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【プロンプトの基本】プロンプトを設計するには

「なぜプロンプトが必要なのか」については前回の記事で紹介しました。

生成AIにプロンプトが必要なことはわかったものの、どのように設計すれば良いかわからないという人も多いでしょう。本noteでは、プロンプトの設計方法についてお伝えします。

プロンプトの要素

プロンプトを構成する要素は次の4つであり、いずれかの要素が含まれます。

  • 命令:モデルに実行してほしい特定のタスクまたは命令

  • 文脈:命令を実行するために必要な補足情報や背景、文章のニュアンス

  • 入力データ:モデルが回答するために必要となる情報

  • 出力形式:モデルが生成すべき最終的な成果物の形式

すべての要素が必要なわけではなく、モデルに実行してほしいタスクや命令に依存します。

プロンプトの設計

プロンプトを設計するにあたって、次の点に注意しましょう。

  • 簡単に始める:いきなり難しいことをやろうとせずにシンプルなプロンプトから始めることが大切です。

  • 指示:モデルに実行してほしいタスクや命令を簡潔に明記します。「~教えてください」「~要約してください」「~翻訳してください」など

  • 特異性:モデルがタスクや命令を実行するために、詳細で具体的な説明を行います。

  • 不正確さを避ける:詳細で具体的な説明をすることで不正確な表現が出ることがあるため、それを避ける必要があります。不正確な表現によって適切な回答が出力されないことがあります。

プロンプトはChatGPTを始めとする生成AIとの「コミュニケーション」といえます。例えば、「アレを教えて」的な表現の場合、何を言っているかわからないため回答ができません。ちなみにGPT-4に聞いたら次の回答でした。

申し訳ありませんが、もう少し具体的な説明をいただけますか?どのようなことを手伝ってほしいのか、詳細を教えてください。

GPT-4

プロンプトを設計するにあたって、まずはシンプルなプロンプトから始めてみて、徐々に表現を変えていくと良いでしょう。また始めの質問や命令で十分な回答が得られないことも多いため、どうやったら思っている回答が得られるかを考えてプロンプトを作ることが大切です。

プロンプト最適化の6つの戦略

OpenAIは、プロンプト最適化についての6つの戦略を提示しています。

明確な指示文

モデルの回答で、例えば出力が長すぎれば短い回答の要求、出力が簡単すぎれば専門家レベルの回答を要求するなど、明確な指示をする必要があります。次の点に注意してプロンプトを作ると良いです。

  • より関連性の高い答えを得るために、クエリに詳細情報を含める

  • モデルに特定の役割を与える

  • 区切り文字(三重引用符、XMLタグ、セクションタイトルなど)を使用して入力の異なる部分を明確に示す

  • タスクを完了するために必要なステップを指定する

  • 例を提供する

  • 必要な出力の長さ(2行にまとめ、3つの箇条書きで要約など)を指定する

参考テキストの提供

モデルのハルシネーションを防ぐためには、参考テキストを提供して、その内容に沿ったまたは引用して回答するように指示します。

複雑なタスクから単純なサブタスクに分割

複雑なタスクは、簡単なタスクよりもエラーが起こる可能性が高いです。そのため初期のタスクの出力によって、後続のタスクの入力を構築できるようにすれば、より簡単なタスクのワークフローとして再定義することができます。

GPTに考える時間を提供

一度の質問でGPTにすべてを回答させるようにすると、推論エラーを起こしやすくなります。そのため回答を求める前に一連の推論を行うことで、より確実に正しい回答に導くことが可能です。

外部ツールの使用

他のツールの出力をGPTに提供することで、モデルの弱点を補います。GPTではなく外部ツールを使用することで、より確実なタスクの実行や効率的な実行ができる場合、両方の利点を最大限に活用すると良いです。

システムの変更をテスト

新しいプロンプトや新しい設計などの変更は、システムを良くするのか悪くするのかを判断するのが難しい場合があります。モデルのパフォーマンスを測定できれば、簡単に改善ができます。また出力の評価は、コンピューターや人間、またはその両方によって行うことも可能です。

参考文献

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