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今年もやります! M-1大好き芸人・令和ロマンくるま記者の準決勝&決勝進出者会見レポ2021!

昨年大好評だった令和ロマン・髙比良くるま記者による「M-1グランプリ」準決勝レポートが帰ってきました! 11月18日に準決勝進出メンバーが発表され、残念ながら令和ロマンは敗退。間髪入れず「今年もレポートやらせてほしいです!」とツイッターで呼びかけられた「月刊芸人」編集部は、その心意気に応えることにしました。

「やったー、マジでありがとうございます!今年もよろしくお願いします!」
去年はメモ帳にボールペンのアナログ装備だったくるま記者、iPadを持参してきました。
「昔使ってた古いやつを引っ張り出してきました。メモとるぞ〜」

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報道陣受付を無事通過すると、同じく取材で来ていた馬鹿よ貴方は・新道竜巳さんと遭遇。芸人記者同士、話に花を咲かせます。そして昨年同様、顔見知りのスタッフさんに声をかけられるくるま記者。「どうしたの?取材?」と聞かれていました。M-1限定お笑いルポライターとして知名度が上がりつつあるようです。

お客さんたちと同時間帯に取材陣も座席につきます。客席後方からの観覧と相成りました。
「席まで用意いただいて申し訳ないですね、立ち見で全然いいのに」
昨年は感染対策で客席が1つ空けになっていましたが、今年は前2列を空けての満席です。「例年より男性のお客さんが多い気がするな」と客席の様子もしっかりチェックしています。

「この1年、若手芸人がテレビやABEMAに出まくってて、全体の知名度が上がってると思うんですよ。本当に誰も知らないだろうコンビがヨネダ2000くらいしかいないですよね。ほとんどみんな知らない組が圧倒的な勝ち方で出てくるってパターンは今後減ってくるのかなぁ」
開演を待つ間、早くも分析が始まります。メモアプリを使って、出番順にコンビ名を並べた取材ノートを事前に作成してきたそう。事前準備も万端でいよいよ記者仕事が板についてきました。

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定刻通り17時に開演し、いざネタが始まると、笑ったり「おぉ……」と唸ったり「すげぇ〜」と感嘆したり熱心にメモを取ったり大忙しでした。

息をつく暇もなく全25組の出番が終了し、恒例の超早口感想戦に移ります。まずはM-1全体の傾向から。

「去年は客席も間引かれていて、不安な空気感がまだまだ濃かった中での準決勝でした。今もまだコロナ禍は続いているしお客さんもマスクはしているけど、社会全体がこの空気に慣れてきて“withコロナ”の状態になってますよね。その中で開かれた賞レースってことで、去年よりは安心感があってムードが違うと思いました」

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「それと、これは自分が予選に出ていて感じたんですが、見に来ているお客さんの層がだいぶ変わったなと思います。例年だと3回戦くらいまではコアな人が集まっているのがわかる笑いの起き方だったんですけど、今年は2回戦の時点でウケ方がそうじゃないなと。実際、芸人じゃない友達やお客さんに話を聞いてみると、最近お笑いのファンになった人がすごく増えてるんですよね。第7世代ブームがテレビからガーっと来て、去年もその空気はありましたけど、M-1の観覧客になるところまでは来てなかった。それが1年たって、withコロナになって暮らしが再開した中で『お笑いを生で見る』という新しい趣味を持った人が増えたんだと思います。だからこそ、仕上がってるクラシックなやり方でちゃんとウケることが大事になっていたのかなというのが芸人側として感じたところですね」

去年もそうでしたがくるま記者、M-1のこととなると相変わらず言葉が止まりません。ここではネタバレを避けつつ数組に絞って感想をピックアップしてみました。

ヨネダ2000は同期だし、劇場でよく一緒になるんですよ。正直今日は普段のライブとはウケる箇所がちょっと違ったと思うんです。だから焦ってもおかしくないのに、全然ペースを崩してなかった。笑い待ちの時間をつくってズレが出るのが怖いネタだったんだけど、亜真音がちゃんと待ってましたね。本当にあいつらは度胸がすごいっす。亜真音からはよくネタの相談を受けてます。この間『ネタどうしたらいいですかね』って聞かれて、準決勝とか敗者復活戦の話かと思ったら『THE Wもあるから、合計4本の決勝ネタをどういう順番でやったらいいと思うか』って。大物だと思いました。本気でいくつもりなんですよね。『2000万円欲しいです』って言ってました。普通『2冠獲りたい』でしょ(笑)

ニューヨークさん、振り切ってましたね! マジでニュー・ニューヨークだったんじゃないですか!? 金髪になってからの今の嶋佐さんの面白さが全面に出てて、屋敷さんも『今の屋敷さんならこれくらいは言うだろうな』って感じのニュアンスがあって、めっちゃ自然でした。それと、ニューヨークさんを筆頭に、スカしを取り入れてる組がすごい多かったですね。ボケ1個やって『なんやそのおもんないやつ』みたいなパターン。お客さんの変化を踏まえたトレンドなのかな」

ランジャタイさんはスーパーアイドルでしたね。出てきたときからお客さんの受け止め方があったかくて、すごかった! 去年の敗者復活戦の『国民最低〜!』でファンになった人がいっぱいいるじゃないですか。僕の周りでも、ランジャタイさん好きになってお笑いファンになった人もいるくらいで。やっぱりセンセーショナルさがあるんですよね。大げさに言えば人の人生の方向を変えるくらいのパワーを持ってる。今日の客席も、友達同士やカップルで来てるお客さんがランジャタイさんの出番後に顔を見合わせて笑ってたりして、『やっと見れた』みたいな感じだった気がしました。国民的な漫才師になってきてますね」

