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一級建築士製図試験 記述の勉強方法

こんにちは、記述研究所の源です。

今回は一級建築士試験の製図試験、とりわけ計画の要点等に関する勉強方法を提案します。


計画の要点等とは

製図試験で提出を求められる解答用紙は、2種類あります。
A2図面A3記述用紙があり、計画の要点等はA3記述用紙を示します。

記述では、図面だけでは表現することができない設計者の考え、設備や構造などの知識が要求されます。

10問前後の設問があり、文章や補足図で解答します。図面ほどではありませんが、記述内容が合否に影響を与えることがあるので、疎かにはできない分野です。


最近の傾向

記述をA3用紙に解答する方式は、平成21年から始まりました。平成の間は、多くの設問が定番的なものであり、新しい設問は1、2問でした。

しかし、令和になってからは問題の構成が大きく変わり、定番的な問題が1、2問だけで、ほとんどが目新しい設問となっています。

また、イラストによる補足図が求められ、必ず書かなければならないと場合と、補足してもよい場合に分かれます。

必ず書かなければならないとされる時には、イラストを書かない場合は解答していないこととなり、一発不合格となる可能性があります。

補足してもよい場合は、書かなくても減点はないと思われますが、ほとんどの受験生が補足しているので、よほど完璧に文章で伝えることができていないと、点差が付いてしまいます。

近年の傾向としては目新しい問題が多く、また、解答用紙の1/4程度のイラストを描かせながら、複合的な知識が問われています。

記入分量が多くなり、初見の考えながら書く設問も増えたため、記述は難化傾向にあります。

定番的な問題が少ないので、かつてのような記述例文の暗記では太刀打ちできません。


勉強方法

具体的にどのような勉強をするかを検討します。始めにすべきことは、本試験でどのようなことができるようになっておくべきかを知っておくことです。

記述で目指すべき目標地点

記述で目指すべきゴールは、図面の足を引っ張らないことです。

記述の設問に対して、絶対的な解答は存在しません。図面との不整合がなく、よほど的外れなことを書いていない限り、大幅な減点をされることはありません。

どのような出題があったとしても無難な解答をできるように、建築、構造、設備、省エネに関する基礎知識と文章力を持ちましょう。

相対試験であると言われている製図試験では、大きく減点されないということは、合格への近道です。

過去問の確認

まずは、令和分の過去問を見てみましょう。建築技術普及センターのHPにて確認できます。

勉強を始めるには、どのようなことが聞かれるかを把握することが最も重要です。問題を解く必要はありませんが、設問内容を見ておきましょう。

文章に触れる

記述では、自分が設計する上で考えたことを採点者に伝えます。正確な文章力が必要となりますので、普段よりも文章を読むことに時間を割きましょう。建築に関するものだけではなく、趣味の本でもいいと思います。息抜きをしながら、本を読み、文章に慣れ親しむことで文章力を引き上げましょう。

また、記述ではたくさんの文字数を書きますので、普段から手書きの機会を増やしましょう。1時間程度、文字を書き続けることができる体力を養っておきます。

さらに、自分の文章が伝わる文章であるかを確認しておきます。自分の文章は、なかなか客観的に評価できないので、信頼できる人に読んでもらって評価してもらいましょう。自分では気づけなかったことがわかる場合があります。

基礎的な知識を養う

記述では、建築、設備、構造、省エネなどに関する基礎的な知識を問われます。過去に出題された解答の例文を見ながら、周辺知識も含めて理解しながら覚えましょう。

知識が十分に身についていれば、ひねった問題が出されたとしても焦ることなく解答できます。


スケジュール管理

一級建築士製図試験の勉強時間で、記述が占めるものは短時間で十分です。ただし、順番としてどのように割り振るかが結果を左右します。

多くの人が記述の勉強を後回しにし、試験本番寸前に詰め込み勉強をします。この短期間でできることは、浅い知識の例文暗記くらいで、近年の複雑な設問には手が出ないことが多くなります。

ペース配分としては、課題発表され、年度の個別テーマに沿った問題に着手する前に9割の記述勉強を済ませておきます。

課題発表後は、学校などでその年度のテーマに沿った問題をこなす中で、自分が知らなかった知識のみを覚えるのみで十分です。

課題発表後の勉強時間はエスキスに費やすべきで、どのような問題が出されてもエスキスを完成させる自信がつけば、余裕を持って試験に臨むことができます。

記述と作図は練習しただけ上達します。


まとめ

過去問にて、記述で問われることを確認しよう
文章を読み、書くようにしよう
記述勉強は後回しにせず、先に終わらせよう

©️2024一級建築士記述研究所

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