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越境的な人・社会・知と出くわす8月前半のゲンロンカフェをまとめました!

こんにちは!ゲンロンのアルバイトスタッフの青山俊之です。東京はめちゃくちゃ暑いです。思わず自分は影を探してしまい、時に影に留まりながら歩く今日この頃です。日光も大事ですが、ぼくみたいなひ弱な人間には影が必要です。もちろん、動植物にとっては雨も大事。ところで、太陽あってこその地球ですが、意外なことに月も地球にとって大事な役割を果たしているそうです。月が地球の衛星から離れてしまうと、①引力が弱まり地球の自転がスピードが速くなり一日の時間が短くなる、②地球の地軸の傾きが不安定になり気候に影響を与える、などがありえるそう。

「世界」ってやつは、いろんなものが引き合う力がはたらいて整えられているものなんですね!見えない力がうごめく摩訶不思議な世界ってやつを知るためには、さまざまな越境知が必要なことでしょう。

というわけで、さまざまな越境的な人や知が交わるイベントが目白押しなのが、8月前半のゲンロンカフェです。暑さにめげず、知力・体力を養うゲンロンカフェのイベントをご紹介します。

8月前半のゲンロンカフェ

8月4日 (木) 19:00 - 22:00
ロバート キャンベル × 浅子佳英 × 石戸諭 × 後藤洋平
文学は服飾を刺激する──シン・ファッション文化論 #3

建築家の浅子佳英さん、ノンフィクションライターの石戸諭さん、朝日新聞編集委員の後藤洋平さんによる人気のファッショントーク、シリーズ第3弾が「シン・ファッション文化論」としてリニューアルいたしました!3回目のゲストには、日本文学研究者のロバート キャンベルさんをお迎えいたします。

二部制の本イベントは、前半はキャンベルさんにとっての文学とファッションの関係を中心にトークを行い、後半は浅子さん、石戸さん、後藤さんのホスト3人と来場者の皆様との交流プログラムを実施する予定です。

ゲストのキャンベルさんは、テレビメディア出演にあたっても自ら服を選ぶほどのファッション通です。そんなキャンベルさんのこだわりをテレビ映像から見抜き、インタビュー取材を行ったのが後藤洋平さんです。そんな後藤さんによる企画「My Style, Myself」(朝日新聞掲載デジタル)自分で選んだ服を着こなし、メディア出演するシリーズ記事には、石戸諭さんもインタビュー取材を受けています。さまざまな縁や好みが重なる当イベントでは、「服飾を刺激する文学」のさまが垣間見えるはず。ご期待ください!

8月8日 (木) 19:00 - 22:00
岡田憲治 × 速水健朗
半径1キロの世界から考える日本の組織──『政治学者、PTA会長になる』刊行記念

『政治学者、PTA会長になる』(2022年2月)の刊行記念として実施するのが、「半径1キロの世界から考える日本の組織──『政治学者、PTA会長になる』刊行記念」です。書籍『政治学者、PTA会長になる』はそのタイトル通り、フルタイムで大学勤務する政治学者・岡田憲治さんがPTA会長になった経緯やその活動を、任期を終えた段階で振り返るものです。

『政治学者、PTA会長になる』の冒頭では、千差万別の地域・人・制度のもとで「学校の数だけ」異なった「PTA」が存在しています。言うなれば、半径1キロの世界(≒学校区域)で無数に存在するのがPTA。そんな無数に展開されるPTA、その一事例の自治活動を政治学者である岡田憲治さんがどのように経験し、捉え返されてきたのでしょうか。文学からビジネス、スポーツまで、様々な組織や意思決定の裏側や社会のあり方を分析してきた速水健朗さんを対談相手に迎え、岡田さんの奮闘劇から日本の組織について考えるイベントです。

8月11日 (木) 14:00 - 16:30
池田嘉郎 × 辻田真佐憲 × 上田洋子
クリミアから見る戦争と平和──戦闘、療養、観光

当イベントは、東京大学准教授でロシア・ソ連近現代史がご専門の池田嘉郎さん、近現代史研究者の辻田真佐憲さん、ゲンロン代表でロシア文学者の上田洋子の鼎談イベントです。テーマは、クリミア。池田嘉郎さんは、ウクライナ東部の日常を描くセルゲイ・ロズニツァ監督『ドンバス』について毎日新聞から受けたインタビューでこう述べています。

