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ビヨスパイ観劇記


はじめに

今回は11/10から開演されていた
BEYOOOOONDSの舞台
「ビヨスパイ」についての感じたことや残しておきたいことを書いていこうと思います。

以下より
私の個人的な解釈&感想であることと
ストーリーのネタバレがあることをご了承ください。


ビヨスパイの色んな要素

BEYOOOOONDSは2023年の秋ツアーを行わず
このビヨスパイを東京と大阪で開催することになりました。
そもそもBEYOOOOONDSは定期的に舞台を行っており、評価も得ている中で
今回単独ツアーを行わない上で開催される舞台には大きな期待とハードルがあったように思えます。
その中で見えてきた
様々な要素を挙げていきたいなと思います。


アクションとマジック

ビヨスパイ最大のチャレンジは
アクションとマジックだと思います。

アクションに関しては
東西のスパイ7人とケイ役のももひめも加えて大人数のメンバーがチャレンジしています。
まずもって多くのメンバーがアクションにチャレンジしたことが大きなことだと思いました。

更に言えばアンサンブルのプロの方々との戦いだけであれば相手にリードしてもらいつつ、
という流れもあるかもしれませんが、
自分たち同士の戦いのシーンもあり、
アクションシーン自体も複数回あり、
かなり試行錯誤したと思います。

その中でも手足の長さを活かしたさやちゃんのアクションはすごく映えていたし、
空手がベースにあるこころちゃんもさすがでした。
アクションのイメージが想像つかないメンバーも奮闘していて、
BEYOOOOONDSの新しい可能性を存分に見せてくれた要素でした。

そしてアクション自体はないものの
マジックをチャレンジしたのがゆは
舞台で難なく様々な技をこなしていて、
当たり前のようにみていますが、
仮にひとつひとつの技の難易度が高くなかったとしても、
失敗が許されない舞台でやり遂げることは容易でないと思います。
いっちゃんに関してはアドリブシーンで少し披露していたりとマジックを練習していたお話もありました。

アドリブシーンをゆはといっちゃんが務めたのも印象的でした。
主役を演じることの多かったゆはの初めてのアドリブシーン。
これまた初めての男性役も含めて本人がとても楽しんでいる様子がこちらまで伝わり、
いっちゃんのふんわりしたオーラと共に会場を笑顔に包みました。


ビジョン

本人たちの演技に直接的には関わってはいないものの、
背景のセットにビジョンが用いられたことも印象的でした。
メイン曲のパフォーマンス後にビヨスパイのタイトルを映して華やかなオープニングを演出したり、
東西の情勢やイッチの涙の説明の補助をしたり、
最後に東京タワーを消したりと
様々なところで活躍しました。
個人的にはここにも舞台への気合を感じるとともに、
舞台のみやすさにもつながったように思いました。


楽曲

今回の舞台も様々な素晴らしい楽曲が彩りを添えました。
ここでは、特に好きだった3曲をあげます。

・メインテーマ
今回の舞台の楽曲を語る上でメインテーマ外せないと思います。
印象的なメロディーラインで、
終演後帰り道で誰かしら口ずさむくらいみんなの脳に刻まれたと思います。
ハモりも、ソロパートも当たり前のようにハイレベルで、
ダンスもメインテーマにふさわしく多くのメンバーを使ったフォーメーションに、
振り付け自体も楽しく、思わず一緒に身体を動かしたくなってしまいます。
個人的には大好きなアーティストであるMISIAさんの曲に雰囲気が似ているなぁと感じていて
毎回聞く度にテンションがあがりました。

・ラッキーガール
みいみのソロ曲であり、最大の見せ場であるこの曲。
イッチの涙を手にして、冷静に考えると怖い状況にも関わらず、
満面の笑みで喜びながら歌うみいみの姿はかわいいの一言しかありません。
ビジョンもかわいさを更に引き出すピンクに染まり、そのかわいさとまぶしさに会場にいた全員の心が洗われたのではないかと思いました。

・マンゴーパフェ
軍国主義の東のスパイ。
厳格に事を進める中で、
マンゴーパフェを喜びながら食べる様子を歌ったこの曲はギャップが大きくてとてもかわいさが溢れています。
アンサンブルの方たちとくるくる廻りながら踊っているのは癒やしでした。
そして、この曲がフリとなって
終盤のシーンで大きな感情が呼び起こされるという意味では大きな曲でもあると思います。


