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vol.1 生活に寄り添う看護

利用者さんとの距離も近く、関係も深まる訪問看護。とにかく、結構楽しいよ!って伝えたいです。

矢野真智子さんは約10年間、病院勤務の看護師として働き、2023年3月にジェネラスに入社。現在、訪問看護師として活躍しています。一児の母でもある矢野さんに、訪問看護の仕事のやりがい、子育てと仕事の両立についてなどお話をお聞きしました。


➤ 訪問看護は、その人の生活に寄り添う看護

―― 訪問看護をはじめた当初、不安に感じたことはありましたか?

利用者さんの中には独居の方もいらっしゃいますので、最初は緊張しましたね。何かあったらどうしようって、ドキドキしながら訪問しました。でも、病院にいた時よりも利用者さんとの距離も近く、関係も深まるのは訪問看護のすごくいいところです。ご家族とも距離が近くなるので、みんなで一緒にサポートしているという感じがいいんです。

病院では忙しく次のケアに追われて、どうしても業務的になってしまうことがありました。一方、訪問看護は30分や1時間、その人だけをゆっくり看る、関わることができるのがいい。ただ、誰とでも距離が近ければいいというわけではなく、人と関わるのが苦手なタイプの方もいるので、その人を少しずつ見極めながら関係を作っていくところは難しいですね。

―― 利用者さんとの距離感をつかむために、何か気を付けていることはありますか?

まずは、その人の興味があることや、好きなことを聞いたりします。そして、私自身がそれに関心を持つことです。全く知らない人が家に入ってくるので、どういう人だろうって利用者さんも不安だと思います。だから、興味のあることできっかけを作って、それから徐々に距離感をつかんでいくようにしています。

あと、事前に利用者さんについてのカルテやその他の情報を参考にしながら、コミュニケーションを取るようにしています。

―― これまでの訪問看護の経験の中で、嬉しかったことはありますか?

私の娘の体調不良で、急にお休みしたことがあり、ある独居の利用者さんの家に行けなかったことがありました。その時に「あれ?矢野さんはもう来なくなっちゃったの?」と他のスタッフに言っていたそうです。「矢野さんに、来てほしい」という言葉は本当に嬉しかったです。80歳くらいで、もともと看護師さんをされていた方なのですが、先日、肺がんの告知を受けました。なるべく安らかに自宅で過ごしたいと希望されていますので、最期まで看取らせていただけたらと思っています。

これまで、家に帰りたいと言いながら結局、病院で亡くなってしまう方を看てきました。その時、ご家族にとって、本人にとって、これで本当に良かったのだろうかと思うことがありました。訪問看護としての終末期のケアは初めてのことですので、先輩にアドバイスをもらいながらやっていきたいと思います。

―― 病院勤務と訪問看護の大きな違いは何でしょうか?

病院での看護は治療や診察をしますけど、訪問看護は利用者さんの生活に寄り添った看護をします。積極的な治療ではなく、利用者さんが生活する上での困りごとを聞いたり、サポートしたりしています。第一に生活があるというところが全然違います。

また、例えば利用者さんが転倒した場合、病院だとすぐにスタッフが集まって対処します。でも、訪問の場合、特に独居の場合は、自分ひとりで対応しなくてはいけない。転倒して意識がなければ搬送する必要も出てきます。このように、ひとりで看護することの責任感も違うと思います。もちろんチームで利用者さんをサポートしていますので、何かあれば相談できますが、看護に行く時は身ひとつで行くので、そこに責任を持つことは大切ですね。

➤ ライフワークバランスは、ベストの状態

―― 職場の印象はいかがですか?

多職種の連携がしっかりできていて、みなさん、本当に話しやすい。私の勤めている「訪問看護ステーションほたる みどり」は風通しのいい職場ですごく働きやすいです。何かあればすぐ相談できるし、にぎやかでチームワークがしっかり取れています。私と同じ子育て中の方もいるので、たまに子育ての話もできますし。

ジェネラスという会社について言えば、子育て中ということで時短勤務をさせていただけて大変ありがたいです。それに加えて「時間休」が取れるというところも助かっています。半休ではなくて、1時間や2時間の時間休が取れる会社は聞いたことがなかったので、この会社の強みだと思います。ちょっとだけ早く帰りたい時とか、娘を病院に連れて行きたい時とか、いいですよね。すごく臨機応変に対応されていて、本当にありがたいです。

―― 会社に慣れるまでに大変だったことはありましたか?

それほど大変だと思ったことはなかったですけど、多職種のスタッフも、男性スタッフも多いので、まず名前を覚えるのが大変だったくらいでしょうか(笑)。

また、自分のことを覚えてもらうためになんとなく会話に参加したりもしました。最初の頃は同行で訪問看護に行くことが多かったので、その間に話をして少しずつ慣れていきましたね。

―― 仕事と家事、子育てのバランスはうまく取れていますか?

はい、うまくやれています。今は仕事が午後4時に終わるので、子供と一緒に図書館や本屋さんに寄ったり、お花屋さんに行ったり、そういった時間を確保できています。ライフワークバランス的にはベストの状態かなと思います。

また、個人的に映画が大好きですので、映画館に行ったり、家で観たりしています。あと、月に一回、家族みんなでハイキングすることが一番のストレス発散になっています。近場の豊田や岡崎の山の中を歩いてデイキャンプして、非日常的な時間を楽しんでいます。中でもお気に入りは、豊田の王滝渓谷。初めて行った時は、娘もすごく喜んでいました。川遊びもできますし、見たことのないくらい大きな岩のトンネルもあるんですよ。山の中も遊歩道が整備されているので、小さな子供が歩いても危なくないんです。

休日の矢野さんご家族

その他、夫婦で決めていることと言えば自由時間です。共働きですので、お互いに自分の時間はほしいということで自由時間を作っています。月・水・金曜日は旦那さんがジムに行き、火・木曜日の夜は私の自由時間です。娘が寝た後に映画を観たり、友達とお茶をしに行ったり、好きなことをしています。だから、意外とストレスは溜まらないのかも、ノーストレスですね。

➤ 訪問看護に興味があるなら、飛び込んだらいい

―― これからの目標を教えてください。

私は終末期のケアにとても興味があります。これからもっともっと高齢の方が増えていきます。そんな中で、孤独死というニュースが時々報道されていますけど、何かできなかったのだろうかと思ってしまうんです。

独居でも、ご家族と一緒でも、家で過ごしたいという利用者さんに対して、終末期に穏やかに過ごせるようなよりよいサポートをしていけたらと考えています。痛みの問題など、先生と連携しながら取り組むことも大切です。私ひとりではできないことがいっぱいあるので、いろんな職種と連携しながら、終末期のケアを頑張っていきたいです。

また、つい最近ですけど、生後2ヶ月の子の担当になったんです。以前は産婦人科に勤務していましたので、子供と関わる上で、自分の経験を少しでも活かすことができたらと思っています。

―― 最後に、訪問看護に興味があるけど迷っている人へ一言メッセージをお願いします。

とにかく、結構楽しいよ!って伝えたいです。

どんなことでもやり始めるまでは確かに不安なことがあるかもしれないですけど、きっと誰かがサポートしてくれるので大丈夫ですよ。

興味があるなら、飛び込んだらいい。とりあえず、やってみよう!です。


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