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慶應義塾大学

問9 下線部Bに関連して,次の資料c~fは,それぞれ明治末期から大正期に刊行された著作からの抜粋である(必要に応じて適宜改めた)。それぞれの著作の著者名を,下の1~7から選びなさい。(重複使用不可)

c 
安倍貞任に関する伝説は此外にも多し。土淵村と昔は橋野と云ひし栗橋村との境にて,山口よりは二三里も登りたる山中に,広く平なる原あり。其あたりの地名に貞任と云ふ所あり。沼ありて貞任が馬を冷やせし所なりと云ふ。貞任が陣屋を構へし址とも言ひ伝ふ。景色よき所にて東海岸よく見ゆ。

d 
先づ吟味して置くべきことは,記紀の記載(書紀に於いては,主として古事記と相照応する時代の部分)は一体どういふ性質のものか,それは歴史であるかどうか,もし歴史だとすれば,それはどこまで事実として信用すべきものか,もしまた歴史で無いとすれば,それは何であるか,或はまたそれに現はれてゐる風俗や思想は何の時代のことゝして見るべきものか,といふ問題である。

e 
今日の社会が貧乏といふ大病に冒されつゝあることを明かにするが上篇の主眼であつたが,中篇の目的は此大病の根本原因の那辺に在るかを明かにし,軈て此物語全体の眼目にして下篇の主題たるべき貧乏根治策に入るの階段たらしむるに在る。

f 
善とは一言にていへば人格の実現である。之を内より見れば,真摯なる要求の満足,即ち意識統一であつて,其極は自他相忘れ,主客相没するといふ所に到らねばならぬ。外に現はれたる事実として見れば,小は個人性の発展より,進んで人類一般の統一的発達に到つて其頂点に達するのである。

1.上杉慎吉 2.河上肇 3.津田左右吉 4.西田幾多郎
5.美濃部達吉 6.柳田国男 7.和辻哲郎

これ難しいな。cは東北の話だから柳田国男っぽいね。dは記紀だから津田左右吉。eは貧乏とあるから貧乏物語の河上肇。fは善とあるから善の研究の西田幾多郎。

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