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劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUMを観た。生存戦略しましょうか。


注意:当記事は「TVアニメ 輪るピングドラム」及び、「劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]君の列車は生存戦略」のネタバレを含みます。




「劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]君の列車は生存戦略」を観ました。
夢にまで見た輪るピングドラムの劇場版です。

一年前のクラファンの時から楽しみで楽しみで仕方なくて、普段は映画の前売券なんか買わないのに買っちゃうなどして、ずーっとずーっとウキウキでした。

映画館で、入場案内のアナウンスが流れるだけでなんか泣きそうでした。
なんとなく「運命の乗り換え」を思い出しました。泣く。

大切に、大事に楽しみにしていた作品なので、感想もちゃんと書きます。
ちゃんと……?


①冒頭について
「運命の至る場所」の駅名がドーンとスクリーンに映し出されるシーン。
背景が真っ暗な上に、劇場も真っ暗なわけなので、まるで自分達が「運命の至る場所」にいるような感覚になれてとてもよかった。

実写(?)とアニメキャラが共存するような表現も良かったです。オシャレ。
あのあたりはさらざんまいを思い出しました。もし、今の時代にピングドラムが生まれていたら、ああいう表現もたくさん含まれていたのかもしれないですね。


②荻野目桃果
可愛いな~~~本当にマジで。
登場シーン、あれって宝塚意識してるのかな。もしそうならゆりさんのことも思い出しちゃうネ。
ポーズや仕草がプリクリ様なのも、なんか色々考えちゃう。暫定プリクリ様の正体ですもんね。そりゃそう。

桃果がハッキング(?)されるシーンの演技、不穏ですごいよかった。


③プリンチュペンギン
すみぺの声でバキュバキュ言うし、歌は歌うし、可愛いね~~~~よちよちよちよち!!!
って思ってたのに、めちゃくちゃ怖いよこのペンギン。
最初と途中で中身一緒かはわからないけど、途中の中身は絶対アイツだし、すみぺの声でアイツが喋るの普通にホラーなんですけど……?
ただの可愛いだけのペンギンじゃないってコトね。理解しました。


④既存シーンについて(振り返り)
我々気の触れたオタクにとって、この映画は愛する本編の振り返りってわけなんですけど、改めて観ると、晶ちゃんへの苹果ちゃんの態度が可愛すぎる。

「出会わなければよかった」は、本当にただの告白すぎる……ゆりさんに指摘されるまでは本人に自覚はないし、あんまり態度にも出ないけど、苹果ちゃんにとって「苹果は苹果であって桃果ではない」ことをちゃんと口にしてくれて、事故の時も守ってくれて、もうそんなん愛してしまうしかなかったんだろうなぁ。
晶ちゃんにとってはなんてことない自然な言葉だったかもしれないけれど、苹果からすれば、あれはまさに「見つけてもらえた」ってことなのでしょう。

そうだとすると、後編で判明するあの過去といい、晶ちゃんは自然と誰かを「見つけてあげられる人」なんでしょうね。
勿論、彼がそうなったのは、多分冠ちゃんのおかげなんだと思うけども……(後編参照になりそう)


⑤9話の省略について
私はTVシリーズのピンドラの中で9話がすごい好きなんですけど、ここがごっそり省かれてましたね。
でも、だから残念ってわけじゃなくて、いやまあ欲を言えば眞利先生と陽毬のシーンはあのスクリーンでじっくり見たかったけれど、そもそもこの前編自体が9話みたいなものだったのが、すごい嬉しかった。

それこそ、序盤に高倉兄弟が水族館から図書室、そらの孔分室へ導かれるシーンは、9話をそのままなぞってますよね。
このへんの新カット、本当に良かった。愛してしまう。

9話自体、おそらく時系列としては0話みたいなものなので、そういう意味でもすごい良い構成だったと思う。痺れるね。


⑥総集編という立ち位置について
今回の映画は、総集編だけれど、初見でも大丈夫かと言われると自信がない。

私が観ていた映画館では、上映後に何人かがデカイ声で「何これ??意味がわからない!!」と叫んでいました。
見るからに、ピンドラに対して気の触れた彼女が、彼氏を同行させているような状態なんですけど、おそらく初見の彼らはなんかもう阿鼻叫喚でした。油断してたら笑っちゃう光景だった。

私もなんていうか、スタァライトでいうロロロみたいな感じだと思ってたんです。
実際、キーパーソンが本編を振り返るって感じの構成は、ピンドラもロロロも同じでよく似ています。
でもピンドラの場合は情報量が多くて、あの120分間で初見が受け止めきれるのかな…?って感じ。

だからこそ、一年間かけて、再放送したり色々手を打って新規を集めていたんだろうな…。

まあとはいえ、もともとピンドラって誰に対しても初見殺しみたいなところがあるので、こんなもんなのかもしれない。これを初見で受け止められる人は、多分ピンドラのオタクの才能があります。極めましょう。イクニ作品向いてるよ多分。


⑦結局どうだったの?

面白かったです。贔屓なしで。
元々気が触れてるからこそ、見やすいテンポで振り返ってくれて、懐かしい気持ちになりました。
カットされてるシーンも多いから、TVシリーズでたくさんばら蒔かれていたような伏線がないのは寂しかったけど、でもくどいところもかなりまとめられていて、本当に見やすかった。

強いて言うなら、晶ちゃんが誘拐される話の作画は新しくしてほしかった。あの話の作画、めっちゃヤバイのに円盤でも未だに修正されてない…
でも振り返りだとすればそんなもんかな~とも思う。

音楽も、多分ちょこちょこ本編と違うの流れてたよね?ああいうのはすごい再生産!って感じがして良かった。

とにかく気の触れたオタク向けだった。



後編は7月ですよね?3ヶ月は痺れてしまう……。
結末知ってたとしても長いなぁ。眞利先生の登場で終わるの、「何が起こるんです?」って気持ちになれてすごく良かったんだけど、先が気になってしまう。結末知ってるのに。

早く見たいのは、終盤の晶ちゃんの例の台詞ですね。
木村良平の声帯で発せられたあの台詞に、私はかれこれ10年近くとらわれたままです。
あのスクリーンで観たすぎる。

よく言われるのが、ピンドラは後半が本番ということ。
本当にそうで、輪るピングドラムの異色な点として、前半と後半で雰囲気がガラッと変わるんです。

だからこそ、もし前編が辛かった人は、劇場版の後編、或いは本編の13話(14話?)くらいから見てみてほしい。
多分何人かは人生狂います。早く気を触れたオタクになってほしい。大歓迎です。


なんかもう、本当にピンドラを劇場で観ることが出来たのが幸せです。
こんな奇跡はなかなかないよ。

選んでくれてありがとう。

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