ウクライナ侵攻は今年2月に始まりましたが、ウクライナの人にとっては突然起こった出来事ではありません。14年にロシアは南部のクリミアを併合し、東部の親ロシア派勢力を後押しして、かいらい国家をつくった。その時点で『戦争』は始まっていたのです

『毎日新聞』2022年7月11日夕刊

このイベントでは19世紀のクリミア戦争から、クリミアという土地の歴史と、戦争が土地に対して生むものについて考えていきます。
イベントに登壇する3人は、ロシアのウクライナ侵攻のまさに直前、今年2月23日、辻田さんの「国威発揚ウォッチ」と上田の「ロシア語で旅する世界УРА!」のシラスチャンネル合同企画として「ロシア人は〈軍事大国日本〉をどう見てきたか」と題した鼎談を行いました。日露戦争から第二次世界大戦までの歴史のなかで、日本はロシアを、ロシアは日本をどう見てきたのか。池田さんからはロシアの諷刺画、辻田さんからは日本の流行歌が紹介されるなど、イメージやプロパガンダを比較しつつ幅広い議論が展開されました。戦時下の状況だけでなく、戦争のあとの保養地の形成や観光についてなど、広い視野で議論を広げていただく予定です。どうぞご期待ください。

8月13日 (木) 19:00 - 22:00
石戸諭 × オグマナオト × さやわか
夏だ! 野球だ! 甲子園だ!──水島新司とスポーツドラマ

夏の風物詩を代表するものの1つである「甲子園」。甲子園は、高校野球の晴れ舞台でもあり、プロへの登竜門としても知られ、さまざまな試合中のドラマと観客の熱狂を生み出してきました。日本社会で野球が広く親しまれる要因に挙げられるのが、この「甲子園」と「野球マンガ」です。

「野球マンガ」の第一人者で知られる水島新司さんは、今年1月に82歳でこの世を去りました。水島さん自身も複数の草野球チームで活躍するなど、野球に対する深い愛情と鋭い洞察で知られています。ライター・構成作家のオグマナオトさんの近著『日本野球はいつも水島新司マンガが予言していた!』では、『ドカベン』などの水島マンガで描かれたプレーや出来事が、その後、高校野球やプロ野球で実際に起きたことを挙げ、フィクションと現実を横断する水島マンガのダイナミックな魅力に迫っています。

今回ゲンロンカフェでは、オグマさんにくわえ、甲子園と水島マンガに並々ならぬ思い入れがあるという、ノンフィクションライターの石戸諭さん、物語評論家・マンガ原作者のさやわかさんによるトークイベントを開催します。石戸さんは毎日新聞の記者時代には高校野球の担当をし、さやわかさんは1年のコンテンツをランキング形式で紹介する人気企画「さやわか式☆ベストハンドレッド」でも、甲子園の試合を度々ランクインさせています。今年2022年の夏の甲子園は、3年ぶりに一般の観客を入れての開催が予定され、また水島マンガの代表作『ドカベン』が連載開始50周年の節目でもあります。そんな年に、甲子園、そして水島マンガをどのように語り尽くすのか。絶好の機会となるゲンロンカフェのイベントをお見逃しなく!

ゲンロンカフェで近日開催予定のイベント一覧

始動、『ゲンロンアーカイブス』!

さて、続々と新たなイベントが企画されているゲンロンカフェですが、8月から新企画「ゲンロンアーカイブス」が始動します!ゲンロンアーカイブスとは、これまでゲンロンカフェで放送したイベントのアーカイブ動画を月2本、シラスの「ゲンロン完全中継チャンネル」で配信する企画です。このゲンロンアーカイブスでは、2020年10月に開始されたシラス以前のイベント動画も「シラス」上で配信していきます。つまり、過去のイベント動画を新しいシラスのコメントシステムと併せて視聴することができるというわけです。

そんなゲンロンアーカイブスでは、これまでの動画の再配信を機会に、スタッフも観客のみなさんとの新たなやりとりも生み出していければと考えています。「ゲンロン完全中継チャンネル」の月額視聴ユーザーのみなさんはもちろん、イベント動画ごとの都度課金による視聴ができます。下記の放送(シラスにおける放送はこちら)では、ゲンロンアーカイブスに加え、本記事で紹介した8月のイベントが紹介されています。どんなイベントなのかを知るにあたっての流し聞きにもおすすめですので、ぜひご視聴ください!


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