたものです。。
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