基本プレイ無料のハイスピードTPS『PARAVOX』が現在オープンαテスト中である。まだα段階であり、改良の余地は多々あるが、これは期待大のタイトルである！

まず内容以前に気合の入り方が半端ではない。なんと優勝賞金一億円というビッグな大会が発表されているのだ。このゲーム、“本気度”が違う。

それにしてもいったい、どこにそんな金が？　と心配になってしまう。まだサービス開始前だぞ？

作っているのはどこかと思ったらシンガポールを拠点とする「81RAVENS」という会社らしい。ここの共同創設者・CEOは株式会社RATELの創設者・元CEOである吉村信平氏だというのだ。

先日、RATELの新体制が発表され、そこに吉村氏の名前がなかったのでどうしているのかと思っていたが、そんなことをやっていたとは。

肝心のゲームは？

まずα板でありまだまだ変わるだろう、ということは念頭に置いておいてほしい。その上で言うと、可能性は感じるがまだゲームは荒い、という印象。個人的には往年のアリーナ系っぽい操作感が有り、大変気に入っている。

まずハイスピードというだけあって、早い。おっさんにはキツイというレベルで早い。キャラが動きまくるので狙いが定めにくい。このあたりは懐かしのTRIBESを思い出させてくれる。Quakeのような特殊な操作をせずともかなり早く移動できて気持ちがいい。

ルールは3VS3で3箇所あるエリアを支配している時間ポイントが入り、先に100ポイントになったチームが勝ち、というシンプルなもの。これはUnreal TournamentにあったDominationというルールと一緒だ。同じようなルールはFortniteやApex Legendsにもあったのでナウなヤングもすぐわかるはずだ。

良いと思うところ

シンプルかつキルが目的ではない、というのは良い。キルポイントを競うゲームだと、日本人にはあまり受けないと思われるからだ。

操作方法が難しすぎないこと、それでいてハイスピードなのでかなりのエイム力が求められ、競技性の高さがある。eスポーツにするのに非常に大事な点を押さえている。

ハイスピードで爽快感バツグン。1プレイも長すぎず短すぎずで空き時間にちょいとやれる。

今のところはゲーム容量が小さい。今後追加要素でデカくなっていくんだろうが、今どきのゲームで5GBもないのは驚いた。

動作が軽い。グラッフィックの質は最先端というわけではないが、eスポーツタイトルでガチるやつはそんなものどうせ下げるので、これでいい。

誰にでもカスタムマッチが作れるのはいい。これは正式版でも残して欲しい。

改善して欲しいところ

キャラや衣装についてはまだ少ない。だがこれはおそらくどんどん追加されるだろうから心配はしていない。マップも同様。

アカウントが必要なのは当然だが、いちいちパスワード入力が求められるのは面倒。ひょっとしたらトークンとかの絡みで何か理由があるのかもしれない。

スピードが早いがマップに引っかかるポイントが多い。爽快感が損なわれてしまうので、なんとかして欲しい。Overwatchのゲンジのような壁登りがあってもいいかもしれない。

早すぎるので着地狩りをできる範囲武器、つまりロケランが欲しい。一応、グレランのセカンダリがそんな感じではあるが、もっとこう、ロケット感が欲しいんだよ！

武器が一つしか持てないのは不自由。遠くからは即着弾武器、近づいたらショットガンとか使い分けがしたい。チーム戦なのだからそこはチームメイト同士でおぎなえ、というシステムなんだろうけど、やっぱ不満に感じてしまった。

武器バランスは要調整。ちょっとアサルトライフルが強すぎかも。

こういうゲームならいっそリロードはなくしてもいいかも。刀にすらリロードがあるのはいかがなものか。それがダメならせめてもっと弾数は増やして欲しい。ダブルジャンプやダッシュ中に撃てなくなるのも不要かも。ちと大味になってしまうかもしれないが。

攻撃が当たったとき、当てられたときの演出がわかりにくい。気がついたらHPが減っている。特に音はもっと気持ちの良いやつを作ってほしい。

競技性と後述する理由からも、リプレイの保存、再生機能は欲しいところ。

それと心配なところ。3VS3という少人数だと誰がスコアを稼げていないか、ということが明確なので争いが起きてしまうかもしれないということ。ゲーム内での報告システムやSNS等での誹謗中傷、晒し行為に対しての対応に追われてしまうかも。じゃあどうするかっていうと、なかなか難しいのだが、行動規範のようなものは作って公開するべきかな。

どうもトークンという金銭と関わるようなシステムがあるらしく、その点が心配だ。チート、グリッチ、その他不正に関する対策はかなり厳格さが求められると思う。リプレイ保存が欲しい理由の一つ。

なんか不満点ばかり書いているようだが、それは期待値がデカいことの裏返しであることをご理解いただきたい。これは新たなeスポーツシーンができる可能性大である。タイトルにeって入れりゃeスポーツになると思っている各メーカーはみならってほしいところだ。ApexやOWが残念なことになっている今、プレイヤーも大移動するチャンスだ。今からやりこんでおこう！