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サンシャイン坂田の夜の高鳴り『推して参る』

推して参る


推し(おし)とは、主にアイドルや俳優について用いられる日本語の俗語であり、人に薦めたいと思うほどに好感を持っている人物のことをいう。

ウィキペディアで推しを調べると、このような説明がある。

そう捉えた場合、まず僕の推しは「峯田和伸」。
日本のパンクロックバンド、銀杏BOYZの峯田和伸さんだ。

以前はGOING STEADYというバンドで、それからメンバーが替わったりあり、今は1人で銀杏BOYZというバンドで活動されている。中1のときに3つ上の兄ちゃんから教えてもらって、衝撃を受けた。全身の血が沸騰するような、とにかく今すぐ何処に走り出したくなるような初期衝動。曲も思想も生き方も、人生で1番影響を受けた。今僕は34歳で、もう20年以上も敬愛している。今回の言葉でいうと、推して推してどうしようもない存在である。サブスク全盛のこの時代でも、新曲チェックはもちろん、新譜が出たら絶対に購入し、ツアーライブがあったら必ず1日は参戦するようにしている。10代の頃に比べたら、自分で働いて手にしたお金を好きに使えるようになって、グッズのTシャツなんかを色違いで2枚買えた時は何事にも代え難い感動があった。しかし、僕の推し活はこのレベルだ。新譜のCDが出たら買うけど、他に活動されてるお芝居の舞台や、出てるテレビ全部チェックするとは無いし、ツアーも全都市参加なども無く、東京でやるときには参加するぐらい。
そういう目に見える量で推しへの愛をランク分けするのは不当だし、真っ当ではないと思いつつも、こんなに銀杏BOYZを好きな僕がライブや音源で心震えてるのに、もっと推してる人たちはどんなレベルで感動してるんだろうと羨ましく思う。

例えば、会社の有給をとって、推しのアーティストの全国ツアーの地方を周り、そのご当地名物を食べながら、温泉なんか入って、ファン仲間の人たちと今日のセトリなんかを肴に感想言い合いながら酒飲んだときの脳汁。やばすぎるだろ。今想像しただけで、溢れすぎて耳と口から涎も出てしまった。

これを経験出来るか出来ないかで、人生の豊かさが確実に変わってくるんじゃないだろうか?
もちろん、自分の生活を脅かすほどにのめり込みすぎて生活に支障が出たり、借金まみれになってしまうのは良くないとは思う。だからこの絶妙な塩梅のところを手にするのが1番難しいとは思うけど、それほどまでに夢中になる推しがいることは本当はとんでもなく贅沢で至福な人生だと感じる。現に僕はめちゃくちゃ羨ましいと思ってしまっているし。


一方、デジタル大辞泉(小学館)によると「推し」とは『他の人にすすめること。また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物』とのこと。

対象が人ではなく物ともなると、もはや文化や思想など、現象そのものにでも推しというのはあるんじゃないかと考える。

そうなると、僕の推しはお笑い、漫画、お酒だ。
お笑いは小さい頃から毎日毎日テレビにかじりついて接種してたし、好きすぎてなりたいと、職業にしたいと思うぐらい好き。激推ししてる。

そして、漫画も30年ぐらいずっと推してる。ひょっとしたら今お笑いよりも量は接種しているかもしれない。小さい頃から毎日かかさず何かしらの漫画を読んでいる。平日はもちろん、休日の日にも1番時間をかけて接種してる。今は毎日、5つのアプリを駆使して毎日コツコツと無料ポイントを稼いで、それはそれは毎日なんかの漫画を読んで一喜一憂している。お金に限りがあるから、好きな漫画家さんの新刊が出ても全部は買えないが、出来るだけ本の媒体で買うようにしてる。実家に置いてる分も入れたら相当な数になるし、とうとうワンピース102巻を全巻揃えた時はそれだけで、ひとつなぎの大脳汁だ。最近のワンピースの現状なんてもう、たまらなくてしょうがない。ありがとう尾田先生。そう考えると、漫画推しというより、ワンピース推し、もはや尾田栄一郎推し。でも他の漫画家の先生方も作品も好きすぎて、呼吸のように接種しているから、もはや推しというのは生活かもしれない。

でも、生活というならば、僕の1番の推しはお酒だ。

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365日、毎日嗜ませてもらってる。ビール、ハイボール、チューハイ、焼酎、日本酒。唯一苦手だったワインも今では、この料理には白、このお肉には赤でしょと、ケースバイケースで楽しめるようにまでなった。もちろんお酒の席も好きだが、楽しくワイワイがやがやと飲むよりも、断然しっぽり赤ちょうちんの店のカウンターで呑むのが好きだ。無口で無愛想だけど料理は絶品の居酒屋のカウンターで、焼き鳥食いながら好きな漫画読んで、呑むお酒がたまらなく好きだ。

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手応えのあった仕事の帰り道に呑む金麦もたまらない。あれほどの幸せはないんじゃないだろうか。

あんなに吐きまくって、もう絶対呑まない、2度と顔なんて見たくないと泣き叫んだ次の日には、なんならその夜にはもう会いたくなってる。

でもこの感情は決して恋じゃなく、愛に近い。むしろ生活、家族のように思ってる。お酒は僕にとって家族です。公式に発言したらその足で病院に向かわなければならないほど強烈にやばいのはわかってるが、本当に愛してる。しかし、もし身体を壊したり、生活に支障が出たり周りの方々に迷惑をかけたら本当にダメだ。だからそこそ節度を持ってしっかりコントロールしなければならないとは重々覚悟はしている。

全ての推し活は、依存しすぎたら破滅が待っている。しかしその道程でしか、味わえない辿り着けない感動があるのも事実。僕らは最大限の愛と覚悟とバランスで推し活をしなくてはならないのだ。


僕は今夜も、推しのお笑いの仕事を終え、推しの音楽を聴き、推しの漫画を読みながら、推しのお酒を呑む。推し四重奏。推しミルフィーユ。
推しの山びこ打線。ああ、素晴らしき推し人生。

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あなたの推しはなんですか?


サンシャインINFO

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著者/ サンシャイン・坂田光

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