魔猫族2 hecto



夜になりました。

ふて腐れてる訳ではないけど、
外に出ていたい気分。

パパとママは今頃
バーグストランド州を出た筈‥
窓を開ける音がした。

そろそろ説明くらいしたらどうなのか。

 叔母「親が恋しくなってきた?」

‥‥ムカつく。

 叔母「聞いてなかったの?」
シイナ「家開ける事多かったから」
 叔母「そりゃ聞き辛いわね」
シイナ「今度は当分帰って来ないんでしょ」
 叔母「そうね‥て、普段会話しないの?」
シイナ「するけど?」
 叔母「喧嘩した?」
シイナ「する様な親じゃないよ」

シイナの表情が少し曇る。
何かしら他の理由あっての事だろうが
このままだと会話もし辛くなってしまう。

話題を変える。

 叔母「私さ、バントスで一緒に仕事してたのよ」
シイナ「え?パパとママと?」
 叔母「通信ビジネスよ。姉さん達が
    動かなきゃいけなくなってさ」
シイナ「あ、入れ替わる必要があった‥」
 叔母「そう言う事」

シイナの曇る表情が薄らいだ。
そろそろ話しやすくなった筈だ。


流石にビックリしただろう。
自分の親が船の設計士だったなんて。
言えない事情な訳でも無いだろうに
姉さんもオルトも人が悪い。

ああ‥もしかしたら小人の話と
被るから黙っててくれって
オルトが口止めしたのかも。

シイナがこんなに興味深く見てる
思った以上に姉さんの子だわ。

カレン、やっと自己紹介できた。
シイナに笑顔が戻る。

3匹に続く‥。

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