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おにまいのEDの話

先日、『お兄ちゃんはおしまい!』のED映像をYouTubeで視聴していたんですが、ふとある点が気になりました。

それがこのサビにあたる場面でまひろがポーズを取るシーン。

これは仮面ライダー1号の変身ポーズであり、最初はまひろが男から女へと変身したことに掛けた粋な演出かなと思いました。

しかし、よく見るとこのポーズ、元のものから左右反転されているんです。

反転。
これは『お兄ちゃんはおしまい!』の主題である要素にも当てはまる言葉でもあります。

そう、「性転換」です。

右と左、男と女。二項対立であるからこそ反転ができる。

つまり、このシーンでは、仮面ライダー1号の変身ポーズを左右反転させることによって、本作において最も重要な男のまひろが女になったという点を変身反転という2つの観点から表しているんです。
す、すげえ〜〜〜〜〜〜!

ということで、EDを手がけた鈴木典光さんのすごさにただただ脱帽したという記事でした。

と、終わる予定だったんですが、もしかしたらもしかする可能性が思い浮かんでしまったのでまだ続きます。

フランツ・カフカの『変身』という作品をご存知でしょうか。

起きたら虫になってた男性の話なんですが、このあらすじから分かる通りおにまいと類似点がめちゃくちゃある作品なんです。

ということで、似ている点を並べてみました。

おにまい
・朝起きたら女になっていた
・妹に世話される
・生活や人間関係が変わる(良い方向に)

『変身』
・朝起きたら虫になっていた
・妹に世話される
・生活や人間関係が変わる(悪い方向に)

もうほんま姉妹やんってくらい似てます。
おにまいはさながら現代版『変身』です。
違いといえば変身したのが女か虫かってくらいで、『変身』の主人公のグレゴールも美少女に変身してたら家族に殺されることはなかったでしょう。

あと、『変身』ってドイツの文学作品でドイツで賞を取るほどの人気作なんですが、おにまいもドイツでめちゃくちゃ人気があります。

ワンピースより人気です。
同系統の物語であるカフカの『変身』に触れているおかげで、他国と比べて変身を扱った物語を受け入れる土壌でもできているんでしょうか。

こんな感じでおにまいと『変身』はマブダチみたいなものなんですが、唐突にこの話をしたのはもちろんあのシーンと関係があるからです。

というのも、仮面ライダーの「変身!」という掛け声はカフカの『変身』が由来なんです。

もしかすると、このシーンは男から女への変身・反転のダブル演出だけでなく、カフカの『変身』との類似性も踏まえたうえで描かれたライジングアルティメットトリプル演出かもしれない…………

鈴木典光しゅ、しゅげぇ〜〜〜〜〜〜〜〜

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