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東京学芸大学芸術館展示「そつてん。」

先日、東京学芸大学芸術館にて開催中の展示、美術科学部/大学院卒業・修了制作展、「そつてん。」へ足を運ばせていただきました。展示のテーマは「Bon Voyage.」、様々な道に進む卒業生たちの新たな門出に、「良い旅を」「幸せな人生を送ろう」という意味が込められているそうです。
私自身作品を鑑賞することは大好きですが、なかなか機会に恵まれずにいたので、今回「そつてん。」に足を運ばせていただいたことは本当に素晴らしい経験となりました。

芸術館の1階と2階にわたって作品が展示されていますが、広い空間を最大限に活用してとても素敵に作品が飾られていました。1階には、日本画、洋画、彫刻、版画、石井研究室作品、2階には、金工、石井研究室作品、美術教育学・芸術学論文等、環境プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、というように各研究室ごとに展示がされています。すべての作品を見て回るのにかかる時間は、個人差が大きいとは思いますが大体45分~1時間半程度でしょうか。私はかなりゆっくり見て回ったので1時間半ほどかかりました。

どの作品も作者の方の思いが感じられて本当に素晴らしいものでしたが、私が特に印象に残った作品が上に載せさせていただいた画像になります。
こちらの作品は2階の、階段を上ってすぐのところに展示されており、非常に大きく迫力のある作品でした。画像は作品の一部で、実物はお顔全体が描かれています。
私はこの作品を一目見て、描かれている人物の瞳の美しさに惹かれました。グリーンの瞳はまるで生きているかのように輝いていて、実際に存在する人物と対峙しているような気持ちになりました。まさに「目が合う」という感覚。こちらの心の奥まで見透かしているような美しく「生きている」瞳に、私はしばらくその場を動けませんでした。そして、人物のお顔の真ん中に重なるシルエット。この影はいったい誰のものなのでしょうか。想像が膨らみますね。
やわらかな髪の毛と白い肌、整った眉と大きな瞳、小さい鼻に薄い唇、非常に美しい見た目でありながら、その表情は淡々としていて描かれている人物の感情を読み取ることは容易ではありません。観る人の気分によって、この人物の感情の捉え方は大きく変わりそうです。私には悲しみや怒りの感情が読み取れましたが、違う人が見ればそうは捉えられないかもしれません、または作者の方が考えている感情とは全く違うものかもしれません。自分の思いを作品に投影して観るのも楽しみ方のひとつなのだと気づかされました。

作者の方はどんな思いでこの作品を制作されたのでしょうか。ぜひ一度この作品に込められた思いを伺ってみたいと思いました。

「そつてん。」には他にもたくさんの作品が展示されています。どれも力作ばかりで、足を運ぶ価値は十分にあります。
ぜひ一度、東京学芸大学芸術館「そつてん。」に訪れてみてください。きっと心に残る作品との出会いがあります。作者の方々の大学生活に思いを馳せながら、作品を鑑賞してみてくださいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。



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