12人にスポットが当たるストーリー

BEYOOOOONDSメンバー12人だけで作る舞台が続いた中で、
今回は汐月しゅうさんとアンサンブルの4名と共演し、BEYOOOOONDS12人だけでない舞台となりました。

ただ、これは初期のように難易度の高い部分を助けてもらうために共演した…
というものではありませんでした。

ビヨスパイのストーリーは
アタッシュケースを持つ
東西のスパイ、ケイ、Mr.ショウが
各々主人公としての目線を持っており、
最後のキーアイテムをもつナナミ。
という構図になっていることに特徴があると思います。

主人公格の4人がそれぞれ自身の目的に向けて行動して行く中で、
アタッシュケースを通じて巡り合い、
最後のシーンを迎えていくという流れになっており、全員がストーリーに深く関わっている役柄になりました。

そんな構図を成立させるためには
5人の共演者が必要不可欠でしたし、
この共演者のおかげで、
12人全員に大切な役を任せることができたと思います。

もし、中佐やマフィアをメンバーで担ってもらっていたら、
ビヨスパイのストーリーが
ミカが立派なスパイになるまでの成長ストーリー
東西の国同士の戦いのストーリー
のようなすごくシンプルなストーリーになって
特定の主役にスポットが当たりながら進んでいく舞台になった可能性もあったと思うのです。

各々にスポットがあたり、
全てのメンバーの役への思い入れが更に強くなる。
そして
ストーリー自体もアタッシュケースがどうなっていくのか、この物語はどういう結末になるのか、
と先がワクワクするようなストーリーになっている。
5人の共演者のもたらしたものは
ビヨスパイの魅力を大きく引き上げたと思っています。


平井美葉とレンについて

さて、ここまではビヨスパイ全体の話をしましたが、
ここからは推しであるみよちゃんにスポットライトを当てて書いていこうと思います。

体力面でのプレッシャー

今作でも男性役
かつ紫色のスーツ姿、軍国主義である東の優秀なスパイ、その中でのリーダー格と
かなりオーラを纏わないといけない役柄になっています。

本人は稽古中からかなりのプレッシャーを受けていることをブログからも伺いしれました。

スーツを着たときのシルエットが綺麗になるように、日常的に散歩を取り入れたりと身体づくりから役作りに入り込んでいました。

さらに、初挑戦のアクションでも
軍国主義のスパイのリーダーとなれば、1番強くならなければいけない。
となるとそれ相応の立ち回りを体得しなければならない。

そういう意味でシンプルに体力的に厳しい日々を過ごしていたと思います。

実際に舞台に立ったみよちゃんは
冒頭のウエイター姿も
レンとしての細かな立ち振る舞いも
姿勢がすごく綺麗で、
役作りの成果がいかんなく発揮されていました。
そしてアクションもすごく迫力のあるものになっていました。


繊細な役どころを演じるプレッシャー

前述の通り、アタッシュケースを持つものがそれぞれの目的に向かい進むという特徴があるストーリー。
特定の主人公も、絶対的な悪役も不在のままストーリーが進んでいく中で、
ケイとMr.ショウが目的を達成し、ストーリーから離脱すると一気に様相が変わります。

大阪の経済特区に仕掛けられた起爆装置
聖杯の位置付けであるイッチの涙
その2つを手にし、戦争へと進み、多くの人の命が犠牲になりうる道へ進むレン率いる東陣営
そしてそれを止めようとする
リョウ率いる西陣営

明確に東西の国家の争いになり
そしてレンがハッピーエンドを阻む障壁として悪役のような立ち振る舞いになりました。

絶対的な悪役ではないものの、悪役自体は初めての役どころ。
そこにかかる精神的なプレッシャーも大きかったように思います。

更に、
メンタル的な難しさを高めたのが
レンが「葛藤」を抱えていること。
人一倍実直な性格なレンは
軍国主義の東日本に忠誠を尽くすこと。
それが自身の生きる術であり、大義である。
そう言い聞かせながら行動してきたと思います。
しかし、本心では
人の命が多く失われることに疑問も感じている。
そんな葛藤の中で、
幼馴染である西のスパイの前に立ちはだかっている。
この繊細な心模様を演じるのは更にプレッシャーがかかったようにみえます。


