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無線PCVRを低速回線で-モバイルWifi・テザリング

本記事は,有線PCVRができる環境をすでに持っている方で,低速回線が理由で無線PCVRがしたくてもできない方を対象としています。

対象とする環境
高性能機種のグラフィックボードを積んだゲーミングPC
Virtual Desktopがストアにある単独起動可能なVR機器(Quest2・Picoなど)
デスクトップVRができる程度の回線(2.4GHz帯/5GHz帯問わない)

回線速度が速く,無線VRができる環境が整っている方については,以下の導入は不要です。


0.はじめに

私(誰?)は,インターネット回線をすべて携帯のテザリング(Rakuten Unlimited)に任せています。(月々の通信費節約のため)
そのままQuest AirLinkにつなげると,ほとんど動かずプレイできませんでしたが,以下に紹介する方法で支障なく無線PCVRができるようになりました。

具体的には,VRChatで30人ほどいるワールドでも,遅延を感じず40FPS出ます。(PCのスペックにより個人差がある,有線VRとほぼ変わらない)

その方法とは,「高速で送受信できる環境をPC-VR機器間で構築する」というものです。


1.必要なもの

①Wifi6 5GHz対応ルーター

必ずWifi6 5GHzに対応したルーターを購入しましょう。(それ以外だとVRの動作がカクつく可能性があります)
私はIODATAのDEAX1800GR/E(7000円程度)で動作しました。

②Virtual Desktop
必ずVR機器のアプリ内で購入してください。(2000円弱)
Steamにもありますが,そちらを買っても今回の用途では意味がありません。

③LANケーブル
PCとルーターを接続できる長さのものを選択してください。


2.設定

①ルーター・PCをLANケーブルで接続
ここで,ルーターのポートは通常のLANポートではなくインターネットポート(WANポート)につなぎます。

②インターネット回線とルーターの5GWifiをブリッジ接続
ブリッジ接続の方法は以下のサイトで解説されています。

③Virtual DesktopをVR側で,StreamerAppをPC側で起動
設定は以下のサイトで詳しく解説されています。


3.低速回線でできる理由

 以上の手順を踏むと、次のような環境を構築できます。

インターネット↔[回線(低速)]
PC↔[有線LAN(高速)]↔ルーター↔[Wifi6 5GHz(高速)]↔VR機器

これにより,インターネットを介さず,ローカル環境内でPCとVR機器との送受信が完結し,映像の送信については回線速度との関係がなくなります。

有線で使用していたUSBケーブルの代替として,Wifi6回線(5GHz)を導入したという解釈もできるでしょう。


4.メリットとデメリット

メリット

  • 回線の速度に関係なく無線VRが楽しめる

デメリット

  • 1万円程度かかる