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自転車旅 第10話 『壊れかけのトラヴェラー』



8日目後編。





・出会いは突然に



・15時30分。

聖地を堪能しまくった。
明日のジョーばりに燃え尽きた。

やることはやった。もう地元に帰ってもいい。

そんな気持ちで体育館の玄関前でボーッと景色を眺めていると、学校帰りなのか小学生がチラホラやってきた。

旧豊郷小学校の裏にまた別の小学校があるらしく、聖地でサッカーをやったりする子供もいた。

みんな、けいおん好きなんだな。


子供は好きなので(そういう意味ではない!)、
はしゃいでいる光景を微笑ましく見ていると、1人の男の子がこっちへやってきた。

その小学生は他の子供達と遊んでいる訳ではなく、単独行動で遊んでいた。


すると開口一番
「君らなにしてんねん」


おお、関西弁。。

子供の関西弁は珍しかったのでつい関心してしまった。



暇してるよ

と返事する。

すると、「こっち来てみ!」と無理矢理連れてかれた。

相棒は生憎疲れて倒れているので、僕だけ付いていく。


小学生なのでスピードも早い。すぐにどこかに消えてしまった。

確か階段上がったな、と思って階段を登ると
影から「わぁー!!」と脅かしてきた。


ビックリした。



やんのか?このガキ。



その後、すぐさま走ってどこかへ行く。


おっていくと玄関前で寝てた相棒がいじめられていた。

相棒!!


どうやらこのガキ、相当暇らしい。


とりあえず会話しようと思って
暑かったので「喉乾いたなー」と言うと、


「ほな奢ったるで!今いくら持ってると思う?1000円持ってんねん」

と意気揚々と言ってきたので少し惚れた。



拒否すると自分の分の飲み物を買ってきて少し分けてくれた。

相棒いじめられた仕返しでガブ飲み。笑った。

殴られてた。


僕ら、小学生相手に何してんだろうなあ。


その後もいじめられたりしながら一緒に過ごす。


相棒大いじられ。


やめて!相棒のHPはもうゼロよ!




・16時すぎ

一通りいじめられ、その後「東京から自転車で来た」と話してると、労ってくれるのか僕らのことを家に招待したいらしい。

いやでもこんなホームレスを家に連れてくのは流石にやばいでしょ。

と断ると「今家に誰もおらんねん!」

と。いやもっとダメだろ!!


水をくれるとホームレスからしたらめちゃくちゃ良いゴリ押しをしてきたので、家の前までならと思い、行くことに。



出発。
相棒はすっかり子分になった。


自転車で数分ほど漕ぐと、家に到着。

家で水くれた。


その後、リレーをしようということになり、リレー。

相棒はボロ負け。仇を打つべく、挑むもボロボロ。


ずりーよ、相手はチャリだぜ。俺らは走り。しかもルートは決められてないからどこを走ればいいか分からないし。


リレーが終わると思いきや間髪入れずに次の遊びへ。


遊びじゃない、これは試練だ。


続いては広場に行かされ、三角形になって木を1本持たされバトル。

なんだチャンバラか。と思ったら違った。

急に化身を降臨させて木(剣)を振るってきた。

あ、厨二病の方ね。

しかしながら懐かしい。僕も昔はよく手からビームやらなんやら出てたもんだ。


昔を思い出しながら、少し恥ずかしい気持ちで戦う。


相棒もそうだろうなと思ったらノリノリで技繰り広げてた。あの感じ先月までやってたな。



ある程度このバトルをしばいて次の試練へ。
どんだけあんだよ。



次はおもちゃの武器を持って戦う。




相棒は剣のようなものを。ガキは銃のようなもので戦う。

ほんで僕の武器。



いや何コレ?
一体なんの長所があるの?


話によると上の白いボタンを押せば地球が無くなるらしい。
補正が凄い!

まあ1回も押させて貰えませんでしたが。


その後も試練は続く
僕のカバンの中に入っていたピンポン球で遊んだり、僕の携帯でHIKAKIN GAMESを一生見させられたり、、、。



・17時50分

母親が帰ってくる18時にという連絡が来た。

中々急だが、遊ばせてもらったし挨拶でもしておこうと思っていると(なにか起こるかもしれないし)、

ガキは「お母さん帰ってくるから!じゃーねー!」と言って家の中へ入ってしまった。


「知らないおじさんには付いていくな」という言葉はよく使われるが、
この男の子、「知らないおじさんを家に連れてくるな」は出来ている。
偉い。


お母さま、この場をお借りして挨拶させていただきます。
ありがとうございました。







・初の近江牛


・18時

男の子の家を離れ、腹も減ったので近江牛を食べれる所へ向かう。
昼間に調べておいた、行ってみたいお店があるのでワクワクしながらチャリをこぐ。
まてまて、予算3万円はどこいった。


到着すると、まさかのお店は休日。
Googleマップには営業中って書いてあったのにー!


行く宛てが無くなったので、その場に立ち尽くす。

仕方ないので目の前にあった夢京橋キャッスルロードという古い街並みを歩く。


こういう古い街並み好きなんですよねえ



近江牛は基本的に高いお店しかない。

まあ食えなかったらマックでいいかーと思っていると、相棒がたまたま近江牛が食える安いお店を発見。

いい雰囲気っぽかったので入ることに。


早速料理を頼む。

僕は近江牛のハンバーグ。
相棒は近江牛のすき焼き。

お前ら旅なめんなよ。ガッツリ楽しんでんじゃねえか。


飯が到着。


おわーーー!
なんだよなんだよ!

たまんねーなおい!


相棒のすき焼き。


これはギルティですねえ。

間違いなく犯罪級。普通に高かった。

相棒もこの顔。

お前って、笑えるんだな。


なんかホッとしたのでこれだけでお金払った価値アリ。


食べた感想。

もちろん美味い。柔らかくてジューシーな肉に和風のソースがピッタリ。まじで一瞬で無くなった。


すいません期待してる皆様。
今回も美味しゅうございました。



・9時過ぎ


飯もたらふく食べたところで寝る場所を探す。

彦根、意外と寝る場所がない。


大垣城のように近くの広場とかで寝れるのかと思ったらまず暗すぎてそんな場所がどこにあるか分からない。

河川敷の方へ行くも、まじで暗すぎて分からない。


これはやばい。

一旦近場になにか行かないか検索する。

あった。

極楽湯と快活CLUBだ。

2強。


いやでも流石にダメ。
どっちか一択にしないと!!


ていうことで快活CLUBへ。

もうダメだ。
ごめんなさい。


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