化粧品-6

オーガニックコスメについて#3最近のオーガニックの効果効能について科学的側面についてまとめてみた

こんにちは元オーガニック化粧品の研究開発者のゲンです。
今回はオーガニックコスメ第3弾。効果効能やその科学的側面について書いて行きたいと思います
 #オーガニックコスメ #オーガニック化粧品

(私の記事は #Gensラボ  で検索できます)

前回までのおさらい




実際のところ、オーガニックって効果あるのとか、何が良いの?何が違うのというのはよく聞かれます。しかしながら、多くの人はなんとなーくしか分かっていませんし、化粧品業界の人ですらほとんどのところよく分かっていない人が大半だと思います。

オーガニック化粧品、オーガニック原料に関する科学的知見はあんまり分かっていないこともあり、まずは食品を中心に議論をし、その後化粧品のことについて書きたいと思います。化粧品の分野については、私の持論になってきます

まずはオーガニック食品の分野でのお話

まず大きな事実として、2009年イギリスのFSA(英食品基準庁)が過去50年間のオーガニックに関する論文を調べた結果、オーガニック食品が消費者の健康に影響を与えるほどの違いではない」ということで、「栄養価はたいして変わらない」という結論に達し、欧米ではメディアを含め大きな話題になりました。

現在イギリスでは「オーガニック食品は栄養面で優れている」という食品表示は禁止になっています。

また、ニュージーランド食品基準庁(NZFSA)のAndrew McKenzie長官も・オーガニック製品が普通の製品より安全性の上でも栄養価や健康効果についても優れているという科学的根拠はない・オーガニック製品に対する消費者の認識と科学的根拠の間には大きな隔たりがあると発言されています。

そして、2つ目の大きな事実は2012年9月にはアメリカ・スタンフォード大学保健政策センターCrystal Smith-Spangler医師らの研究でも、慣行農業の食品とオーガニック食品を比べて栄養価に関して差は見られず、残留農薬濃度でオーガニック食品の方が30%低かったという研究結果を発表され、改めて栄養価に関する優位性がないことが研究結果として挙げられ話題になっています。

抗酸化物質が多いなどポジティブな論文もあるようなのですが、実験方法などで問題があり、FSAの研究結果からは省かれています。

これらの事実から、やはりオーガニックと普通のものを比べると含まれている成分は濃度など少し違うことと残留農薬も少ないというところは論文でも挙げられており事実としてあります。また一般的な消費者もそのように感じていることでしょう。

ただそれが、人間の健康や安全には影響しないというのがどの国の結果も一致した意見だということです。今の段階では。

オーガニック食品を科学的側面から見た結果

つまり、食品の分野ではもう世界的に科学的には決着がついていて、オーガニックだろうが、そうでなかろうが、栄養価は変わらないというのが科学的には主流の考えで、それに反論するような科学的事実はない状態にあります。

現在ではオーガニック自体が大きな意味を持っているため、あくまでオーガニックとそうでないものの栄養、安全という一部の側面からの科学的検証であり、環境等包括的なオーガニックについて語られたものではないので、その点は注意が必要です

twitterで情報発信しているので、フォローお願いします


オーガニックコスメの分野を科学的側面から推察する

最初に言っておきますが、オーガニックコスメを科学的に研究した結果って残念ならがほとんどないんですよね。なので、あくまで私の推測がメインです

まず、オーガニックコスメで用いられるオーガニック原料の中身の成分ですが、これは食品の研究とほぼ同じだろうと思います。つまり、オーガニックだろうが、農薬を使って育てられたものであろうが、栄養の成分的にはそんなに大きくは変わらないだとうと思っています。もちろん厳密に言うと違います

昔、前の会社でオーガニックと一般的な方法で育てられた植物を解析したこともありますが、結果は多少の抗酸化物質は予測通りオーガニックの原料の方が成分的には多かったですが、多少で大きくは変わりませんでした。

植物は菌や昆虫など外敵から身を守るために、抗酸化物質を出して攻撃しますが、農薬を蒔いたものより、オーガニックで育てられた方が抗酸化物質がより多く出るのは容易に想像がつきます

つまり食品と同じで
オーガニック原料が優れていて、肌に良いとは言い切れないし
逆に農薬原料が残留農薬が残っていて、肌に悪いとも言えない

ということです

抗酸化物質が多いからと言って効果が高いとは言えない

先ほど話したようにたしかにオーガニックで育てられたものは抗酸化物質が普通に育てられたものよりも多いのは事実です。しかし、それが多いからと言ってコスメでは効果が高いとは言えないと思っています

これにはひとつ大きな理由があります。

原料レベルで、そこまで良いも悪いも大差がないだろうことに加え、大半のオーガニックコスメは特に日本のオーガニックコスメ や自然化粧品においてはオーガニック原料の配合率が低いことが挙げられます。ここでいうオーガニック原料とは植物エキスと精油のことです

これはどうしてかというと日本のコスメ文化、日本人の性格として、安定性至上主義があるからです。これはコスメだけではなく、日本人が世界でも稀にみる潔癖症文化だからというのが関係しています

日本は虫がひとつでも混入していれば、テレビでも放映されるぐらいの大ニュースになります。分離や変色などは即回収です。でも、ヨーロッパを含め海外では、回収はおろか、こんなレベルのことはニュースにもなりません。

異物混入や分離など誰も気にしていないからです。異物混入なんかは取れば使えるじゃん、分離は振ればまた混ざるじゃん。消費者はみんなそんな感覚です。日本人は異常なほど潔癖症、品質至上主義国家なのです

これがもたらす作用は、メーカーの開発、商品にものすごく影響しています。みんなビビってエキスを高配合したりできないのです。これはオーガニックコスメに関わらず、ケミカル系を含めすべてに言えます。元々、自然原料、天然原料はいわゆるロットブレが大きいですし、変色もよくします。また、オーガニック原料などは毎年、自然環境によって品質に大きくブレが生じるため、使っても見た目や品質が変わらないように高配合できないのです

天然原料、自然原料、オーガニック原料の配合率を上げると安定性は一気に悪くなります。変色するし、匂いも変わる、ロットぶれも起きる。ゆえに多くの日本企業のオーガニックコスメメーカー、オーガニック原料を配合している会社はいわゆる高配合しない傾向にあります。

もちろん、私が以前働いていた会社もそうですし、ちゃんと作っている会社もありますよ。数は少ないですが、日本企業で本気でオーガニックコスメ を理解し、力を入れている会社はあります。でも単なる全成分表記のための配合、広告したいがために配合している会社が多いのは事実です。

ただし、じゃあオーガニックだめじゃん。全然良くないじゃんという話になるかもしれませんが、全くそうではありません。

食品もそうですし、コスメもそうですが、オーガニックの魅力は成分や効果効能にないと私は思っています。

そんなところにオーガニックの魅力があるのであれば、ここまで世界的なブームになっていませんし、文化として定着していないと思います。

次はそのオーガニックの魅力について書きたいと思います。

次回につづく

以上です。最後まで読んでくれてありがとうございます
面白かったら、フォロー、拡散お願いします


化粧品関連のお仕事の依頼はこちらから
info@hyotang.com

会社のHPはこちらです
https://hyotang.com

Noteやっています。フォローお願いします
https://note.mu/gen888
Twitterフォローお願いします
https://twitter.com/hyotang888
Instagramもフォローお願いします
https://www.instagram.com/gen_works/


記事が気に入った方はフォローお願い致します