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American Flyer-『 American Flyer』


このアルバムも1曲目から「アタリだ!」と思いました。
洗練された感じのアルバムが聴きたいんだ!という方にはめっちゃおすすめです。

このバンドは76年から78年までの活動でライブはなく、アルバムは2枚を出すにとどまりました。

彼らのファーストアルバムにあたるこの「アメリカン・フライヤー」は知る人ぞ知る隠れた名盤だそうです。フォークロック、AOR、ソフトロック特にロックとオーケストラサウンドの融合が好きな人はハマるのではないでしょうか。メンバーが全員アメリカの東の方出身だからでしょうか、レコーディングはハリウッドで行われましたが、やや都会的に感じます。

エリック・カズ、クレイグ・フラー、ダグ・ユール、スティーブ・カッツ、という4人から成るバンド。そしてプロデューサーはなんとビートルズのプロデューサーとして有名な、ジョージ・マーティン。
全員が名実ともに認められ最前線で活躍する人たちだったため、当時の周囲の期待は高かったそう。


エリックはブルース・マグースというサイケデリック・ロック、ガレージロックなど、のバンドで活動していました。このバンドが66年に出した『サイケデリック・ロリポップ』というアルバムが、初めてアルバムタイトルに「サイケデリック」という言葉を使ったアルバムだとといわれているそうです。歴史を作ってきたバンドだったんですね。エリックは、アメリカンフライヤー解散後も素晴らしいソロ作を複数残しています。
実は私が一番好きな男性SSWなので、エリックについては一度詳しく調べて書きたいと思っています。

クレイグはピュア・プレイリーグというカントリーロックの時代を作ることに貢献したバンドで主要メンバーとして活躍していたそうです。
80年後半にはリトル・フィートに参加しています。

ダグ・ユールはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの3枚目アルバムから活動、ソロになったルー・リードのアルバムにも参加しています。76年にはエリオット・マーフィーのアルバムでギターを担当するなど、各方面での重要人物です。

スティーブ・カッツはエリックの昔から親交があり、ダグ・ユールも参加したエリオットマーフィーのアルバムをプロデュースするなどしていました。
アル・クーパーと組んでいた時期もあったようです。ボブ・ディランも憧れたミュージシャン、デイヴ・ヴァン・ロンクに10代のころから師事していたそうです。すごい世界を生きている人ですね。

このアルバム、4人全員が曲を作っています。

A面1曲目Light of Your Loveは優しいく哀愁漂うピアノから入る名曲。3分以内の曲なのに、圧倒的な存在感でアルバムを象徴する曲。
また、B面2曲目の Love Has No Pride はボニー・レイットやリンダ・ロンシュタットに歌われてきた名曲。
アルバム最後の曲はエリックとジョージ・マーティンの共作でオーケストラのインスト曲。上品な後味を残します。 

スティーブ・カッツの曲はおしゃれです。
A面3曲目Back in ’57とA面6曲目の「M」、どっちも超かっこいいです。
「M」は一気に落ち着いた雰囲気でアルバムの雰囲気を変えてくれますし、バックのオーケストラが効いている。

クレイグによるB面1曲目のThe Woman In Your Heartはポップで聴きやすく、B面の始まりを明るく飾ってくれています。

ダグ作のA面4曲目Lady Blue EyesとB面3曲目Queens Of All My Daysはちょっとほかの人たちの曲と感覚違うかな?と思うような曲ですが、アルバムに幅を持たせてくれています。

とにかく、捨て曲なしのアルバムです。個人的にはやっぱりエリックがかかわっている曲が好きです。彼のソフトなボーカルとしゃれっ気と時折見せる哀愁、スケールの大きい感じ、その世界観にすごく惹かれます。

ジャケットも超おしゃれです。LPもそんなに多くは見ないので、見つけたら即買い??だと思います…!

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