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気象予報士試験 法規 気象業務法 予報業務の許可 その3 Vol.11

ほっと一息。今回は過去問ばかりなので、学習の前にちょっとした気象ネタを一本。
「全国一般風の向きは定りなし天気は変り易し但し雨勝ち」
これは、東京気象台が明治17年(西暦1884年)6月1日の午前6時に発表した日本初の天気予報です。漢字カナ混じりでしたが、カタカナはひらがなにしました。
技術の進展によりきめ細かな予報が発表されるようになりました。
レーダーなどの観測器機のハイテク化に加え、数値予報の計算をする大型計算機の性能も飛躍的に伸びたことも大きいですね。最近は線状降水帯の予測も進み、災害への備えが進んできています。

令和3年度第1回(第56回) 学科一般知識 問13
(1)予報業務の許可を受けた事業者の下で予報業務に従事しようとする気象予報士は、事業者を通じて予めその旨を気象庁長官に届け出なければならない。❌
👉気象予報士が届け出る必要はありません。気象庁長官に申請するのは予報業務の許可を受けた事業者です。

(2)予報業務の許可を受けた事業者は、配置した気象予報士の登録証を事業所に提示しておかなければならない。❌
👉気象予報士の登録証を掲示する義務はありません。

(3)予報業務の許可を受けた事業者は気象庁が発表した天気予報について解説を行う者は、気象予報士の資格を有していなくてもよい。⭕️
👉気象予報士は現象の予想をするのが仕事。現象の予想の解説は気象予報士である必要はない。
しかしながら、TV番組などでは気象予報士が解説をしている例が多くみられます。だから勘違いしてしまうかもしれません。気象予報士制度創設前や創設後間も無くの場合は「気象予報士」の資格を有していないアナウンサーが普通に解説していました。ある程度年齢を重ねた人々にとって、天気予報の解説は気象予報士でなくても良いというのは割としっくり頭に入りそうです。
かつては「お天気お姉さん」と称する方々(アナウンサーやアイドル)が、朝夕の番組で天気予報の解説をしているのを視聴していました。NHK第一放送(ラジオ)でも、天気予報は気象予報士の方が行っているのが多いですね。

(4)予報業務の許可を受けた事業者は、予報業務を行う事業所に複数名配置した気象予報士に1名の欠員が生じ、国土交通省令で定める人数に満たなくなった場合には、ただちに予報業務を停止しなければならない。❌
👉欠員が生じた場合は、2週間以内に補充する必要があります。省令では「2週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置を取らなければならない」と規定しています。

令和2年度第2回(第55回) 学科一般知識 問12
予報業務の許可を受けるために提出する許可申請書若しくはその添付書類としての正誤
(1)収集しようとする予報資料の内容及びその収集方法 ⭕️
👉上記のほか、次の項目が必要
 ・予報業務を行おうとする事業所の名称及び所在地
 ・予報事項及び発表の時刻
 ・現象の予想の方法
 ・気象庁からの警報事項を受ける方法 があります。また、
 ・事業所ごとにおかれる気象予報士の氏名及び登録番号を記載した書類
 ・事業所ごとに予報業務に従事する要員の配置の状況及び勤務の交替の概要を記載した書類  が必要です。

(2)現象の予想の方法及び適中率 ❌
👉 現象の予想の方法は正しいのですが、適中率は必要ありません。

(3)発表する予報を利用者に配信する施設の概要 ❌
👉 必要ありません。気象庁からの警報事項を受ける方法は必要です。

(4)気象予報士の氏名及び生年月日 ❌
👉 気象予報士の氏名と登録番号を記載した書類です。

令和2年度第2回(第55回) 学科一般知識 問13
(1)不正な手段により気象予報士試験に合格したために試験の合格を取り消された者は、以後最長5年間は気象予報士試験を受けることができない。❌
👉2年間です。

(2)日本国籍をもたない者は気象予報士試験を受けることができない。❌
👉国籍制限条項はありません。外国籍の方も受験できます。

(3)気象予報士試験に合格し、気象予報士となる資格を有する者が気象予報士となるには、国土交通大臣の登録を受けなければならない。❌
👉国土交通大臣ではなく、気象庁長官による登録です。

(4)気象予報士が、刑法の規定により罰金以上の刑に処せられたときには、気象予報士の登録を抹消される。❌
👉気象業務法の規定で罰金以上の刑となった場合に登録を抹消されます。気象業務法以外の法令違反では気象予報士の資格は失効しません。

