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恋愛は選挙じゃない! モテとマッチングは別物です。

草食系男子が増えつつある今、美人で性格が良くても、受け身だと彼氏が出来ない! そんな風に嘆いてらっしゃる皆さんに朗報です。

オクテ女子のための恋愛基礎講座』には、自称「挙動不審のブス」だった著者のアルテイシアさんが、
体を張って発見した恋愛テクニックが満載。その一部をご紹介します。

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 この本を手にとった皆さんは「彼氏がほしい」「結婚したい」と(多かれ少なかれ)思っている人たちでしょう。

 私の周りにも「恋愛願望や結婚願望はあるのに、彼氏いない歴を絶賛更新中の女子たち」がいます。彼女らは見た目や性格やコミュニケーション能力に問題はない、どころか「モテそうなのに」「普通に彼氏できそうなのに」と周りに言われ「理想が高いんじゃないの?」と決めつけられる人々です。

 そもそも「モテそうなのに」「普通に彼氏できそうなのに」という発想が間違っている。不特定多数にモテたからといって、好きな人と付き合えたり、自分にピッタリの伴侶と結ばれるわけではありません。それに今や恋愛や結婚は「普通にできるもの」でもありません。特にガンガンいけないオクテ女子には受難の時代。

 私は女子校出身なのですが、母校の同窓会に行くと「昔遊んでた元ビッチ」は結婚していて「身持ちが固く恋愛経験も少ない、ひと昔前なら良いお嫁さんになりそうと呼ばれたタイプ」が独身。

 古のビッチと言えば、肉便器・ズベ公といった凄惨なイメージがあったけれど、現代のビッチは「恋愛やセックスを積極的に楽しむ肉食系女子」というイメージ。独身男性の4人に3人が「自分は草食系だ」と答える現代日本では、そんなビッチが俄然有利。経験豊富な彼女らは、30歳前後で結婚向きの男をガッチリ捕まえクロージングしている。それゆえ狩りが苦手なオクテ女子は「あれ、気づいたら周りにマトモな独身男が1人もいないぞ?」と首をかしげるハメになる。

 美人で性格が良くてもオクテで受け身だと結婚できないのが、21世紀の日本の現実。だからといって、オクテ女子に「ビッチになろう!」と言うのは無茶な話。人には生まれつきの性格があります。であれば、女子力アップに励んでモテ系女子を目指すべきか? というと、それも正しくない。

私もかつては「女子アナみたいなキャラになるべきか?」と血迷った時期がありました。が、そんなの8回ぐらい転生しないと無理だと悟った。人は自分以外の人間にはなれないし、自分以外の人間になろうとするとメンタルがやばくなる。

 当時の私も合コンさしすせそ的なものを実践しながら(さすがですね! 知らなかった! すごーい! センスいい! そうなんだ~!)「こんなことしなきゃモテないなら、死んだ方がマシだ」と思っていました。それに死ぬ思いでモテテクを使ったところで、そんな安い技に釣られるのは所詮ザコ。どうでもいい男を釣っては「私がほしいのはザコとは違うのだよザコとは、うわーん!!」と慟哭していた二十代。

 そんな拾う骨も燃え尽きるような時代を経て伴侶に巡りあった私は、真実に気づきました。

 「恋愛は選挙じゃない、モテとマッチングは別物なのだ」と。

私は多数の票を集めたいんじゃなく、自分にピッタリの「1票」がほしかった。不特定多数にチヤホヤされたいんじゃなく、たった1人の本命と結ばれたかった。もちろん「こんなにモテる私ってスゴイでしょ♡」とツイッターで自慢したいわけでもなかった(というか当時はツイッターがなかった)。私が望んでいたのは、モテじゃなくマッチングだった……皆さんもそうではないでしょうか?

 にもかかわらず「多数の票を集める=男受けする女にならねば」とプレッシャーに押し潰されたり、「王道モテ系になれない自分はダメだ」と自信を失い、本来の魅力をすり減らしていませんか? そんな女子たちに私は言いたい。「みんな、政権与党を目指さなくていいんだよ!」と。たった1人の支持者、愛し愛される伴侶さえいれば人は幸せになれるのだから。

そのために必要なのは「みずから選ぶ」という姿勢。「この人となら幸せになれる」と思える男を選んで、その1人と結ばれるために努力する姿勢。けれども「私なんて選べる立場じゃないし」と自信がないために動けなかったり、自分にどんな男が合うかわからなかったり、いざチャンスがきても恋愛に発展させる方法を知らなかったり……それで立ち往生するオクテ女子は多いもの。

 恋愛はキノコ狩りに似ています。経験豊富な恋愛上級者は、ベテランのキノコ狩り名人。けわしい森の中で多種多様なキノコに遭遇し、美味しそうなキノコを食べたら毒があって死にかけたり、見た目はグロいが滋味溢(あふ)れるお宝キノコを発見したり……その結果、キノコの見極め方や狩り方を学んできた。

 一方、経験の少ないオクテ女子はキノコ狩りの素人。いざ森に入ってもどこにどんなキノコが生えているかわからないし、キノコの見極め方や狩り方もわからない。そんな女子が自分にピッタリのキノコを手に入れるには、名人から教わるのが一番。

 ここで少し自己紹介を。今では恋愛作家・恋愛コラムニスト等、しゃらくさい肩書きをもつ私ですが、出自はコンプレックスをこじらせまくった喪女でした。女子校から共学の大学に進んだ当初は男子とどう接していいかわからず、放送事故のように沈黙を貫いたかと思えば、渾身の自虐ギャグを放って血が凍るほどスベるなど、「挙動不審なブス」を絵に描いたような存在だった。そこから四苦八苦して見た目やコミュ力を向上させ、どうにか恋愛可能になったものの、今度は「ピッタリの1票」に出会えず七転八倒しました。というか五十七転五十八倒しました。

 恋愛の戦場で地雷原に迷いこみ木っ端微塵に吹き飛ばされ、ビームライフルで射撃されて蜂の巣になり、全身に矢を受けて立ったまま立ち往生……どの時代の戦争かよくわかりませんが、とにかく何度も傷つき死にかけては「まだだ、まだ終わらんよ!」と再生して、59番目の恋愛で今の夫に出会ったのです。

 それから10年の月日が流れて私は40歳になり、作家活動と結婚生活も10年を越えました。その間、オクテで不器用な男女に向けて恋愛・結婚コラムや悩み相談コラムを書き続け、何万通ものメールを戴いてきました。その中には「初めて恋人ができました」「初めて付き合った人と結婚しました」等、嬉しい報告も多数ありました。

 またプライベートでもお見合いババア的な活動を続けて、何組かのカップルを成立させました。実はメールのやりとりで仲良くなった男性読者と女友達を引き合わせ、ご成婚に至ったケースもあります。我ながらなぜこんなに世話焼きなのか首をかしげますが、頼まれてもないのにアメちゃんを配る関西のオバハンのDNAも理由の1つでしょう。でも最大の理由は、自分が夫と結婚するまでに血ヘドを吐く思いをしたので、少しでも力になりたいからだと思います。

 ちなみに巷の恋愛本や婚活本を読んで「こんなの私には無理」「これができる人はとっくに彼氏がいるんじゃ?」と感じる人は多いでしょう。あれ系の本はそれなりに恋愛経験のある中級者以上に向けて書かれており、初心者にはハードルが高すぎる。本書は恋愛経験ゼロの自称喪女や高齢処女にも実践できる内容になっています。


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