見出し画像

【ネタバレなし】原神3.0は継ぎ足し以上の進化を魅せた【スメールインプレッション】

2022年8月24日に原神のver3.0がついに配信ッ!
改めて説明すると、「原神」は中国のゲーム会社miHoYo(及び子会社であるCOGNOSPHEREのブランド展開であるHoyoverse)の配信する基本無料のオープンワールドRPGでありサービス開始当初のver1.0では2つの国を行き来することができた。
メジャーアップデートごとに新たな国(エリア)が追加されることが宣言されており、2.0では和風の島国「稲妻」がリリース、今回の3.0では知恵と草元素を司る「スメール」が実装された。

今や原神は欧米やアジア全域を含む世界中で人気作となったが、ゲーム内容においても全てが完璧──とはいかず、いくらかの批判も散見される。
ストーリーのプロットや脚本は上手くいっているか。世界観に厚みを感じられるか。育成や戦闘バランスは難解になっていないか。
ファンのサガというべきか、配信型のゲームは内容が常に変動するために、プレイヤーは作品にのめり込めばこむほどその行く先を過剰とも言えるほど悲喜こもごもに見つめるようになる。

個人的にも2.0以降の物語構成のまとまりの無さやコンテンツの過剰で荒削りな詰め込み方に問題を感じていた…。
そんな中待望の3.0がリリースされ、私は身勝手な「心配」を胸にスメールを訪れることとなった。
だがスメールは改善につぐ改善にとことんまで新要素を追加し洗練させた、正に3.0というべき進化の姿であった!

スメールのシナリオはスゴイ・わかりやすい

まずスメール全体のシナリオ(魔神任務・伝説任務・世界任務)をプレイして実感したのは、会話文やストーリーラインの整理整頓が行き届いてるということ。
“原神名物”の回りくどい言い回しや、同じ言葉を何度もオウム返しするパイモンのセリフなどが大幅に減少している!
スメールに入ってまず始まるティナリとコレイとの出会いは、魔神任務ながら主人公の目的とさほど関わりのない「本筋外」の出来事とも言えるが、内容には無駄がなくスメールという国の文化や歴史を興味深く知ることのできるパートとして洗練度の高さを感じられた。
また、今回はある程度で物語に区切りがつくと焦点のあたっていた人物や舞台とは一度別れを告げ、新たな場所へ案内されることとなる。
この「バトンタッチ」の流れが非常に洗練されており、人と場所・考えるべき問題がスムースかつ明快に遷移していくために、プレイヤーは混乱せず物語の状況や目的を把握できるようになった。

画像4

3.0で完結する要素、そして依然として残る謎がしっかりと区別して明言化されるため、魔神任務を通して今回なにが解決して何がまだなのか、今後の展開はどうなるのか、プレイヤーが情報をきちんと整理できるようにもなった。(稲妻の珊瑚宮~淵下宮あたりのぼんやり感の反省・改善がしっかりとできているのがわかる)
物語の舞台がスメールの入り口から始まり徐々に国の中央へと移り変わり、プレイヤーの探索を促す物語運びになっているのも正にオープンワールドの本懐だろう。

3.0のシーズンイベントもまずコレイがすぐ加入し、話全体が少なめなのも驚きだった。
イベント中ではティナリ、コレイの突破素材が大量に手に入りスタートダッシュに最適なものとなっている。
ゲームシステムとシナリオ、イベントの内容がしっかりとシナジーをもって噛み合っているのも、大きな進歩を感じる点であった。
(ところでイベントのタンジェが「回りくどい話で物語を台無しにするキャラ」なのは今までのシナリオに対する皮肉か?と少し思ったり)

作り手がシナリオのパワーを信じた魔神任務

それ以上に3.0の魔神任務が今までと大きく違う点は、「シナリオはシナリオで魅せるもの」という割り切りがしっかりと行われたことだろう。
ゲームジャンルの枠組みに囚われず魅せたいものをみせる!という決意を感じるようで今回の魔神任務には胸が熱くなった。

過去の魔神任務ではオープンワールド・RPGであることを念頭に、シナリオの合間にプレイヤーがキャラを操作・戦闘する流れが頻繁に存在した。
しかし体験としてはテンポが悪く、話が途切れ途切れになるため気が散りやすい。私個人としてもあらすじを忘れることがしばしばあった。
スメール編はこの反省からか魔神任務中のプレイヤーの操作シーンは大幅に減り、シナリオの進行は息もつかせぬ怒涛の展開を見せる。

