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「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~」 (NewsPicks Book)刊行記念 佐渡島庸平トークイベントメモ

6月25日19時@代官山蔦屋書店で行われた、佐渡島さんの書籍刊行記念イベントに参加してきました。

この本の刊行イベントは6月11日以来、2回目なのですが内容は全然異なったので非常に面白かったです。

イベントは佐渡島さんだけでなく
最所さん

途中から幻冬社編集の設楽さんも参加したトークセッションとなりました。


今回はコミュニティ運営者が集まったこともあり、

「なぜオンラインサロンを搾取と感じるのか」
「コミュニティと文化の関係性」

などなど様々な話を聞くことができましたので、今回も復習を兼ねてメモをまとめました。

(今回もあくまでメモなのでレポートではない点はご了承ください)

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■「モノではなく体験を売ることになる」

最所さん:本の内容で1番印象的だったところ
P.96「モノではなく体験を売ることになる」のところ

最所さん:
今後はイベントで儲けるんじゃなく体験で売っていくと思う
佐渡島さんは出来ていますか?

佐渡島さん:
もっと出来ると思います。5%も出来ていない。
最近はどのようにモノを買ってますか?

最所さん:
最近はノールック購入が多い。
だから信頼できる人に教えて欲しい。

佐渡島さん:
欲望喚起されるものマスから変わってきた。
保険とか不動産商品はコミュニティ起点で売られることが多い


■コミュニティを作りたいという依頼が増えた

最所さん:
最近企業からコミュニティを作りたいという依頼が増えてきている。
そもそもコミュニティって作るべき?

佐渡島さん:
例えば「車を買いたいですか?」と聞かれた時、
想起される車は千差万別。
各メーカーや車種ごとにコミュニティの絆がある。

(ここで会場に質問、会場でコミュニティ運営している人はどれくらいいる?)
会場:
プラットフォームを運営しているが、どうすれば上手くいくか。

佐渡島さん:
プラットフォームならコミュニティは利用者という形ですでに存在している。ただ繋がってないだけ。

広義で考えた時に僕たちは地球や日本の構成員と考えることもできる。
つまりそのコミュニティに所属しているという意識があるかという強弱の問題。
ただコミュニティの定義も広すぎるから、コミュニティがどういうものかを自分達で定義し、設計していく必要がある。

例えばジャニーズの場合、地方ライブでは日帰り客が発生する可能性がある。
その際、日帰り客が先に帰れるように座席を配置している
→その意図は、帰りの電車でグッズなどの荷物を見て同じファンだと分かるようにするため。そこで会話が生まれたりすることを狙っている。

→ジャニーズは強いコンテンツありきと思われてるが、それだけじゃない。綿密な設計も組み込まれている。


■アメリカこそ参考にしているコミュニティ

最所さん:
佐渡島さんが最も参考にしているコミュニティは?

佐渡島さん:
アメリカ。
グリーンカード(永住権)を取るのはとても大変で、密入国者もいるくらい。
そしてコミュニティを表す言葉として、箕輪編集室「死ぬこと以外はかすり傷」だが、アメリカの場合は「アメリカンドリーム」。

成功することが国のルール設計として言葉に表れている。
だからアメリカと日本は、そもそも国単位でのルール設計が違う。
(日本は和をもって尊しと為す)

例えば、メルカリは第2の社長の集まりと言える。
社長経験者が多いからこそ文化の重要性を理解している、だから「Go Bold」という文化が、他社の人でも覚えているほど浸透している。


■コミュニティの古参問題

佐渡島さん:
コミュニティに古くからいる人は、新しい人が入ってくると安全を脅かされていると感じる。
→だから古い人の安心安全を担保する仕組みを作っておく必要がある

例えば、新しくゴルフ場の会員権を取得する際、
・既会員2人からの紹介が必要
・他のゴルフ場の会員権を2つ持っている…etc
(≒そこでの振る舞い方がわかってる)
など入る時の条件がある。
入る条件、ルールを作っておくことで同時に文化も作られる。

最所さん:
たとえば退会してほしい人が出る場合は?

