学会用蒟蒻製品写真_R

こんにゃく屋さんが質問募集

マルフク食品さんが、Twitterで「♯こんにゃく屋だけどなにか質問ある?」キャンペーンをやっています。
で、寄せられた質問を見てみると...

なんと、僕でも答えられる質問が多いではないですか。
質問にはマルフク食品さんがちゃんと答えてくれるでしょう。
ですが、質問みてると回答したくなってきたので、ここでこっそり答えてみますw

「黒いツブツブはなに?」
→ひじき(もしくは類似の海藻)ですね。

「こんにゃくが溶けちゃう事ってあるのかな?」
→無い、と言いたいところですが、グルコマンナンを分解する酵素を使えば溶かせます。分解酵素を持ってる生き物はほとんど居ませんが...。
あと、強酸水溶液中で長時間グツグツ煮たら溶けるかもしれません。でも、危ないのでやってはいけません!
逆に言うと、こんにゃくはとても丈夫なんですね。ちょっとやそっとのことでは溶けません。

「こんにゃくの臭みが少ない商品は?」「簡単な臭みの取り方は?」
→酸味のあるあえ物などにしてあると臭みは無いですが、生のこんにゃくだと臭みは残ったままです。
でも、クエン酸水溶液や酢の中に漬ければ臭みは消えます。
酸味のあるスープや鍋に入れるのも良いですね。
臭いの元、トリメチルアミンは塩基性の物質なので、酸によって臭いを抑えられるんです。

「元は芋なのに、カロリーが低いのはなんで?」
→こんにゃく芋の主成分はグルコマンナンという多糖類で、人はグルコマンナンを消化できません。
ジャガイモやサツマイモとは根本的に成分が違うんですね。

「白滝よりもこんにゃくの方が好きなんですが、何か違いってあるんでしょうか?」
→白滝は細長くしたこんにゃくです。違いはありません。
また、白滝でも市販の板こんにゃくのように、着色したものもあります。

「白滝や糸こんにゃくに違いはありますか?」
→地域によって呼び方が違うだけで、同じものです。
関東は白滝、関西は糸こんにゃくと呼ぶことが多いようですが、結構バラついています。

「粉を使ったこんにゃくと、芋を使ったこんにゃくに違いはありますか?」
→あります。精製された粉と違い、生芋から作った蒟蒻の方が不純物が多く、味があります。
また、少し茶色っぽいです。粉で作った方は、海藻で着色しなければ無色です。

「こんにゃくはあの液体に入っていれば賞味期限がないと聞いたことがありますが、ほんと?」
→袋に入っている液体はpH12のアルカリ性溶液なので、液と一緒に冷蔵保存すれば三週間は持ちます。
5か月保存しても見た目や臭い、弾力に変化が無いのは確認してますが、食べても大丈夫かは分かりません。

「こんにゃくの花は臭いと聞きますが、こんにゃく畑で気持ち悪くなったりしないのですか?」
→花が咲く前に収穫するので大丈夫です。

「ところてんと、こんにゃくの違いは?」
→ところてんは海藻を生成した粉から作られています。
地中の芋から作られたこんにゃくとは別物です。
ただ、構造は違うものの、どちらも多糖類のハイドロゲルです。

「こんにゃくはいつから食べられてる?」
→記録によると、3世紀には既に食べられていました(中国)。ただ、いつから食べられているか、正確な事は分かっていません。
日本では7世紀頃からと考えられます。


こんにゃくの研究を三年間続け、歴史なども調べて記事を書いたからか、
調べなくても色んな事に答えられるようになってましたw

専門分野に蒟蒻学と加えても良いかもしれない、そう思ってきました。

読んでいただけるだけでも嬉しいです。もしご支援頂いた場合は、研究費に使わせて頂きます。