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第372回:ビットコインキャッシュのハードフォークと暗号通貨の市場動向

無事に米中間選挙も終わり、上院は共和党が、下院は民主党が抑える形となりました。金融市場も荒れるかなと思いきや、二年前の大統領選ほどは激しくなく、ボラは有りつつも緩やかに落ち着きを取り戻しつつある状況です。

金利が急騰を始めているのが少し気になりますが、年末に向けて、一旦は、○○ショック的なリスクは回避した雰囲気です。

ただし、9月、10月の急激な上昇で高値づかみの投資家も多く、日経先物では22,000~22,500どころが相当の抵抗体になっているため、12月のFOMC(利上げ予定)までは、全体相場としてジリジリ安くなっていくリスクもあります。

一旦は大きなイベントを終えたとはいえ、引き続きIV(ボラティリティ)も不安定な相場なので、オーバーポジションに気をつけて、入念にリスクヘッジをかけた投資スタンスを心がけたいところです。

さて、ビッグイベントといえば、我らが暗号通貨業界も、11月15日に比較的大きめなビッグイベントを控えております。そう、ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークです。いくつか関連ニュースを取り上げますので、以下をご参照下さい。

参考1)BCH(ビットコインキャッシュ)ハードフォーク:新通貨付与に関する「仮想通貨取引所」対応一覧表

参考2)ビットコインキャッシュ、ハードフォーク前の取引サービス開始【フィスコ・アルトコインニュース】

参考3)ビットコインキャッシュのハッシュウォーの結論(分裂が不可避な理由)

参考4)【通貨】ビットコインキャッシュ急騰、大手取引所がハードフォーク支援の報道で【フィスコ・アルトコインニュース】

暗号通貨やブロックチェーンに詳しくない方にとっても、出来るだけ簡潔・明瞭に状況説明をするのが本稿の基本コンセプトなのですが、今回のビットコインキャッシュのハードフォークについては、あまりわかりやすい記事がありませんでした。

よって、何が起こっているか、何故ハードフォークしているのか、わかりにくいかもしれませんね。可能な限りシンプルに説明し、暗号通貨市場への今後の影響を占いたいと思います。

まず、ハードフォークというのは、日本語でいうと『分裂』です。

なぜ『分裂』が必要か、と言うと、ブロックチェーンは記録を永久に保持するというその性質上、使われれば使われるだけ、取引を承認する時間とコストがかかってしまい、ユーザーに不利益が生まれます。

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