総合内科専門医/第289問(神経)/2022

第50回総合内科専門医試験
2022年度予想

48歳の女性。両下肢筋力低下を主訴に来院した。1年前に右眼視力低下があり、眼科で加療されて症状は改善した。3日前から両下肢の脱力感としびれ感を自覚していた。これらの症状が徐々に悪化し、本日起床時に起き上がるのが困難となったため、夫が救急車を要請し入院した。意識は清明。血圧112/64mmHg。脈拍80/分、整。胸腹部に異常を認めない。神経診察では脳神経領域に異常を認めない。上肢には麻痺はなく、腱反射は正常である。下肢筋力は両側の近位筋、遠位筋ともに徒手筋力テストで2程度に低下している。下肢腱反射は亢進し、Babinski徴候は両側陽性である。胸骨下縁から下で温痛覚の低下がみられる。血液所見、血液生化学所見に異常を認めない。免疫血清学的検査で抗アクアポリン4抗体陽性。脳脊髄液所見は細胞数69(多核球60、単核球9)/mm3(基準0~2)、蛋白62mg/dL(基準15~45)、糖62mg/dL。胸椎MRIのT2強調矢状断像と病変部の水平断像を別に示す。まず行う治療として最も適切なものはどれか。
a. 血漿交換療法
b. インターフェロンβ投与
c. シクロホスファミド投与
d. ステロイドパルス療法
e. 免疫グロブリン大量静注療法

< ここから解答・解説になります >


解答

d
視神経脊髄炎(NMO)

解説

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