作品づくりのこと

こんちには世界

お目汚しになるようなことを書くつもりなんだ、何様だよと言われても仕方のないことを書くから、気分を害するようであれば、ここで先に御免と言っておきます

普段、僕は毎日「ジャンプ+」で漫画を読むのが趣味でさ、連載から読み切りまで色々読んでる

するとな、連載に向いてる漫画、読み切りに向いてる漫画ってのが、なんとなくわかるようなってくる

タダで読ませてもらってる作品だから、わざわざコメント残して文句言うようなことはしないさ

けど、「読み切りだけど、連載したら良いのに」って作品、「これ連載するのはちょっと難しくないかな、読み切りなら綺麗に終わるんだけど」って作品、読んでるとついそんなことを考えてしまう

それが悪いこととは言わないでおく。作品をお金に換えることを考えたときに勿体ないなと思うだけで、素質に合うことばかりが当人のやりたい事じゃないだろうし

具体的な話、しよか

僕個人が思う、連載に向く作品がどんなものなのか、どんな要素をクリアしておく必要があるのか。大雑把な話だから、与太話の域を出ないんだけどね

まず一番に必要なのは、舞台設定。当たり前だけど、正直一番難しい。人が踊る舞台を作るんだから、一番手間も時間もかかる

現代日本ですと言い放って終わらせても良いけど、それなら都道府県、市区町村レベルまでしっかり設定した方が、話を作りやすい。連載は沢山エピソードを作らないといけないから、綿密に練られた舞台設定は、大きな助けになる

人気な作品で言うと、「僕のヒーローアカデミア」が天才的だと思うな

君もヒーローになれる

このセリフ、作品を読んだ読者にも言ってくれてると思うくらいでさ。読んだ人の空想が生み出したヒーローだって、ヒロアカの世界で暮らす姿を想像できてしまう。そんな抜群の包容力を、あの力強い舞台は持ってると思うんだ

無限のエピソードを生んでくれる世界、創作をやってみたことのある人間なら、憧れちゃうよね。得ようと思って、得られるもんじゃないんどけどね

2つ目は舞台の上で生きる人達

舞台設定がクリアできてる前提の話になるんだけどね。要は「ヒーローとヒロイン、あとはその他大勢」じゃダメだって話

視点の切り替えとはまた違う話でさ、その世界で生きてる人を描けるかどうか、主人公じゃない人間を、1人称、2人称、3人称の視点でキチンと描くことができるか

難しいよ、できなくても物語自体は作れるけどね。でも長い連載には欠かせないと思う

ヒーローとヒロインのたった二人の物語を描き続けるのは、非常に苦しい。別の人物に焦点を当てることで、引き出しを増やす助けになる

特異的に素晴らしい例は「ハリーポッター」

すごいよ、正直ハリーポッターの本当の魅力は、映画だと3割も発揮されてないって思うくらい(映画は映像化として極めて大成功した例なんだけどね)、人物同士の関係性、繰り広げられてきた歴史、大勢いる人間の立ち振る舞いってのが、非常に良く研究されてる

あれを真似しろとは口が裂けても言えないくらい素晴らしいけど、好調に連載が続く作品は、他人に対してネガティヴ、ポジティブな感情に関わらず凄く興味を抱いてるのがわかる

(なんとなしに太古の時代から社交の世界で戦ってきた歴史のある、女性の方がこれは得意な気がしてるよ)

最後3つ目、目的

これもう本当に大事だと思う。言われなくてもわかるだろうけど

僕が「この作品、連載するの難しそうだな」って思う部分の大部分はこれだぁね

序盤の方に主人公の目的が開示される、そこまでは良いんだけど、なんとその目標、第一話にして達成!みたいな作品が意外と多くて。その後は漠然とした目標に向かって進んでいく

話の支柱になるものだから、これが最初から最後まで、徹頭徹尾続いてくれないと困るわけで

「ハリーポッター」、ヴォルデモート卿との決着が気になって全部見たろ?

「ONE PIECE」、滅茶苦茶長いけど、海賊王になるまで目を離せないだろ?

具体的で遠大な目標、長い連載はそこへ向かうための軌跡を描いたものであってほしいよね


さて、ここまで長々と偉そうに講釈垂れたわけだけど、これだけ好き勝手言った僕は、上記のことをやって見せてくれるのかいと、そう思うだろう

できたらやってる

応とも、僕にこんな難しいことが務まるかい

上のことを当たり前に、言われなくともやってのけるから、売れっ子作家ってのは天才なんだ

別に、上のことができないからって、連載諦めろ、漫画向いてない、そんなふうに言いやしないよ

天下の集英社で連載して売れっ子になる、そんなごく一部の例に必要だろう無数にある要素を絞って語っただけで、描いた漫画を掲載する媒体、ターゲット層、漫画のそのものの様式、そんなのは無数にあるし、型にはめず考えたら、まだまだビジネスチャンスは転がってるんだから

大それたことを言いたいわけじゃないんだ

僕が作品を作る、その時のための話をしたいだけなんだ

ぼかぁ昔、小説家になりたかった

でもな、勉強とゲームしかやってこなかった成人してない若造に、そんな魅力的な話が書けますかと

当然ながら否、ちょっと歳食った今だって、先に提示した条件をクリアして、物語を作るってことは難しいと思う

なんで作れないかって、その1番の原因と言えば、さっき書いた「目的」ってところなんだよ

ぼかぁ、何でもないからさ

ぼかぁ何者でもない。なんの目的もないまま勉強だけして、挫折して世界に取り残された人間だ

「目的」ってのはさ、『人間が成長した結果にあるもの』だと思うんだ。地位でも、実感でもなんでも良いんだけど

僕は、頑張って何かになった試しがない

何かを勝ち得たためしもない

その経験の欠如がさ、物語を作る上で、具体的なゴール、ラストシーンを想像する上での妨げになってる

主人公の動機を問うたときに、こいつが何をしたいと思っているのか、自分でサッパリわからないんだ

僕はまだまだ道半ばなんだと思う

漫画ってのは、自分の人生を脚色して描き出してやるもんだからさ、一度もゴールテープを切ったことがないなら、物語のゴールラインを想像することなんてできやしない

だからさ、先延ばしすることにしたんだ

僕が頑張って、何者かにでもなれたとき、そん時が、僕が物語を描き始めるときだと思うから

生きながらにして地獄を見てきたからさ、全く空っぽの人間ではないんだけど、もうちょっと足りないんだ

どうせなら、面白い物語を作りたい

その日が来る時までに、頑張るよ。今から頑張って準備して、いつでも取り掛かれるようにしたい

プロローグは始まってる、今度こそゴールテープ切るからさ

待ってなよ、世界

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?