見出し画像

玩具のスライム④ ふわふわスライム

「ふわふわ」と紹介文にあるスライムを見つけました。
どんな感じなのか気になります。

パッケージは簡素です。
中身はビーズと4色のスライムが入っています。
Amazonの商品説明とは違い、パッケージのどこにも「ふわふわ」なんて記載されていません。

カプセルから取り出してみると...

全然ふわふわじゃないですw

洗濯のりとホウ砂で作るスライムと変わらない感触です。

ひょっとして、ビーズを混ぜたら違うのかな?
ビーズは発泡スチロールで出来ているようです。

なんと、少し硬くなりました。
ビーズを混ぜる前よりも伸ばすのに力が要ります。
端を持って垂らしてもなかなか落ちてきません。

どうやら、ビーズにスライムがくっ付き、流動性が低くなったようです。
少しだけなら影響ありませんが、大量にビーズを混ぜると固く伸びにくくなります。

というわけで、ふわふわスライムは、まったく「ふわふわ」ではありませんでしたw

ちなみに、このスライムに使われているのはカルボキシメチルセルロース(CMC)という高分子です。
セルロースの一部にカルボキシル基(COOH)を導入したものです。
カルボキシメチルセルロースは食品(アイスクリームなど)の増粘剤や、乳化安定剤として広く使われています。
練り歯磨やインク、塗料、化粧品、紙製品と、色んなものに使われているんです。
工業用の分散剤(微粒子を液体に分散させる)としても重宝されています。

図は()内の構造がn個つながっているという意味です。
そして、赤いRの部分がHかCH2COOHになります。
赤い部分ははっきりと決まっていません。
用途に応じて導入するカルボキシル基(COOH)の量を調整するんですね。
カルボキシル基が多いほど水に溶けやすくなります。

このスライムの場合、おそらく何らかの方法でカルボキシメチルセルロースの分子鎖を橋架けしてつなげていると推測されます。

図のように、二価の金属イオンでカルボキシル基をつなげるケース。
そして、ホウ砂を混ぜて水素結合で橋架けさせるケースが考えられます(ホウ砂を水に溶かすと四ホウ酸ナトリウムになります)。

ふわふわでは無かったですが、単純にスライムとして楽しく遊べる商品でした。

読んでいただけるだけでも嬉しいです。もしご支援頂いた場合は、研究費に使わせて頂きます。