佐渡島さん:
最初からルール化しておくべき。これをすると退会処置になるなど。
ただし、その人が良かれと思ってやっている場合、「健全な揉め事」として話し合いにする。
コミュニティを健全に保つために、定期的な話し合いや、異分子を入れてぶつかり合わせることも重要になる。


■ファンベースで重要な3つ

ファンを作る3つの要素として共感、愛着、信頼がある。

この要素はそれぞれ
・共感 → 熱狂
・愛着 → 無二
・信頼 → 応援(広めること)

それぞれアップデートすることができる。
(特定の人のイベントに1回参加することは共感だが、その人が好きで何回も参加することは熱狂に繋がる)
またこれらは独立しており、同時に発生することもある。


■既存コミュニティとゼロからのコミュニティ

コミュニティの育て方として、既にあるものと、ゼロから作るものは別。

例えば代官山書店の会場は、空きスペースを活用しており、最初からコミュニティの場として作られてない。
→いきなり「このあと飲みに行きましょう」とはならない。

書店として、人の流れ方とかトイレの場所とかは全て設計されてる。
→コミュニティの場合でも、場所を作るのはそういうこと。

会社の経営会議で、「さん付けかあだ名どっちがいいか」なども、会社の文化を決める上では非常に重要。
人はいじられると場に馴染みやすいが、容姿をいじるのはとても危うい。
→だから名前からいじる(あだ名で呼ぶ)という文化を作った。


先日、社員1,000人?の会社を経営する社長と話をした時、社長が「ゴミ箱の位置を決めてること知らねえんだよなぁ」と呟いてた。

ささいなことかもしれないが、社員がどういう振る舞いをするか(ゴミ捨て1つにしても)、どのように設計していくかで文化は全然異なっていく。


そしてコミュニティの育て方として、
・既存コミュニティの改善→どうやってLikerの熱意をあげていくか
・ゼロから作っていく場合→最初の人たちがCommitter

ゆっくりした成長スピードに我慢できるか。
(cookpad、食べログ、価格ドットコムなどは赤字だけどコミュニティだからゆっくり成長している)

例えば最所さんがnoteでバズって有名になった時は、誰がCommitterか見抜けない。(Likerではない)
フォロワーの少ない新人漫画家こそ、Committerである初期のフォロワーは重要視しないといけない。

ツイッターはLiker同士の交換
(いいねなど、有名な人が無名の人を拾ってシェアするのはLiker層をシェアしあっている)


■日常生活のエンタメ化

縄文など古い時代にキャンプの本は売れない。
マイホームが一般的な、この時代だからこそキャンプは人気で本も売れる。

つまり文明の発達に伴い、日常活動は切り出すことでエンタメ化することができる。
憧れの職業も切り出すとエンタメ化(お金を貰える)できる。

例えば先進国でキャンプをして喜んでいる姿を見ると、貧しい国の人は「あいつら喜んで野宿してるよ」と思う。

オンラインサロンもタダ働きだとよく言われるが、仕事を切り出して細分化しているからこそエンタメに成りうる。

だからサロンを成功させるためには、入り口を間違えちゃダメ。
(貧しい国の人をいきなり連れてきてキャンプさせたら怒る)
知的労働を定型化せずに提供するからこそエンタメ化できる。


■コミュニティにかかせない3つ

設楽さん:
コミュニティは個人に紐づいている?

佐渡島さん:
そんなことはない。
Twitterなどフロー型の情報だけの人はコミュニティを作れない。
ストック型(noteなど) かつ、フロー型(Twitterなど)を流しつつ、N対Nなどオフラインのイベントを運営している。
この3つが設計されていればコミュニティは作れる。
企業でも当てはまるところはあるが、それぞれが上手く連携していることは少ない。上記の3点がうまく連携できているのが今のところ個人なだけ。


例えばカフェマメヒコの檸檬ケーキ

美味しいけど檸檬汁は全部手で絞ってる。
→手作りだから生産量が決まっているのにお客さんがどんどん増えている。機械化して生産量を増やすかどうするかをファンと相談。
→ファン達が「レモン絞り隊」を結成することで乗り切れた。
(ボランティアにも関わらず、ファンも生産に関われることを喜んだ)


■佐渡島さんが思うコミュニティの上手い例

コミュニティ運営で1番うまいと思うのは堀江貴文さん。

HIUを通して堀江さん以外の人が何個もクラウドファンディングやってたりする。
自走しているコミュニティとして、とても面白いと思う。
あと昔はシャオミがうまかった(オンライン中心の時はコミュニティ戦略がしっかりしてた。本がおすすめ)

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メモは以上です。
簡単なメモなので、参加していない人には前後の文脈がなく、分かりにくい点があったかもしれません。

またイベントに参加した際はメモしていきます!

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