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ひらめきは縁で生まれる

 『コミュニティ・オブ・クリエイティビティ ひらめきの生まれるところ』(奥村高明、有元典文、阿部慶賀、日本文教出版、2022年)という素敵なタイトルの本を読んだ。

 ひらめきを理解するには、因果ではなく、縁起という概念が必要であると本書は指摘する。因果にこだわりすぎて、要因をいくら探っても、子どものひらめきは説明できない。

 教育は、できるようになってから行動するための練習機会ではなく、できないままに行える場づくりの練習機会である。教室は「やったことがないことをするのが平気な子どもだけが活躍する」場になってしまう。教室は、活躍できる子を「ふるいにかける」場ではなく、誰もがそれぞれにのびる「苗床」であるべきであり、教師は、「個」だけでなく、「場」に目を向ける必要があるという。集団だからこそ学べる場が学校なのだ。

 ひらめきは、場の力で生まれる。みんなで学ぶことの意味を考える一冊となった。


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