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知的な「驚き」を誘発する、7月後半のゲンロンカフェイベントをまとめました!

こんにちは!ゲンロンのアルバイトスタッフの青山俊之です。ゲンロンカフェでは、月7, 8回ほどのトークイベントが催されています。ゲンロンカフェの魅力には、「有料」、「長時間」、「熱量」などが挙げられています。どのようにトークイベントに惹きつけられるか、あらためて自分の場合を考えてみると、「観察」と「思考」の経験を求めていました。

純粋に知識や情報を求めるのならば本が効率的です。けれども、トークイベントでは、登壇者その人自身の人柄に加え、登壇者が本を執筆する背景や主張を提示する身振りを「観察」することができます。そうした観察するモードでトークイベントに参加していると、知識や情報を得ているというよりも、自ずと「思考」が進みます。例えば、「この人はこういう人生を歩んできて、こういう性格で、だからこういう問題意識を抱いて、こういう言論を発しているんだ」とか、トークイベントをフックとした意味の網の目のようなものが見えてくることがあります。

こうした見えているものから、少しずつ「別の見えなかったものが見えるようになる」、いわば「驚き」の経験の創出。トークイベントでは、さまざまな文脈を生きる人々の掛け合いから、その「驚き」が生じやすいように思います。そんな世界の解像度を少し高める、7月後半のゲンロンカフェのトークイベントをご紹介します。

7月後半のカフェ開催イベント

7月15日 (金) 19:00 - 22:00
星野博美 × 上田洋子
すべての道は五反田に通ず──町工場から見た戦争と戦後【『世界は五反田から始まった』刊行記念】

本イベントは、7月20日から全国発売の『世界は五反田から始まった』の刊行記念として実施します。イベント名の「すべての道は五反田に通ず」は、著作の題名に負けず劣らずの「よくわからなさ」は著者の星野博美さんも認めるところ。星野さんはこう述べます。

しかし、これらにおずおずと「私の」を加えると、文章は成立する。「私の」世界は、祖父・量太郎が1916年、五反田に上京した時から始まり、「私の」世界では、すべての道やすべての鉄道は五反田に通じていた。

イベントページ | 登壇者の星野博美さんより

『世界は五反田から始まった』は、故郷の五反田と町工場の家族、さらにその土地と人々が経験した戦争を描くノンフィクション作品です。星野さんは続けます。

わが家には、こんな家訓がある。

「ここが焼け野原になったら、ただちに戻り、杭を打て」

その真意は何なのか。そこからどんな風景が見えるのか。
五反田を舞台に、「戦争のある日常」を考えてみたい。

イベントページ | 登壇者の星野博美さんより

イベントは、ロシア文学者・ゲンロン代表で、本書の編集も担当した上田洋子を交え、「社会主義」のイメージの変遷に関するトークも展開される予定です。

7月21日 (金) 19:00 - 22:00
川原伸晃 × 上田洋子
猫と植物──ネコデウスからクサデウスへ

某話題の「猫と植物──ネコデウスからクサデウスへ」は、猫を愛する上田洋子と、シラスのチャンネル「RENプランツケアチャンネル」を配信する園芸家・川原伸晃さんのトークイベントです。

SNSを賑わす猫たちの盛り上がりを受け、ゲンロンαにて大山顕氏『新写真論』の宣伝という名目で「写真を変えるねこたち」コーナーが爆誕(2020年5月)。2021年末には同コーナーのタイトルが「ネコ・デウス」に進化しました。そんな人間にとって家族化している猫の写真収集を指示するゲンロン代表・上田に対するは、次なる「植物」の家族化を問題提起する園芸家・川原伸晃さん。

川原さんはペット産業が園芸産業の先駆形態であろうと考え、長年ペット産業の観測を続けてきたそうです。コロナ禍で増加する都市生活者にとってのパートナーとしての「植物」。そんな新たな植物の家族化は、「ホモデウス」から「ネコデウス」、そして「クサデウス」へと至るのか……?さまざまな意味で必見です!

7月25日 (月) 19:00 - 22:00
佐藤究 × 小川哲
小川哲の文学BAR#4善悪の彼岸と文学──『爆発物処理班の遭遇したスピン』『地図と拳』W刊行記念

※ 本イベントは、会場は無観客、放送のみの開催です。

SF作家の小川哲さんがホストを務める読書トークシリーズ「小川哲の文学BAR」第4回は、小説家の佐藤究さんをゲストにお招きします。佐藤さんは昨年『テスカトリポカ』で第165回直木三十五賞と第34回山本周五郎賞を受賞し、大きな注目を集めました。佐藤さんの著作『爆発物処理班の遭遇したスピン』(講談社)に加え、小川さんもおなじく6月下旬に最新作『地図と拳』(集英社)を上梓。

今回はおふたりの最新作『爆発物処理班の遭遇したスピン』と『地図と拳』をそれぞれ読み解き、執筆の裏話なども伺いつつ、小説や物語の最前線についてたっぷりと語り合っていただきます。どうぞお見逃しなく!

7月29日 (金) 19:00 - 22:00
鈴木琢磨 × 辻田真佐憲 × 西田亮介
記者は政治家とどう付き合ってきたのか──メディア戦略から政治を読む #6

最後に紹介するのが、近現代史研究者の辻田真佐憲さんと社会学者の西田亮介さんの連続トークシリーズ「メディア戦略から政治を読む」の第6弾「記者は政治家とどう付き合ってきたのか」です。同シリーズは、2018年4月から2020年9月まで5回にわたって開催され、2021年1月に『新プロパガンダ論』として書籍化されました。約2年振りとなる本イベントには、ゲストに毎日新聞編集委員の鈴木琢磨さんをお招きします。

鈴木さんは、他の記者では得られないコメントを取ってくる毎日新聞の名物記者として有名です。昨年9月に辻田さんのチャンネル「国威発揚ウォッチ」にゲスト出演した際には、当時自民党総裁選候補だった高市早苗氏に番組中に電話をかけ、高市氏が急遽電話出演する場面もあったとのこと。

記者は政治家とどのように付き合うべきなのか? SNSの普及やコロナ禍を経て、メディアの取材方法はどう変わっていったのか? メディアは権力批判の役割を担い続けられるのか?(あるいは、担うべきなのか?)

これらの論点に対し、昨今の安部元首相の殺人事件をめぐるメディア対応など、時事的な議論が活性化することが予想されます。こちらもお見逃しなく!

会場限定で「ミニのぼり」が販売開始!

会場ではシラスでお好きな番組を視聴できるクーポン付きのカード、「シラカ」を限定で販売してきました。イベントの続きを観ながら帰れたり、別の気になる番組を視聴したりできるお得なクーポンカードです。

この「シラカ」に加え、会場では「ゲンロンカフェ」と「シラス」のミニのぼりを販売開始しました!お値段は1,500円です。

単行本縦2冊分ほどの卓上サイズ

なかなかかわいらしいサイズ感のミニのぼりとなっています。オンライン視聴でも気分を整えるアイテムとして、なかなか良い味を出してくれそうです。ぜひご検討ください!

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