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ゲルの常識を覆す、テトラゲル

ゲルの内部は、不均一な網目構造になっています。
そして、その不均一な構造はゲルの機械的な弱さ(脆い)や、性能や見た目のムラに繋がっています。
ところが、最近になって均一構造のゲルが登場しました。それがテトラゲル(Tetra-PEG-Gel)です
テトラゲルは、正四面体が規則的に結合したような構造をしています。

ダイヤモンド構造に似た網目構造を持っているため、ソフトでありながら高い強度を有しています。四つの分岐鎖を持つ二種類の高分子が交互に組み合わさり、強固な構造を形成しています(もちろん、分子鎖の作る網目構造が似ているだけなので、ダイヤモンドと比較するとずっと弱いです)。
組み合わせる高分子を変える事で、様々な機能を持つゲルを作る事が出来ます。
テトラゲルは均一な構造を持ち、従来のゲルよりも構造制御がし易いため、高強度のゲルや、特殊な機能を持ったゲルを作ることが出来ます。

テトラゲルの特徴を活かし、再生医療への応用が検討されています。
http://gellycle.com/
東大の酒井準教授は、網膜剥離の治療材料として有効だと確認した事を論文で発表しています。
https://www.natureasia.com/ja-jp/natbiomedeng/abstracts/84320

また、調べてみると「身体引き締め用ゲル」なんてものがありました。

本当にテトラゲルを使っているのかは分かりません。

それよりも、説明文に見覚えが......

これ、前にやってたブログで僕が書いた、テトラゲルの説明のコピペですw
内容がスーッと頭の中に入ってくるなと思ったら、自分で書いた文章だった(^^;)
本文も、以前の記事を加筆修正したものです。

テトラゲルは大きな可能性を秘めた夢のようなゲルだと僕は考えています。
狙って均一構造のゲルを作ることが出来れば、安定して同じ性能・見た目のゲルを得ることも可能だと考えられます。
近い将来、作る前にゲルの構造を決定できる時代がやって来るかもしれません。

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