見出し画像

豆腐

豆腐は日本や中国で長く食されている代表的なゲルです。
豆腐は、大豆から取った豆乳を煮て、凝固剤(にがり)を加えて作ります。
豆乳はタンパク質です。そして、凝固剤には塩化マグネシウムや塩化カルシウム、硫酸カルシウムが使用されます。

タンパク質のカルボキシル基を二価のマグネシウムイオンやカルシウムイオンが架橋します。これによって、タンパク質は網目を形成します(にがりの塩析によってタンパク質が凝集するという効果も有ります)。

また、熱によるタンパク質の構造変化(変性)も網目形成に寄与していると考えられます。豆腐は、タンパク質の網目構造の中に水を取り込んだゲルなんですね。ちなみに、木綿豆腐は型に入れて脱水しているため、他の豆腐よりも水分が少なくなっています。

豆腐は紀元前2世紀頃の中国が発祥と言われますが、諸説あり、はっきりとしていません。日本へ伝わった時期も諸説あるようで、奈良時代、平安末期、鎌倉時代と様々です。日本における豆腐の最初の記録には「唐符」とあるので、遣唐使によって伝えられたのかもしれません。
室町時代には日本全国に普及し、豆腐は精進料理として重宝されたため、最初は僧侶の間で広まりました。精進料理として有名な「がんもどき」は、木綿豆腐に山芋や具を混ぜて揚げたものです。

ちあみに、中国では油で揚げたり炒めて調理することが多いため、水分が少なく硬めのものが食卓に並ぶことが多いです。

豆腐は消化吸収が良く、栄養豊富で加工し易いため、とても優れた食材だと思います。

読んでいただけるだけでも嬉しいです。もしご支援頂いた場合は、研究費に使わせて頂きます。