別府の人皮装丁本はゲンシシャにあり

 書肆ゲンシシャでは「人皮装丁本(Anthropodermic bibliopegy)」を扱っています。

 スペインで1694年に出版された人の皮で装幀された書物です。中身はローマ教皇による宗教書です。

 傷口を縫合しており、皮はしっとりとした質感になっています。

 人間の皮で装丁された本が世界には存在しています。
 人皮装丁本は世界に百冊以上あるのだとか。フランス革命の頃に殺された貴族の皮で作ったり、処刑された犯罪者の皮で作る場合もあったそうです。
 日本人では画家の藤田嗣治がエクアドルの大統領の息子から贈られた人の皮で装幀されたスペインの書物を所有していました。

 「人皮装丁本」にまつわる逸話を紹介します。
 フランスの詩人が、恋人の夫人を愛するあまり、死後にその皮を剥いで、自分の努力の結晶である詩集を装幀し、永遠に彼女を記念しました。
 ロシアの詩人は狩猟で誤って自分の脚を撃ち、切断し、皮で装幀した詩集を恋人に贈りました。

 ぜひ別府の書肆ゲンシシャにてご覧ください。

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