「M-1って、芸人からすると最後に畳み掛けで笑いをとりたいんですよ。ボケてボケてボケてツッコんでドン、ってやりたい。今年はわりとフリでウケてる場面が多くて、そのリズムをつくるのが難しかったところがあると思うんです。その中で錦鯉さんは、去年と変わらず究極に“簡単”だからそれががっつりできていた。前年決勝にいったら翌年は変化をつけないとダメなんじゃないかって考えがちだと思うんですけど、そういうところが潔く全然ないんですよね。去年のキャラ、テレビでこの1年見せてきたキャラ、今日のキャラ、全部がまったく一緒だったから、畳み掛けが完全にハマってた。すごいな〜」

モグライダーさんも構え方が強かったなぁ。フリでウケる部分と本当にウケたいところが二段構えになっていて、とりこぼさないつくりになってるなって。ゆにばーす川瀬さんが今年『とうとう芝が動き出したぞ、これは絶対決勝だ』ってだいぶ前から大騒ぎしてたんですよ。そう聞くともう、僕らもネタ観る前から『そうなんだ、芝さんが本気出したなら絶対決勝いくな』ってなってました。ともしげさんは今日も普通に間違えてた箇所ありましたけど(笑)、そういうところもやっぱりモグライダーさんの面白さですよね」

なお、今年も本戦と決勝進出者発表記者会見の合間に、令和ロマンのYouTubeチャンネルで現場レポート生配信を実施。こちらではファイナリスト9組を予想しています。


いつ呼吸しているのか心配になる怒涛のしゃべりで配信を終えた後は会場にとんぼ帰り。取材陣に混じって待機列に並びながら「今年も多いなぁ。メディアってこんなにいっぱいいるんですね」と素朴に感心しています。

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そしてこっそりと、ステージに上ってくる決勝進出者たちの目に付きにくそうな場所を探して席につきました。会見が始まるまでの間、配られた資料を読み込んでいます。「おぉ、すごい、歴代大会の視聴率が全部載ってる。へー、この年がいちばん高かったんだ」と夢中になっていると、MCを務める麒麟・川島さんによるファイナリストの呼び込みがスタートします。昨年に続いて今年も事前予想のうち7組が当たり! M-1オタクの面目躍如です。

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今年のファイナリストにはくるま記者が日ごろ親しくしている芸人さんも多い様子です。「ともしげさん緊張してるな〜、かわいい」とニコニコし、真空ジェシカ川北さんの「ういろうプリンです」というボケに記者席でひとりだけ爆笑しています。

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川島さんとファイナリストたちの掛け合いは毎年楽しみなパートのひとつです。昨年はおいでやす小田さんに川島さんが放った「株主総会ですか?」というツッコミでくるま記者も大ウケしていました。今回は、意気込んでしゃべりだしたものの徐々にグダグダになっていった、もものまもる。さんを「成人式で調子乗って前出てきた人」と表現していじる様子に「すげーー」ともはや笑いを通り越して感嘆しきりでした。

★全員集合写真①

©M-1グランプリ事務局

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最後に、令和ロマン自身の今年のM-1を振り返ってもらいます。2回戦で一度落ち、追加合格で返り咲き。2回戦敗退時にはお笑いファンがざわつきました。

「もともと3回戦でやろうと思っていたネタがあったんですけど、追加合格後に急遽やめました。もしそのネタで負けたら、自分がやりたいようなスタイルが今のM-1では勝ち上がれないってことになっちゃうんじゃないかと思ったんです。だからひとまず勝ち上がれるであろうネタをやって、その先でやりたいことをやろう、と。僕は芸人同士でしゃべってるときも大してボケれないし、何かバックボーンがあるわけでもないし、平場も全然できないけど、できないからこそ面白いと思われたくて4分間がんばってるんですよ。人間が面白いわけじゃなくても張り合えるんだってところを見せたい。本当にその一心でどうにか準々決勝までたどり着いて、それをぶつけることはできたと思ってます

変化を止めないM-1を体感し、パワーアップして帰ってくるのでしょう。来年は記者席でなく、この舞台に立つくるまさんの姿が見たいところです。

「おつかれさまでしたー!」と去っていく姿にそう思いましたが、そんな感慨をよそにくるま記者はその後も1時間の生配信へ。どれだけしゃべれば気が済むんでしょうか。



M-1グランプリ2021決勝

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©M-1グランプリ事務局

放送日:12月19日(日)18:34~22:10
放送:ABCテレビ・テレビ朝日系列全国ネット生放送
司会:今田耕司、上戸彩
審査員:オール巨人、上沼恵美子、立川志らく、富澤たけし(サンドウィッチマン)、中川家・礼二、塙宣之(ナイツ)、松本人志(ダウンタウン) ※50音順
出場者:インディアンス、真空ジェシカ、モグライダー、ゆにばーす、ロングコートダディ、オズワルド、錦鯉、もも、ランジャタイ

M-1グランプリ2021 【敗者復活戦】
放送日:12月19日(日)14:55~17:25 ※一部地域除く
放送:ABCテレビ・テレビ朝日系列全国ネット生放送



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記者/令和ロマン・髙比良くるま 執筆・撮影/斎藤岬



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