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固定資産税評価者(当時)が語る二世帯住宅

昨日、voicyを聴いていたら、パーソナリティの関根FPさんが、「二世帯住宅の理想と現実解説」という題名で二世帯住宅について解説してました。

実は私、市役所に入って最初の配属が資産税課でして、家屋評価を5年間しておりました。なので、当時の思い出に浸りながら、関根さんのお話を聞いておりました。今日は、二世帯住宅を建てると固定資産税がどう課税されるのか、ご説明します。

  1. 二世帯住宅を建てると、固定資産税や不動産取得税が大きく軽減される
    住宅を建てると、土地や家屋の固定資産税や不動産取得税が軽減されますが、完全分離している二世帯住宅を建てると、この軽減が2倍になります。詳しくは、ヘーベルハウスさんのサイトが詳しいので、そちらをご覧ください。
    私の住んでいる地域も敷地が広い家庭が多いので、親の敷地に子供が別宅で家を建てて土地の固定資産税が軽減されたケースが結構ありました。

  2. 軽減は、完全分離している二世帯住宅のみが対象
    1.の軽減を受けるには、関根さんが後半で解説している、完全分離状態の二世帯住宅である必要があります。つまり、キッチン、お風呂、トイレ、玄関が2つずつあり、かつ完全分離してないといけないのです。この条件に満たさず、固定資産税や不動産取得税の軽減が2倍にならなかった残念な二世帯住宅がチラホラありました。

  3. 二世帯住宅にしても、離婚します😩
    これは固定資産税とは関係ないのですが、私の母の友達が完全分離二世帯住宅を建てました。1階が親、2階が息子夫婦です。しかし、水道光熱費を分離していなかったため、どちらが払うかで揉めてしまい、その他にも色々あったのでしょう、最終的に離婚してしまったそうです。😭
    こうなると、関根さんが指摘している通り、二世帯住宅は無駄に広くて持て余す事になりそうですね。

  4. 二世帯住宅なのに孤独死😱
    これも私の母の知り合いの話ですが、完全分離二世帯住宅を親が建てたのに、家族関係が悪くなって息子が引きこもりになってしまい、息子が部屋で死んでいるのに親が気づかず、発見まで2週間かかったという、信じられないケースが起こりました。関根さんも仰ってましたが、二世帯住宅のデメリットは、3.や4.のようなアクシデントが起きた時に柔軟に対応できない事ですね。

以上、私の資産税時代の思い出+人伝て話を書きました。私の考えでは、二世帯住宅は人口減少、少子高齢化社会の日本ではデメリットが大きすぎると思います。解決方法は賃貸に出す事ですが、他人を入れたがらない日本人には難しいでしょうね(家事代行サービスを私の妻も嫌がります、私はこのサービスやって欲しいのですが)。
夏目漱石の「こころ」では、金持ちの家に何人もの書生が同居して、最後は大家の娘と「先生」は結婚してますよね。こういうシェアハウスもいいのではないかと思いました。

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