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イベントのチラシを作ってみよう!デザイナーが教えるチラシづくりに役立つコツ5選

いろんな場所で、大小さまざまなイベントが行われていますね!
まちを盛り上げるためのイベントや、お店で定期的に開いているイベント、空きスペースを利用したイベントなど、私の周りでもたくさんのイベントが開かれています。
この記事をご覧になっている方の中には、「初めてだけど、なにかイベントをやってみよう!」と考えている方もいるのではないでしょうか。

私はデザイナーになる前、イベント運営に何度か携わりました。
なので、イベント運営者の悩みや苦労は、本当によく分かります…!
限られた予算の中から、告知のためのチラシを外注するのはなかなか勇気が必要ですよね…!

でも、どんなに良いイベントでも、その情報を知ってもらえなければ人は来てくれません…。
イベントの「告知」は、イベント運営において一番大切だと言っても過言ではないのです!

そこで今回は、イベントのチラシを自作するときに役立つコツを、デザイナーの目線でお伝えします!
もちろん、前回のコラム「パワポもチラシも、初心者卒業!デザイナーが教えるデザインの基本ルール4つ」でご紹介した「デザインの四大原則」も使いますよ!

それでは、前回と同様、お題に沿ってチラシの作成を進めていきましょう!


お題:「春の手作り雑貨フェスタ」

もうこのタイトルだけでワクワクしてしまいますね…!

実は今回のお題、今話題のChatGPTと同じAIチャットサービスのBing AIに手伝ってもらって詳細を決めてみました!
架空のイベントを考えるのは楽しいのですが、考え始めると「あれもいいな、これもいいな」となかなか決められなくて、結局先に進まなくなってしまうんです(笑)
その点、Bing AIは悩まずに決めてくれるので、本当に助かりました…!

さて、イベントの詳細はこんな感じです。


【イベント名】
春の手作り雑貨フェスタ

【イベントテーマ】
手作り好きな人たちが集まって、自慢の作品を販売・交換・展示するイベントです。
色とりどりの雑貨やアクセサリー、小物などが並びます。
手作り体験コーナーやカフェコーナーもあります。

【開催日時・場所】
2023年4月9日(日) 10:00~16:00
○○公園

【参加費・申し込み方法】
一般入場は無料です。
出店希望者は事前に申し込みが必要です。
出店料は1ブース3000円です。
申し込みは以下のサイトからお願いします。
https://〇〇〇.com/handmade-festa/

【問い合わせ先・主催者】
春の手作り雑貨フェスタ実行委員会
メール:handmade-festa@〇〇〇.com
電話:090-〇〇〇〇-〇〇〇〇



コツ1:視線の動きに合わせて配置する

人が紙面から情報を得るとき、見る順番というのがある程度決まっていると言われてます。
新聞のような縦書きの紙面は、右上→右下→左上→左下。
雑誌やチラシのような横書きの紙面は、左上→右上→左下→右下。
NやZのような形で視線が動くので、N型とかZ型と言われます。
デザインの世界では、このN型やZ型を効果的に使って、「視線誘導」を行います。

今回はチラシ作りなので、Z型に情報を配置していきましょう。

「視線誘導」の例

私たちの身の回りにあるチラシも、このような配置になっているものが多いと思います。
なぜなら、この配置にしておくことで読んでもらいやすくなるからなんです!

この配置に合わせて、情報を入れていきましょう。

「春の手作り雑貨フェスタ」のチラシを作るために情報を配置した画像

このようになりました。
もうこの段階で、それっぽくなった感じがしますよね!
でも、これからもっとブラッシュアップしていきますよ!


【使用した写真素材】
・写真AC(https://www.photo-ac.com/


コツ2:使う色は2~3色にまとめる

次は、使う色を決めていきます。
…とはいえ、色を決めるのってすごく難しいですよね。
デザインを仕事にしている私でも、色に悩むことがあります。

言いたいこと、伝えたいことが多ければ多いほど、たくさんの色を使いたくなります。
でも、その気持ちをぐっと抑えて、使う色は2~3色までにしぼりましょう!

なぜなら、デザインのバランスをとりやすい色数は3色以内だからです。
たくさんの色を使いすぎると、全体がごちゃついてまとまりのない印象を与えてしまいます。
3色以内なら、色合わせも比較的やりやすくシンプルにまとめることができるので、情報を伝えやすくすることができるのです。

今回は、

  • 黄…「春」というテーマと、黄色い花が印象的な写真に合う

  • 茶…黄色と相性が良く、落ち着いたトーンで文字に適用しても読みやすい

  • 白…文字の可読性を高めて爽やかさを演出してくれる

この3色を使ってみたいと思います。

「春の手作り雑貨フェスタ」のチラシを、2~3色でまとめた画像

ちょっと雰囲気が出てきましたね!
でも、このままではイベント名が見えづらかったり、イベントの内容もちゃんと読み込まないと分からなかったりと、まだまだ改善できそうな部分がたくさんありますよね。
もう少し簡潔になるよう、情報を整理してみましょう。


