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今日も元気に現金輸送 検定2級応援ブログ~(3)「特別じゃない我々」

▢特別じゃない我々

年齢がバレるので言いたくないのですが、私が子供のころ、『東京警備指令 ザ・ガードマン』と云う番組がありました。幼い頃の記憶ですので、記憶があいまいな部分が多く、ググってみました。

「1965年4月から1971年12月にかけて延べ6年9か月(全350話)にわたり、毎週金曜21:30 - 22:30に放送されたTBSのテレビドラマである」

主演は俳優の宇津井健さんで、その他にも当時大人気であった俳優の方々が出演されていました。やはり当時は大人気だったらしく、当時まだ幼かったはずの私でさえ、その番組を見ていた覚えがあります。おそらく再放送でしょうが。

警備会社を舞台にしたドラマであるのは、子供心ながら理解していましたが、番組を見ていた当時の私は、子供心ながら「あれっ?」と思った数々の内容がありました。

〇警察のような「捜査」をしている
〇活躍の場所が世界規模でスパイ映画の様である
〇拳銃を撃っている

誤解しないでくださいよ、皆さん。私はこの番組をディスるつもりはありません。
ここで私が言いたいのは、当時、父親から「警備員は警察じゃないから,
もしも俺が交通違反しても捕まえられないんだ」と聞いていましたので、びっくりしただけなんです。

犯人を捜すのは警察の仕事、スパイは007の様に国家間の諜報活動をする、拳銃を持てるのは警察官だけ。子供心ながら、これらが私の知識でした。

⇒だって、警備員は「特別じゃない」から



▢警備業務実施の基本原則

警備業法第15条から警備業務実施の基本原則を引用しますと、

第十五条 警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。

これらは新任教育の時に一番に聞かされた覚えがあります。皆さんもそうですよね?つまり

① 警察官のような特別な権限はない。
② 警備業務を行う上で、他人の権利や自由を侵害してはいけない。

以上の2項目を詳しく触れるとこうなります。
⇒私人のいわゆる管理権等の範囲内で行うことを注意的に定める
⇒刑罰法令等に抵触する行為はもとより、刑罰法令などに抵触しない行為であっても、他人の権利及び自由を侵害する行為、個人または団体の正当な活動に不当な影響を及ぼす行為についてすべて禁止
⇒警察官のような「職務質問の禁止」「取り調べ行為は行えない」「強制力をもつ交通整理は行えない」
※ただし自分の身を守るために、相手からの暴力は阻止できる

まあ、おそらく皆さんが警備員に持つイメージそのままの内容だと思います。乱暴な言い方をすると、

⇒「警備員」は「警察官」ではない。

⇒つまり、特別な権限を持っていない。




▢本日の結論

〇警備業法は、警備会社とそれに従事する人々に特別な権限を与えるための法律ではない。
⇒むしろ行き過ぎた行為を規制する法律

〇警備業法第15条に警備業務実施の基本原則が明記されている。
⇒特別な権限はない
⇒仕事上の行為で、他人の権利や自由を侵害してはいけない

〇警察官のような恰好をしているから、警察の仕事ができるわけではありません。それだと質の悪いコスプレイヤーになってしまいます。






▢細かい話ですが ~その3


私が2級検定を受験した時の事前講習で、「1962年(昭和37年)警備会社の始まりの代表的な会社は、セコムさんとALSOKさんだけど、実はその前に、神戸港で船舶貨物の保全警備を行っていた日本船貨保全株式会社さんが日本で初めての警備会社です」と、講師さんが教えてくれました。現在の大日警さんの前進です。



では、なぜセコムさんやALSOKさんが脚光を浴びているのか?

それはやはり、昭和日本の高度成長期の二大ビッグイベントによるものが大きいです

1964(昭和39)東京オリンピック、1970年(昭和45年)大阪万博、EXPO'70
この二つのイベントの運営を支えたのが、当時設立された数々の警備会社で、社会的な認知を得たのちに、ニッチな市場であった警備の分野が飛躍的な発展を見せたのでした。セコムさんやALSOKは、その当時の仕事を請け負い、見事大成功をおさめてので、社会的認知が大きく、その後の発展につながったのです。


その後、警備会社黎明期(昭和37年から昭和47頃まで)には、警備会社は儲かる仕事というイメージが浸透して、雨後の筍のように警備会社が増加しました。

その中には、社会的には受け入れがたい経歴を持つ人たちも多く、警備員は「用心棒」、という悪いイメージを世間に広める結果をもたらしてしまい、その後警備業法という規制がかかってしまたのです。


(蛇足)
※私は「用心棒」という言葉が悪いイメージを持つとは、警備会社に入るまで知りませんでした。映画ではかっこいいヒーローが多いので勝手なイメージがあったのですね。






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