南条光というアイドルについて
1.これを書くまで
2023年12月某日、なんの気なしに見たメインコミュ71話。4月に追加されてソロも発売されたのも知ってたけど見てなかったな、楽曲の解放がてら視聴するか〜と軽い気持ちで見たらとんでもなかった。南条光の魅力に一気に惹きつけられた。
なぜ自分がここまで彼女に惹きつけられたのかコミュ視聴直後は言語化出来なかった。ただアイドル南条光についてもっと知りたいと思った。のでデレステの各コミュを見ながら彼女について考察(と言うのもおこがましいが)し、71話の「宿題」について考えていこうと思う。
2.第一印象
彼女を認識したのはデレステを始めデレマスPになってわりと早い段階だったと思う。(何せ190人もアイドルがいるので顔を見ても名前がパッと出てこないアイドルさんもそれなりにいた)早い段階で彼女のことを覚えられたのはやはり彼女のパーソナリティである「特撮」であろう。
とは言っても
・特撮好きな女の子か〜。
・確かにそういう子いるよね〜。
・キャラ作りリアルでやっぱりデレマスってアイドルの幅広いな〜。
くらいの印象で正直なところそこまで気になるアイドルにはならなかった。しかもその時年齢を確認しておらず勝手に10歳くらいだと思ってしまった。なぜ実際より幼く見てしまったのかについては次の章で。
3.アイドルになる前の南条光
なぜ実年齢より低く見てしまったのか。それはあまりにヒーロー、正義を信じ過ぎているという印象が強かったからだ。
特撮好きに性別も年齢も関係無いと思うが彼女の場合、あまりに真っ直ぐに好きを貫きすぎている。ヒーローポーズを決めるのに躊躇いや小っ恥ずかしさがない。小さい子はそういうのないけど、ある程度の年齢になると出てくる。が彼女にはそれがない。彼女は小さい子の感性のまま大人になってしまっていると表現すべきか。正義を信じているし、悪は倒さなければならないと思っている。そういった感性がカードイラストから感じられ幼く見えたのだろう。
またコミュを読む中で彼女は「〇〇レッドになりたい」とかのイメージや比喩ではなくヒーローそのものになろうとしてるように感じた。彼女の中にはヒーローはこういうものという理想がありそれを出来る限り実行しようとしていた。
まとめると同年代の子達の中でちょっと浮いたヒーローになろうと奮闘する女の子、そういったところだろうか。
4.彼女の目指すヒーローとは
そもそも彼女の言うヒーローはどのようなものなのか。
昔から創作物において様々なヒーロー、正義の味方が描かれてきた。それらは大まかに二つに分けらるだろう。ズバリ人を助けて正義をなすヒーローと悪を倒して正義をなすヒーローである(何を隠そう私はヒロアカが好きだ。そういうことです)
では彼女はどちらに属するのか。私はどちらにも属していると思う。困っている人を見つけたら助ける(助けてしまう)し悪いヤツを見つけたら果敢に立ち向かっていく。まさに助けて勝つ、勝って助けるヒーローである。
5.ヒーローとして正義をなす事の難しさ
しかし彼女が正義をなすには様々な壁があるのも事実である。
①彼女の持つ力は…?
第一に彼女はどのような力を持って正義をなすつもりだったのか。
私はsideMのPでもあるためあえて触れるが315プロにも転職する以前から正義の味方、ヒーローを目指したり、憧れるアイドルが何人かがいる。彼らはそれぞれの力や武器をもって正義をなそうとしてきた。天道輝や握野英雄の弁護士、警察官の立場、紅井朱雀のヤンキーの威厳と誇りといったように彼らは己の正義を実現するための力を持ち合わせていた。
その観点でいうと南条光の持つ力は
特 に な い
である。特訓を行う場面があるがもちろん実際それで必殺技が身につくはずもなく…。
また腕っぷしについても特にこれといったものを持ち合わせておらず、良くも悪くも彼女はごく普通の少女なのである。
②そもそもヒーローは現実に存在し得るのか
またコミュ「Just Us Justice」で早苗さんが指摘したように悪いヤツを見つけた場合は頼るべきはヒーローではなく警察官などのしかるべき機関なのである。いくらヒーローになりたい、悪を倒したいといっても現実ではほぼ不可能である。(むしろやったら場合によってはこちらがお縄にかかる)
上記の通り、彼女は誰よりもヒーローになりたいと願いながらそのじつそれを実現するには程遠い所にいた。
しかしその理想と現実のギャップから生まれる危うさにある種惹かれたのも事実である。詳しくは後ほど。
6.そしてヒーローアイドルへ
現実でヒーローになるのは至難の業である。そこで彼女が新たに踏み出したのがアイドルへの道である。