令和2年度第1回(第54回) 学科一般知識 問13
(1)現象の24時間先から1週間先までの予報作業を毎日4時間にわたり行うとして予報業務の許可を受けた者は、事業所ごとに、3名以上の気象予報士を配置しなければならない。❌
👉現象の予想について1日あたり4時間なので2人以上の配置でよい。

(2)事業所において現象の予想に携わる気象予報士は、気象庁長官から発行された気象予報士登録通知書を事業所に掲示しておかなければならない。❌
👉気象予報士にはこのような書類を事業所に掲示する義務はありません。

(3)複数の気象予報士の配置が規定されている事業所において規定数の気象予報士から1名が欠員となった場合には、1ヶ月以内であればその欠員が補充されるまでの間、残った気象予報士により予報業務を継続することができる。❌
👉2週間以内に欠員を補充しなければなりません。

(4)予報業務許可事業者は、予報業務のうち現象の予想を行う事業所ごとに、国土交通省令で定められてた人数以上の専任の気象予報士をおかなければならない。ただし、予報業務を的確に遂行する上で支障がないと気象庁長官が認める場合は、この限りではない。⭕️
👉条文の規定通りです。このまま覚えましょう。

平成26年度第1回(第42回)学科一般知識 問12
予報業務の範囲を変更する時の手続きについての正誤。
(1)変更しようとした日から30日以内にその旨を気象庁長官に報告しなければならない。❌
👉予報業務の範囲を変更するときには、気象庁長官による「認可」が必要です。

(2)変更しようとする30日前までに、その旨を気象庁長官に届け出なければならない。❌
👉同上の理由です。事前に届出を提出する手続きは気象業務法ではありません。

(3)過去1年間の予報実績を添付して、気象庁長官に変更の承認を申請しなければならない。❌
👉同上の理由です。予報実績の資料の提出も不要です。「変更の承認」ではなく、「認可」受けなければなりません。

(4)事前に、気象庁長官の変更の認可を受けなければならない。⭕️
👉記述の通りです。

(5)気象庁長官に対して、改めて予報業務の許可を申請しなければならない。❌
👉(1)〜(3)の理由に同じ。

平成26年度第2回(第43回)学科一般知識 問12
(1)会社員が自社の屋外作業の計画を立てるために、気象庁から入手した資料を使って作業現場周辺のきめ細かな天気予報を行うときは、予報業務の許可を受けなければならない。❌
👉許可は不要です。

(2)天気によって売れ行きが大きく変動する商品に対して、気象に関する専門知識に基づいて最適な需要予測を作成し業界に広く提供するときには、予報業務の許可を受けなければならない。❌
👉「需要予測」であれば許可は不要。但し、現象の予想を行う場合は許可が必要。桜の開花予想や、ビールやアイスクリームの売り上げ予測など、気温の要素の予測に大変近いものですが、「最高気温が何度と予想されるので」といった現象の予想が含まれず、単に桜の見頃は「⚪︎日頃でしょう」とか気象庁による現象の予想の発表を受けて、その発表をもとに「ビールが売れるでしょう(または売れ行きは伸びないでしょう)」とか「アイスクリームは多く売れるでしょう(または売れ残りそうです)」などは問題ありません。

(3)レジャーや屋外イベント等での利用を想定して、空間的時間的にきめ細かな独自の局地天気予報を定常的に行うときには、それが特定の旅行会社だけに提供する場合であっても、予報業務の許可を受けなければならない。⭕️
👉正しい記述です。自社の運動会などのイベントで天気の予想を行うのは許可が不要です。

(4)気象庁が発表する気温の予報を用いて、熱中症に関する注意喚起等の情報を発表するときには、予報業務の許可を受けなければならない。❌
👉熱中症に関する注意喚起は現象の予想ではないので、予報業務の許可は不要です。

司法試験がCBTに変更になるという報道に触れました。
気象予報士試験も作図が画面上でうまくできるようになれば、CBT方式になるかもしれませんね。
漢字で答える時の誤字による原点もなくなりますし、採点する人からは読みやすいでしょうし、場合によっては、穴埋め(問1)や、選択肢の解答などはAIによる自動採点となるかもしれませんね。記述問題と作図問題の採点は最後まで人によるものとして残るのでしょうか。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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