揺れ動く複雑の感情の狭間で

その葛藤が更に表面にでるのが
リサが起爆装置のカードキーを差し込もうとする場面から。
西のスパイのどんな呼びかけにも信念を崩さず、
信じぬいた「大義」で、リサに起動するよう促すさまは、前段の戦闘での強さもあいまって強大な最後の敵のように思えます。

しかしユキとミカの呼びかけにより、
自分の命をなげうってまでカードキーを割ったリサ。
その姿を見て
自身の葛藤を大義の2文字だけで蓋をすることに限界が来てしまった。
その末に、イッチの涙もリョウに渡すに至る。
更にマコとハルカの身を案じ、
自身を撃つように告げる。
ここまでの出来事をほんの一瞬で演じなければならない。
そのメンタルのコントロールもかなりハードルが高いように思えます。

マコとハルカに撃たれる覚悟で背を向けていたものの、
その2人からずっと一緒だと呼びかけられ
この先の運命がどんなものであろうと共にできると分かった時の涙は、
喜怒哀楽のどの感情とも言い難い、
けれど、大義、葛藤、色んなものから解放されて、やっと自身の感情のままに流れた涙のように見えました。

そしてどの公演でも、
覚悟を決めて背を向けたところから、
涙を流すところまで、
一瞬たりともレンの表情を見逃すまいという気持ちにさせられました。
それぐらい魂が込もっていたと思います。

その涙で赤くなった目はどの公演でも
カーテンコールまで余韻が見られるほどでした。
アタッシュケースが集結してから、
掛け合いが多くあるわけでない少ない時間で
様々な感情の間を揺れ動き、
最後は感情を爆発させ涙をする。
そんなレンを演じた平井美葉。

今回も素敵な役に出会うことができた嬉しさと
感情の激しい揺れ動きを演じる重圧に本人の心が壊れてしまわないかと心配なる気持ちと
こちらも色んな感情が生まれました。

レンの存在は
きっとみよちゃんにも大きな出来事になったと思います。
また自分の思い出に深く刻まれました。
そんな存在に会わせてくれたビヨスパイには感謝しかありません。


おまけ

好きなセリフ

どの舞台にもすごく好きになるというか、
妙に心に残るセリフがあるのですが、
今回はユキの
「私、スパイ向いてないかも」
でした。
本編でも大事なシーンですが、
毎回このセリフをすごい楽しみにしていました。


しゅうさんとアンサンブルのみなさん

汐月しゅうさんが美しすぎる。
あのスタイルで歌って踊っていたらずっと見てしまう。なんなら見とれてしまう…。
そのくせにカーテンコールではめちゃめちゃ可愛い仕草してるんです…。
この舞台を通してめっちゃ好きになりました。
とはいえ、本編中の中佐は
最後にいいとこ持って行き過ぎてはいないかい?(笑)

アンサンブルのみなさんのおかげでビヨスパイが成り立ってるのはもとより
みなさん本当に人柄が良さそうな様子が、色んなところで分かって、4人含めてこの舞台作ってるんだなと思いました。

だからこそ、
しおりんがカーテンコールでお話した回で
4人も前に来てBEYOOOOONDSと手を繋いで、
17人横並びで挨拶してくれたこと、
その姿に拍手を送らせてくれたこと、
本当に感謝しかありません。


マンゴーパフェ

マンゴーパフェ食べたいよね…。
東のスパイが可愛くマンゴーパフェ食べる姿が本当に好きでした。
そんな楽しかった想い出を
任務失敗で、粛清という最期が頭をよぎりながら、思い返すラストシーンを見ると毎回胸がキュッとなりました。


おわりに

きっと、千秋楽を迎えて本人から色んな感想や、苦労などエピソードを聞くことができると思います。私が思ったことが合ってたか、合ってないかはいろいろあると思いますが、
それも含めてレンとみよちゃんについてまた色んな想いを巡らせられればなと思います。

長い文章になってしまい自分でもビックリですが、
言いたいことは全部書けたと思います!
お付き合いいただきありがとうございます。