見出し画像

【ビジネスマン必見!】最新の生成AI活用について学ぶシリーズ#3 デロイトトーマツコンサルティングのパブリックセクターエキスパートが解説する「生成AIがパブリックセクターにもたらす変化と必要な備え」


趣旨

生成AI(ジェネレーティブAI、Generative AI)に関する話題は日々世間を賑わせています。生成AIがビジネスにもたらしうる可能性や危険性が多く取り沙汰される中で、我々デロイトトーマツコンサルティングでも生成AIの活用方法やリスクなどに関しクライアントからご相談をいただく機会が急速に増加している状況です。

 

「日本から、よりよい明日を創るために、進むべき未踏の道を指し示しともに駆け抜ける存在であり続けたい」という想いを胸に、デロイトトーマツコンサルティングでは2023年6月、所属する全コンサルタント約5,000人が生成AIの専門知識・活用ノウハウを獲得し、顧客に提供するための体制整備を加速する旨も発表しています。

 

このインタビューシリーズでは、デロイトトーマツコンサルティングに所属する各業界・領域の専門家が、各業界・領域における最新のAI活用事例と生成AIに関するデロイトならではのソリューション提供につい解説していきます。

第三回は、G&PS(ガバメント&パブリックサービス)Division 根本直樹が、生成AIをパブリックセクターで活用する際に注意すべき観点、生成AIの活用に向けて必要な準備などを解説していきます。

解説者紹介

根本 直樹
デロイト トーマツ コン サルティング 執行役員
AIの活用研究(人間の感情認識)の後、テレコムセクターでの国際技術標準・基準適合に関する計測コンサルティングからビジネス・キャリアをスタートして以来、客観的に測ることをベースとした事実の見える化による分析、課題抽出、仮説検証、課題解決に一貫して取り組んでいる。
 
中央省庁におけるクライアント本来の目的追求及び利便性向上に資する業務改善を軸とした社会保障分野業務情報システムの見直し及びサイバーセキュリティ対策強化などで10年以上のアドバイザー経験を有す。また、デジタル・ガバメント、特にITガバナンス及びデータ・ガバナンスの推進に必要な各種ガイドラインの政府内での策定に携わるだけでなく、政府の成長戦略に基づく社会アジェンダ、社会保障分野でのサービスデザイン思考での業務改革、政策・戦略立案のためのAI活用およびデータマネジメント強化、調達改革(クラウド活用促進、アジャイル開発促進のための環境整備等)などに取り組む。官民マルチ・ステークホルダー環境下での政府有識者会議等での委員も務めるなどし、ボトムアップとトップダウンの両面での活動を織り交ぜての課題解決に注力している。
 
主な資格:PMP、認定スクラムマスター(CSM)、情報処理安全確保支援士、公認情報システム監査人(CISA)など。
主な著書:「行政情報システム受託・開発の教科書」(翔泳社)のほか、講演・寄稿等多数。
主な所属学会(正員):ACM、IEEE、法とコンピュータ学会、日本セキュリティ・マネジメント学会など。

パブリックセクターにおける生成AIのニーズ

――パブリックセクターにおいて、生成AI関連でどのようなご相談が増えておりますか

根本:国民に提供するサービスを拡充するために生成AIを活用したいという趣旨のご相談が増えています。官公庁には、国民によりよいサービスを提供したいという想いがある一方で、国民の安全・プライバシーを守り説明責任を果たした上で、サービスを提供していく義務もあります。それらのバランスに悩まれるクライアントは多いです。サービスの拡充と国民の安全・プライバシーへの配慮一方だけを考慮するのではなく、どのように双方を満たしていくべきか上流での業務変革含めてご相談を受けている状況です。
また、日本では人口減少・少子高齢化とそれらに伴う人手不足が深刻ですが、官公庁業務も例外ではありません。特に窓口業務の人手不足は深刻です。サービスの維持に向け一部業務をAIに代替させることは急務となっており、窓口業務効率化に関するご相談も多くいただいております。

――クライアントから受けるご相談の中で、パブリックセクター特有のご相談としてはどのようなものがありますか

根本:生活インフラとしての窓口業務の維持といったところもありますが、パブリックセクターの独自業務として国民が生活していく上でのルールを制定していくことがあげられます。生成AIの活用においても国民が安心・安全に使用するためのルールメイキングが必要で
あることから、ルールメイキングに関するお問い合わせや調査研究に関するご相談を多くいただいています。

事例・デロイトならではのサービス

――具体的な案件事例を教えてください

根本:官公庁の窓口業務は人手不足が深刻化している上、国民からの問い合わせ内容は高度化しています。全ての問い合わせを窓口で人間が直接対応していくことには限界があるため、人間が対応するべき業務と、機械により対応を自動化するべき業務の切り分け、選択と集中が重要です。過去に事例のある問い合わせは自動化していく、高度な問い合わせや人間が親身になって対応するべき問い合わせは人間が窓口で対応するといった対応が必要であり、そういった業務の高度化・効率化に関しご支援事例があります。

――パブリックセクターにおける生成AI関連のご相談に対しデロイトだからこそ提供できるご支援はどういったことですか

根本: 我々は、表面的な技術の活用ではなく、クライアントが抱えている本質的な課題を理解した上で、どのように解決していくかを常に考えています。クライアント業務を効率化し、その先にいる国民により高度で親切なサービスを提供していくのだという想いでご支援しています。クライアント業務の深部を理解し、クライアントのため、国民のため、テクノロジーの導入だけではなくBPR、チェンジマネジメントも含めてご支援できることがデロイトの強みです。

生成AI導入や活用にあたって必要な準備・障壁

――パブリックセクターにおいて、企業や組織は生成AIの導入や活用にあたりどのような戦略や準備をすべきと考えますか?また、生成AIの導入・活用・規制などで悩まれているクライアントにメッセージをお願いします

根本:パブリックセクターは個人情報を取り扱うことが多いため、セキュリティやプライバシーへの配慮が不可欠です。セキュリティ・プライバシーへの配慮という観点では、汎用型LLMではなく特化型LLMの活用が適しているのではないでしょうか。
生成AIの活用によって、クライアントである官公庁だけでなくその先にいる国民がよりよい暮らしをできるよう、生成AIに学習させるデータは正しく管理する必要があります。特化型LLMであればデータを安全に管理しながら必要なデータを学習させることができるため、最終的な受益者である国民に対し安全かつ便利な生成AIサービスを提供できるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、パブリックセクターにおいては最終的な受益者である国民にとって良いサービスを提供していくことが重要です。データの不適切な利用により国民に不利益をもたらさないよう、クライアントの皆様はデータの管理にまずは目を向けていただければと思います。
クライアント・国民にとって生成AI活用が砂上の楼閣とならないよう、今後ともご支援してまいります。

インタビュー動画もありますので、ご興味のある方、ぜひこちらのURLからご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?