コツ3:必要な情報を整理する

大切なのは、「このチラシを“誰に”届けたいのか」を考えること。
大体のイベントチラシは、「こんなイベントがあるから来てくださいね!」という、イベントに興味のありそうな人に向けて作られていますよね。

今回は「出店者募集」も一緒に盛り込んではいますが、あくまでハンドメイドの雑貨が好きな人に向けてのチラシだということにしましょう。
来場者の目線で、必要な情報とそうでない情報に分けて、できるだけ簡潔にすることで、情報がぐっと見やすくなります。

「春の手作り雑貨フェスタ」のチラシに載せる情報を整理した画像

どうでしょう、だいぶスッキリしましたね!
でも、まだ何だか味気ない感じがしますね…。
こんな時はフォントを変えると、雰囲気が変わりますよ!


コツ4:イメージに合ったフォントを使う

過去のコラム「フォントで激変!?「伝わるフォント」の選び方&選ぶコツ」にも書いたのですが、フォントを変えるだけで印象はガラッと変わります。

今回のお題は「春の手作り雑貨フェスタ」なので、ポップで可愛らしい雰囲気の有料デザインフォント「こまどり」を見出しに使ってみたいと思います!

「春の手作り雑貨フェスタ」のチラシに、フォント「こまどり」を使用した画像

かなりいい感じになってきましたね!
あともう少しで完成ですよ!


【使用したフォント】
有料フォント:こまどり | ヤマナカデザインワークス
http://ymnk-design.com/こまどり/


コツ5:「デザインの四大原則」を使って全体を整える

前回のコラム「パワポもチラシも、初心者卒業!デザイナーが教えるデザインの基本ルール4つ」にも登場した「デザインの四大原則」、一度おさらいしておきましょう。

デザインの四大原則「近接」「整列」「反復」「強弱」

デザインの四大原則とは、「近接」、「整列」、「反復」、「強弱」でしたね。
「近接」はグループ分け、「整列」は揃える、「反復」は繰り返し、「強弱」はメリハリ。

この四大原則を使って整理しつつ、少しあしらいを加えてできあがったのが、これです!

「春の手作り雑貨フェスタ」のチラシが完成した画像

どこにどの原則を使ったか分かるでしょうか。
ぱっと見て「ここはこの原則を使っているな」と分かった方は、デザインスキルがかなり高いのではないでしょうか…!

答え合わせに、実際に色分けして書き入れたものを見てみましょう。

「春の手作り雑貨フェスタ」のチラシのどこに「デザインの四大原則」が使われているかを解説した画像

いかがでしょう、全部正解していたでしょうか?
あまり細かく書き込むとごちゃごちゃしてしまうので、あくまでざっくりとですが、こんなにたくさん使われているんです…!
まさに「デザインの四大原則」は、デザイン作業においてなくてはならないものなんですね。


【使用した素材】
・イラスト
 ガーリー素材(https://girlysozai.com/
https://girlysozai.com/flower/1105/

・写真
 写真AC(https://www.photo-ac.com/


比べてみる

「春の手作り雑貨フェスタ」のチラシの、完成前と完成後の比較

「コツ1」の段階のチラシと、「コツ5」の段階のチラシを比べてみると、格段に見やすくなっていますね!
イベントの回数が増えれば、前回の写真を入れたり、出店者の商品を載せたりして、もっと楽しい雰囲気のチラシが作れそうです!

ここまで、特別なことは何もしていません。
ちょっとしたコツを知っているだけで、こんなチラシが作れるんです!
「私にはセンスがないから…」なんて、決して諦めないでください…!
デザインは「伝えるための手段」であり、やり方さえ分かれば誰にでもできるものなのです!


できあがったら一度印刷してみる

チラシができあがったら、「さあ、たくさん印刷して配ろう!」という気持ちになってしまうのですが、ちょっとストップです!

そのチラシ、実際に印刷してみましたか?

実物のサイズで印刷してみると、パソコンの画面で見ていたのとはまるで違います。
パソコンの画面上では自由に拡大縮小ができるので、「印刷してみたら文字が小さすぎた…」なんてこともよく起きるんです!
誤字脱字も、画面上で見るより紙面で見る方が見つけやすい、なんて説もあるんですよ…!

実際、私もデザイン中に何度も印刷してサイズ感や余白、読みやすさなんかを確かめています。

大量に印刷してから「こんなはずじゃなかったのに…」となる前に、必ず一度は紙面で確認しましょう!


まとめ

チラシ作りに役立つコツを5つご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

チラシ作り以外にも、色んな場面で活躍する知識ばかりですので、どんどん使って体や頭に馴染ませてくださいね!
慣れてくると、意識しなくても視線誘導をしやすいレイアウトをつくったり、デザインの四大原則が使えるようになったり、色使いも含めた全体のバランスがうまくとれるようになったりします。
自転車だって、転んだり補助輪に頼ったりしながら上達して、意識しなくても簡単に乗れるようになりますもんね。

デザインをもっと身近に感じて、楽しんでいただけたら嬉しいです!




徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房

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