アイドルとしてならある力である正義をなすことが出来る。即ち歌という力で皆を笑顔にするという正義をなせる。彼女のアイドルとしての夢はヒーローソングを歌うこと。特撮好きな彼女らしい夢であるがそこには歌で誰かに寄り添いたい気持ちが根底にあるのだと強く感じた。
フィクションの中だけの存在であるヒーローを現実で具現化するために彼女が選んだ方法がアイドルであった。歌で皆んなに寄り添い笑顔にするヒーローアイドルとして彼女は走り続ける。
7.ヒーローにとって何より大切なものは
5章で彼女にヒーローとしての武器はないと述べた。確かに現実で悪を取り締まれる権力も無ければ腕っぷしも強くない。
しかし彼女はヒーローにとって最も大切なものを持っていた。それは「正義の心」である。
これはアイマス全体にも言えることでもあるがそれまでの経歴ややってきた事から方向転換してまで何故アイドルになるのかという議題がついて回る。そして彼女について言うならば現実世界でヒーローを続けるためアイドルになる選択をした。そしてその基礎になっているのはアイドルになる以前から持っている正義を信じ、誰かのために戦える「正義の心」である。この正義の心があるからこそヒーローを目指し続け、アイドルの道に出会いアイドルとなった後も軸がブレることなく活動が出来るのだろう。
この世界で正義やヒーローといった本当に存在し得るのか分からないものをホンモノにするために奮闘する姿に惹かれたのだとここまで書いてきて実感した。ヒーローや正義といった現実世界で不確かなものを追っているのだから見ていて危うさを感じる時もある。しかし彼女はそれすら乗り越えてしまうのだろうという期待感を我々に抱かせる。不安定さ・危うさとそれを超える期待感・希望、それこそが彼女の魅力なのだと私は考える。
8.楽曲「サイン・オブ・ホープ」について
ソロ曲「サイン・オブ・ホープ」はそんな彼女の決意表明の歌だと私は考える。ただ漠然とヒーローになりたいと願っていた時から一歩踏み出しアイドルとして地に足つけて自分らしい正義をなす決意。「夢と希望と憧れの先へ」「まぎれもない現実の続き」という歌詞には現実世界でヒーローとして正義をなすことは確かに難しい、でもアイドルとして活動する中で実現してみせるよという気持ちも込められているのではないか。
9.71話の宿題について
最後に71話の宿題について考える。宿題は忘れられた先に残るもの。発端は好きであったヒーローを忘れてしまう、忘れてしまった親子の会話だがアイドルも同じく忘れられてしまうものである。その先に何が残るのかというのが宿題の内容である。
ここで光は結局良く分からなかったと話すがPはもう君は気づいてる、彼女の輝きが誰かの人生を照らしたという事実は変わらない、彼女をよぶ声の中に永遠に輝き続けるとこぼす。
そう彼女はすでに忘れ去られるものに対して言及しているのである。
その時の一瞬のきらめきや若さを言葉を選ばずに言えば売りにしているアイドル…を扱うコンテンツにおいて「忘れられるとき」にフィーチャーするとはなかなか突っ込んだ内容であった。しかしそのデリケートな話題に切り込んだのがアイドルとヒーロー、どちらもいずれ忘れ去られる運命にある2つの特性を併せ持つ南条光であったのは必然であった。そしてたとえ忘れられたとしても何か残るはずだと希望を予感させる結末はヒーローアイドル南条光のこれからの活躍を確かなものにした。
10.終わりに
ここまで読んでいただきありがとうございました!固い文章で書いてきたので最後は自分らしい言葉で締めくくりたいと思います。
71話を読んだ時から南条光ちゃんについて書きたいと思っていたものの中々筆が進まず…。そんな中で目に止まったのが去年10月に開催が発表されたユニットライブツアーでした。発表された当初はユニットライブやるんだ〜くらいの感覚だったんですがよく見たら!南条ちゃん!出てるじゃん!と気づき…これは早急に書いてライブに行かねばと思いこの記事を書き始めたのでした。
いろいろとありましたが何とかライブ前に形に出来て良かったです。もちろん南条ちゃんに関する全てのコミュを見れた訳ではないですし、何よりモバマス未履修なので穴だらけの拙い考察と呼べないよな考察だったかもしれませんが、彼女に出会った記念に一つ認めることが出来て良かったです。皆さんの心に何か少しでも残るものがあれば幸いです。
改めて読んでいただきありがとうございました。
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