COVID19で漢方が貢献できる事
ツムラ勉強会 急性期治療に役立つ漢方
熊本赤十字病院 加島雅之先生
ER救命救急センターで勤務しているが漢方を利用している
年間DRヘリ546件救急6万超え
漢方は急性疾患にも有効
慢性疾患だけではない
傷寒論が出来たころ今のコロナと同じ感じ
10年で親族の7割が流行り病で亡くなった
こういう悲惨な状態を救いたいと傷寒論を書いた
漢方の得意な部分
回復の過程のサポート
食べて⇒消化管異常 食欲不振
寝て ⇒不眠 せん妄(特に低活動)
動いて⇒可動域制限呼吸困難
苦痛を除く⇒疼痛管理 フラッシュバック
蜂窩織炎 水溶性下痢 脳転移の脱力 腹部通(ガス)
血の病態 発熱血球減少 有効例を聞きましたが今回はCOVID19にまとめは絞ります 要望あれば次回
保険適応上上気道炎 咳で使用できる漢方
COVID19の診断前の状況で通常の上気道炎からCOVID19まで網羅的に対応可能
軽症患者がマスクされる可能性があるため漢方使用後はCOVID19の診断を確定させる努力を行う
観察研究
インフルエンザの同時流行にも備えなければいけないが流行しないかも?
南半球が冬の時に流行が無かった
人の移動が少ない 渡り鳥が持ってくる可能性も少ない
COVID19の諸症状に対する漢方治療
解表法:麻黄+桂皮⇒疏散(蘇葉 麝香 柴胡 細辛 厚朴 麻黄)
疏散は中程度以上で10-14日以上軽症例5日以上
石膏は38度以上の発熱が持続する場合は使用
虚が背景にあれば補気
瘀血があれば対処
化痰は回復期を中心に
COVID19 第一ステージ
発汗が無い場合 葛根湯+小柴胡湯
発汗があり咳がある 参蘇飲
冷水を欲しがる または口喝があり咽頭痛が強い場合
⇒+桔梗石膏
口喝感があり激しい咳⇒五虎湯
悪寒または熱感あり胸痛または胸部不快感⇒柴陥湯+半夏厚朴湯
胸痛無い場合粘稠痰無い⇒柴朴湯 +は竹筎温胆湯
悪寒または熱感無し 参蘇飲
上記処方に加えて
口喝熱感が強い 且つ咳嗽が強い場合 五虎湯
口喝熱感が強い 且つ咳嗽が強くない 咽頭痛は強い+桔梗石膏湯
第二ステージ
悪寒または熱感あり胸痛または胸部不快感⇒柴陥湯+半夏厚朴湯
胸痛無い場合粘稠痰無い⇒柴朴湯 +は竹筎温胆湯
悪寒または熱感無し 参蘇飲
上記処方に加えて
口喝熱感が強い 且つ咳嗽が強い場合 五虎湯
口喝熱感が強い 且つ咳嗽が強くない 咽頭痛は強い+桔梗石膏湯
行が見られない 人の移動が少ない インフル絶滅危惧種?
(渡り鳥がもってくるのはレアケース)
漢方なら両方効果がある
COVID19
特徴 熱以外症状が無い事も多い
気道症状が無いのに肺炎が進んでいる事がある
体が痛いなど神経症状出やすい
葛根解肌湯:葛根湯+黄芩
温病 自行寒疫 頭痛項強 発熱悪寒 骨節煩痛
スペイン風邪の時使用 浅田家柴葛解肌湯:葛根湯+柴胡+黄芩半夏 石膏
太陽病と少陽病の合病 頭痛 鼻乾 口喝 不眠 四肢 煩痛 脈洪数ナル者ヲ治す
中等度以上 の重症化抑制
後遺症抑制のためのい試案
実際の治療例
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200430_3.pdf
中等度以上で38度以上発熱持続
または十分に発汗していない場合は第一ステージの治療をして発汗後本フォロー
基本処方 五虎湯+柴朴湯
胸痛又は胸部不快感 五虎湯+柴陥湯へ変更
下痢胃腸障害あり 五虎湯+参蘇飲
粘稠痰あり 五虎湯+ 竹筎温胆湯
酸素化が急速に増悪または精神症状がある場合は+サフラン1.5g~3g/日
中等度以上で38度未満に解熱後3日以上経過
症状に応じて適宜減量するのが望ましい
基本処方:補中益気湯+ 竹筎温胆湯 + サフラン1.5g~3g/日
再発熱をきたす場合は桔梗石膏湯(発熱のみ)または五虎湯(咳嗽も強い場合)を上記に追加
回復期
基本処方:人参養栄湯+ 竹筎温胆湯 +サフラン0.9~1.5g/日
漢方の病院での活用
*漢方が得意なところから始める
*漢方は治る事へのサポートに優れる
*本格運用できれば可能性が広がる
以上ツムラさん 加島雅之先生に感謝いたします
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