人によっては操作時間が少ないことを不満に思うかもしれないが、個人的にはHoyoverseのこうした方針転換には拍手を送りたい!!
私見だが、メインシナリオというのはやはり「のめり込みたい」ものなのである。プレイヤーが自由の探索する時間は他にいくらでもあるし、このメリハリは重要だ。

画像3

何より魔神任務のシナリオ自体が今回は非常に優れている。
脚本が優れているというだけでなく、カメラワークや演出の他、新たな手法もガンガン取り入れて目で楽しませてくれる。
プレイアブルキャラ以外の物語の脇役たちが僅かながら固有の外見を持っていることも、ユーザーが長く要望していたことに応えた形になる。
細部まで意欲的で挑戦心に溢れた今回のシナリオ!その評価の高さは総合力ゆえだろう!
伝説任務も同様の改善が見られたことから、このクオリティの高さは「偶然」ではないと思いたい!

戦闘・探索の情報量と爽快感の両立

3.0でわかりやすく進化を感じられるのは戦闘と敵、そして探索要素だ。
まず3.0では信じられないぐらい新しい敵キャラが出てくる。いつもなら新エリアの敵は既存が7割、新規が3割ぐらいの感覚だったのが今回はまるきり逆転している。
動物多すぎ!キノコン多すぎ!エルマイト旅団踊りすぎ!

そして面白いのは野生動物、キノコン、エルマイト旅団は多様なバリエーションがあるにも関わらず、ドロップアイテムが統一されているという点だ。
野生動物は獣肉だけを落とすため倒す動機づけが強くなく、また体力も大幅に低く設定されている。戦闘の見返りが薄い代わりに襲いかかられても数秒で戦闘が終了する。
エルマイト旅団やキノコンもいわゆる「敵の硬さ」に関してはかなり緩く設定されている。

これらに共通して言えるのは、視覚的に情報量を増やしつつも、プレイヤーが戦闘で考慮することは少なくストレスがないということだ。
プレイヤーは魔物の生態やゲーム内の住民の生活を目で楽しみつつ、戦闘をフレーバーの範疇で楽しむことができる。
一方で「死域」での戦闘は熟慮しないと全滅する仕掛けになっており、プレイヤーに緊張感を持たせるアクセントとなっている。

画像3

光るクローバーによる移動は一見すると雷の種と同じギミックに思えるが、より強い爽快感を感じた。
違いとしてまず雷の種のような起動となる鍵が不要な点が大きい。また移動先を視界の中央に入れるというのは一見して手間が増えたように思えるが、実際は「次の行き先を視認してそこへ向かう様をスピード感をもって体験できる」という点で爽快感に寄与している。
雷の種ではプレイヤーが雷極に近いかどうかだけで判定がされているため、視界外にプレイヤーが移動してしまうためこの制御ができなかった。またボタン連打で移動できてしまうため、プレイヤーが移動の爽快感を得ず闇雲に移動できてしまっていたが、スメールではうまく解決できている。

ていうかマネーパワーだよ

3.0では既存の仕組みの練り直しやユーザーフィードバックの反映といった「工夫」が様々に見て取れる。
しかしこれはHoyoverseがある日突然ゲーム内容を良くすることに目覚めた…というわけではなく、これだけのことをやってのけるだけの開発規模をついに手に入れた、ということだと考えられる。
マップの作り込みはもちろん敵キャラも大量に増え、更に主要NPCに固有の外見はあるし、ギミックや話の進行でガラッと変化する背景も用意され、とても工夫やアイデアの一言では説明できない質と量だ。

画像4

中規模の街が一地域に複数点在しているのも初であり、この世界に人々が生きているんだという生活感も増した。
スメールシティに行ったあとオルモス港へ行くよう促され、大きな拠点がもう一つあることに驚いた旅人は多いだろう。
稲妻では紺田村や珊瑚宮の村などはあるもののスメールと比べると数も少なく小規模であった。
こうした密度のアップにも開発力の向上を感じられる。

進化を止めない、挑むことを止めない原神

今回はかつてなく世界観に厚みが感じられ、開発が今までやりたくても出来なかったであろうところにグッと踏み込んできている実感がある。
新エリアの追加というには収まらない、原神というゲームの規模が更に一回り大きくなった本当の意味でのメジャーアップデートであろう。

原神及びHoyoverseのゲーム作りから伝わる意欲的な熱意、「ぼくの考えた最強のゲームを作る」という強い挑戦心には心を震わせるものがある。
これだけ大きなゲームになりつつも実験的な試みを決して止めない、そして失敗を反省しブラッシュアップさせ必ずユーザーに還元する。

加えてスメール編はまだこれからマイナーアップデートで順次エリアとストーリーが解放されていくのだ。当分は楽しみが続くことになりそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?