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モーリー教授の独り言

モーリー教授の独り言

若いサウンドエンジニアさんに覚えていて欲しいこと

サウンドエンジニアの心得その13 を書いています。

http://goods.jp/16/mory.htm

幾人かの方にご支持を頂いています。仕事柄色々なライブハウスやライブレストランなどにお邪魔する機会が多く有ります。手前味噌で申し訳ないのですが、毎回「今まで聴いたことのない良い音でした」に成るのです。僕は決して特別なことはしていません。普通にその機材が持っている能力を引き出しているだけなんです。

現在の機材はかなり良い音が出るようになっています。ただピアノに調律が必要なように音響機材にも調整は必要なんです。スピーカーひとつとっても置き方、吊るし方が1センチ違うだけで大きく音は変わります。先日もある施設に行きましたが「うちは著名なスタジオのエンジニアが設計したから」という触れ込みでしたが、残念ながら酷いものでした。

私たち日本人は特に「有名メーカーだから」とか「何とか大学の音響学の教授の」とか、とかくエビデンスを優先するきらいがあります。有名メーカーの機材は確かに良いものもあります。しかし使い方をちゃんと知らなければ猫に小判、豚に真珠、モーリーに若い女性。。。。あ!ちょっと嬉しいw 有名大学の音響工学の教授がPA機材を使ったことがあると思いますか?答えはNOです。

ひとつ顕著な例をお話します。あるパーティーで学生のジャズバンドが演奏していました、ハッキリ言って下手でした。客も騒がしく聴いてもいませんでした。ところが司会が「本日の演奏は〇〇音大(有名大学)のジャズ研究部の皆さんの演奏です。」で急に拍手が起きて静かに聴き始め、中には「いやいや流石いい演奏ですな」などとのたまうわけです。

「あんたらさっきまで騒いでいたべ?」と思うわけですよ。演奏が良かったら、シンと静かになります、ならないのは心打つ演奏ではないからです。

機材の高い安いとか大手会社が入れたとか関係なんです。いい音かどうか自分の耳だけを信用して欲しいと思います。特に音楽を重要視するライブハウスやライブレストラン、ホールなど全てそう言えます。「もう少し良い音にしましょうよ」と言うと新しく機材を買う予算が無いからと言うことが多いです。「機械を買えば良くなると言う考え方ではなく、せめて調整をしましょうよ」と言いたいんです。

大事にしたいのは「音は音楽の血液だから」血が汚れていると演奏も汚れます。血をサラサラにして初めて感動する音楽の躍動感や情感が表現されるのです。バラードでウィスパーで歌いたいときにブーとかザーと有ったら嫌じゃないですか?明らかに自分の音じゃない音で再現されるのも嫌じゃないですか?

どうぞ音を大事にしてください。ケーブルひとつ、プラグひとつ、基本の積み重ねがいい音を紡ぎだします。音のわかるサウンドエンジニアとして是非頑張って欲しいと思っています。

僕も頑張るので若い君たちも是非!頑張ってください。

今日も笑顔で先輩やミュージシャンに挨拶をしよう!行ってらっしゃい。

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